2か月ほど前に、江の島島内で売っていた江ノ電ガチャについて記事を書きました。
実はそのあと、江の島に友達と観光に行く機会があり、
その時に、洲鼻通りのお土産屋さんに立ち寄ったんです。
あの辺のお土産屋さん、昭和テイストなのにちゃんと巡れていないのが地元民の節穴観光ですね。
そうしたら・・・見慣れぬ江ノ電グッズがジャラジャラとぶら下がっていて、
いくつか買って帰ったのでした・・・。
休日自衛隊湘南鎮守府@kyuujitujieitai洲鼻の土産屋で発見
2020/10/27 10:17:58
デッドストックなのか埃をかぶっている
EERの承認を受けているらしいが、僕はこれ初見なので気になって購入
もしかすると108も存在する?
…造形からして例の江ノ電ガチャとつながるかもしれないと期待している https://t.co/BICNPFD2dG
先ほども申し上げましたが、
もはや「携帯ストラップ」という概念が死語と化しつつあるこの世の中で、
こいつらが日の目を見ることはあるのか・・・。
108、1002、10という、90年代の人気車両を集めた感じの台紙に収まっています。
しかしこの造形と塗装の感じ、なんかあの江ノ島ガチャに似ていませんか?
そして裏面にはなんと、
メーカーの名前「アルファグラフィックス」の文字が!!
ウェブサイトは閉鎖となっていたものの、
2009年最終更新のサイトをインターネットアーカイブから拾ってくることが出来ました。
https://web.archive.org/web/20090302144205/http://a-graphics.co.jp/index.htm
どうやらこの会社、かつては鵠沼に事務所を置き、
WEBサイト制作・キャラクターグッズ制作などを業務としていたらしい。
https://web.archive.org/web/20050204062522/http://a-graphics.co.jp/total/index.htm
調査してみると、
「トータルコーディネート」と称して江ノ電の公式ページを開発していたようで、
江ノ電公式サイト開設の広告電車もここの発案らしい。
マジかよ・・・なんか芋づる式にすげえ情報出てきたんですが・・・。
確かによく見てみると、2003年ごろまでの江ノ電のWEBページに、
「Produced by ALPHA GRAPHICS Co.」の文字があります。
https://web.archive.org/web/20010302020844/http://210.224.201.13/
(なんかこのIPにリダイレクトされるんだけど、昔のサイトってこんな感じなの・・・?)
どうやら、江ノ電も箱根登山鉄道もこの会社がWEBサイト制作を手掛けていたらしいのです。
まさか小さいころに見たサイトの源流をこの歳になって知るとは・・・。
そして、江ノ電グッズの制作も手掛けていました。
https://web.archive.org/web/19991111193529fw_/http://www.a-graphics.co.jp/shop/buppan.htm
江ノ電の公認グッズという概念が発展途上にあったころの、湘南・鎌倉の海を背に走る江ノ電を型どった新しいお土産を制作、販売しています。当社のグッズは江ノ島電鉄株式会社の公認を受けている唯一の商品です。
まだ商標すらいまいち決まっていなかったころのものでしょうか。
※特許庁で検索する限り、江ノ電がグッズ関係で商標出願を始めるのは2000年以降
グッズ制作の案内ページがあったので見てみましょう。
https://web.archive.org/web/20090302144154/http://a-graphics.co.jp/chara/index.htm
このストラップの色がまちまちなのは手塗りだったから・・・!○様々な形にデザイン、加工が可能○○キャラクター部分、最低2,000ロットから製作可能○○手塗りですので、色数に制限がありません○○型代が発生しません○
パズルが繋がってきましたよ!
1000個作成して32万円という見積もり例がありますが、
人件費的にこのビジネスモデル成り立ったんですかね・・・?
そして通販サイトで売っていたわけです。
通販サイトはDBと読み書きをするためアーカイブ保存が難しいのですが、
奇跡的に古いサイトが残っていたので紹介しましょう。
https://web.archive.org/web/20001002032940/http://www.a-graphics.co.jp/cgi-local/shop.pl/page=shop-enoden.htm/SID=PUT_SID_HERE
ほかにもブリキのタンコロなどの通販を行っていたようで、
今や当たり前の江ノ電グッズのオンライン販売も、
20年前にはこの会社を通じて行われてたのがきっかけなんですね・・・。
鎌倉駅の江ノ電グッズショップの開業が1999年12月20日。
この頃が江ノ電グッズ元年だと思っていたんですが、
その少し前からこういう試みが行われていたんですね・・・。
しかし、この江ノ電の顔、なんか違和感が・・・。
あれこれ調べまくった結果・・・
ヤフオクで新種に遭遇()
アルファグラフィックス製って感じの雰囲気がありますねぇ・・・メーカー書いてないけど。
2枚窓の電車、手塗りっぽさ。
これだ・・・!アルファっぽいぞ・・・!
果たしてタンコロのストラップが存在するのか
箱根登山バージョンはどのようなデザインなのか、
会社はいまどうなってしまったのか
(2015年の情報以降、同じ社長が起業して別の事業を展開していることが分かりましたが、
それ以外には調査しても出てきませんでした。)
ちなみにこのストラップをTwitterにアップしたら、Twitterにこんな反応が・・・。
(お二方とも掲載を快諾いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。)
平将@Double_Liesse江ノ電ガチャで稀に出てきた当たり(?)ですね。ストラップは外装ごとカプセルにギチギチに詰められて入っていました。
2020/10/27 12:35:11
108はストラップではなくキーホルダー仕様で出てきました。 https://t.co/M5Ikvs1xej https://t.co/xIFr8eUqDV
遠方から愛のリプが飛んでくるのがインターネットのやめられないところ。
改めて依頼品を見てみよう・・・。
鈴のついたキーホルダーにタンコロがついています。
しかし、タンコロストラップと比較してみると、
その造形は似て非なるものです。
確かに作りとしては近いのですが、
・ドアの黒縁
・ENODEN表記
・台車間の距離
と、どうやら金型レベルで違うものを作っているらしい・・・。
それとはまた別にこんな画像も頂きました。
かすあま@@_KASAMA_ia86これもその一種...?
2020/10/27 13:51:39
小学生の時に江ノ島でガチャ回したら出てきたシクレらしき金のタンコロ
筆箱に付けて学校持ってってたから車輪ぶっ飛んでる.... https://t.co/1WfMeanWFN https://t.co/633N3IcO3Q
このストラップは、前回紹介したストラップを金一色に塗ったもののようです。
薄く塗料を塗らないとこの色にならないはずなので、
3色以上塗装するタイプのものよりも造形が出ています。
おそるべき、インターネットの集合知。
最後の目撃から5年、金色のシークレットの存在が確認されました!
調べれば調べるほど、謎が深まる
アルファグラフィックス製江ノ電グッズ。
駅長削減による江ノ電鎌倉グッズショップの開店、
タカラトミーによるプラレール商品化ラッシュ、
丸彰製玩具のぷるぷる、くるっぴーなど超絶バリエーション展開
江ノ電エリアサービス・赤い電車の高級グッズ路線音拡充・・・
全ての原点となったかもしれない、1990年代グッズの肖像を、
私はこれからも、インターネットの欠片から追い求めるのであります・・・。
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