街角のインフラの姿を追いかけている弊ブログ。

以前は駅構内にある公衆電話についての記事を投稿しましたね?


次のテーマは、ずばり


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・・・郵便ポスト!

鎌倉は歴史ある立地とあって、
この差出箱1号(通称:丸ポスト)の姿を多く見ることが出来ます。
これは1949年、戦後の郵便ポストの標準型として製造されたポストで、
1970年まで製造されていました。

地味に、横浜市内には2か所しか現存しないと言われています。


そんな丸型ポスト、都市部では景観に似合わないとか、郵便物の増加などで姿を減らしていますが、
現在でも鎌倉市や逗子市などでは多くの現役ポストを見ることが出来ます。

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長谷駅前の丸ポスト。


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力持屋わきのポスト。


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これは鎌倉宮。
バスターミナルのせいか、公衆電話も小銭入れが大型のMC-4Pです。



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こちらは若宮大路にある個体。


鋳物のポストって急速に数を減らしているなか、
鎌倉は歴史を大切にしている

・・・と、思うでしょ?

では聞きます。
「丸ポストの次に新しいポストはどれ・・・?」

ということで、
身の回りにある郵便ポストを見てみましょう。

ポストの形式については、郵政博物館の資料が詳しいです。

これを見ながら街歩きをしていきましょう。


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藤沢駅前にある大型のポストです。
差出箱12号と言います。

レターパック対応の大きな差出口が特徴です。

足の形状が違いますが、これは片方ずつ新型に置き換えられたためで、

右にあるのはふじキュンのポストです。
2021年4月にラッピングされtました。

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3月末の時点では色だけ変わっていたのですが、

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4月には江の島とヨットが取り付けられ、
ますますふじキュンらしくなりました。

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これが完成形です。
割とポストって使われてすぐに汚れてしまったので、
キレイなうちに撮れてよかったです。



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こちらは差出箱13号。
12号よりも足長で、箱は少し小さいです。

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そこそこの規模の郵便局に設置されています。

さらに小さくなると、

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七里ヶ浜駅の差出箱10号


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江ノ電江ノ島駅前の差出箱10号


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腰越郵便局にあった10号です。

もっと小さいのではこんなサイズ。

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こちらは鵠沼地区にあった、
さらに小さい差出箱14号と呼ばれるタイプです。


このように、郵便ポストには様々な形があるのですが、
どれも割と小ぎれいで新しいものばかりなのです!


まぁ他にも江の島の黒ポストとか変わったものは設置されていますが、
これもまたレアケースで。

では、江ノ電沿線の丸くない古ポストいえば、たとえばこれ。
こちらは江ノ電長谷駅の近くにある、差出箱1号角型です。

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1970年に登場した丸型ポストの後継種です。
箱型になった詳しい経緯については郵政博物館が研究していました。
https://www.postalmuseum.jp/publication/research/research_10_13.pdf
1号というのはもともと丸型のことを指しているのですが、
大型ポストの普及で丸型ポストの需要が不安定になり、
小型ポストも他のポスト同様角型に変更することになったようです。

ぜひともみなさん、古そうなポストを見かけたら写真に撮るようにしましょう。
マニアたちは収集時刻の部分も調べているんだとか。


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なかなか年季が入っています。


古いポストでは、この差出箱1号角型というタイプが比較的残っていますが、
これを除くとかなりの数の郵便ポストが新型に更新されて絶滅の危機に瀕しています。



ということで、
江ノ電沿線に残る古ポストを探しに行こう!と思ったのですが、
ここで便利なのがポストマップというアプリ。ポストの目撃情報をマッピングしているアプリで、
これに情報を登録している有志がたくさんいるのです。

色々調べたところ、
江ノ電沿線には以下の2種類しかないことが分かりました。

・差出箱1号箱型
・差出箱3号

また横浜市など少し離れると以下の種類もあることが分かりました。

・差出箱2号 箱根方面にいくつか
・差出箱7号 桜木町に1つ
・差出箱8号 戸塚区、横須賀市などに点在
・差出箱9号 大船などに点在

ということで、差出箱3号を見に行ってみることにしましょう!


目指すは大仏の裏ということで、
さくっと湘南深沢へ。

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おかーさんキセルってなーにー?って聞いてる子がいましたが。
キセルは木のパイプの両側に金属部品があって、
乗車距離をごまかして安い切符で電車に乗ることを指します。

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湘南深沢駅から、江ノ電バスの深沢バス停を目指します。


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途中、突然回送列車が入場。
どうやら深沢車庫内で入換を行うときにいったん本線上に現れるらしい。


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ご当地スーパー・やまかの上をかすめていくモノレール。


さて、この深沢という場所は、
大船~江ノ島を行く道と、藤沢~長谷を行く道の交点にありまして。
結構いろんなバスが走ります。

なので深沢というバス停でも、そのバス停がどこにあるかはよく調べる必要があります。
こういう、「バス停がどこにあるのか」という情報はまだまだうまくいかない点が多く、
Google先生も京急バスの停留所に案内してきて軽くパニックになりました。


で、乗るべき鎌倉行のバス停はここ。


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いや知らんがな。って立地。
湘南深沢駅全然遠いじゃんて。
藤沢行はさらに道路を渡るんですから大変です。


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バスが来ました。

日産ディーゼル+西日本車体工業のバスです。
どちらのメーカーもバスの生産を終了しました。
新しい車のイメージがありましたが、今ではすっかり古参の部類なんですね。


路線は、F1系統、藤沢駅〜鎌倉駅(川名経由)というものです。
藤沢駅から見て東、東海道線の南側の、アズビルの工場があるあたりを川名と呼ぶそうです。
バス停は旧字名がよく使われるので、馴染みのない土地には結構悩んでしまいますね。

ちなみに方向幕では、
「深沢・大仏・鎌倉駅」「大仏・藤沢駅」などと書かれてきます。
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だいぶ昔の地球くんエアロスター。2009年

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西工大型ショートなんてのも過去のものですね。2010年

この表記の方がなんとなく場所がイメージできて、圧倒的な正しさを感じてしまいます。


深沢からバスに揺られる事バス停5つ。

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火の見下という停留所で降ります。

ほらね?江ノ電沿線!(ゴリ押し)

そこから住宅地に向かうのですが、
ここが出入り口が坂道一か所しかない場所で、
高級な住宅地という感じ。

そんな場所に古ポストが・・・


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ありました!藤沢市0基、鎌倉市1基とされる、差出箱3号です。

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全体的に縦長で容積は結構ありそうに見えます。
赤一色のポストって珍しくなりましたよね。


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この差出箱3号は、1951年

午前中の日当たりが良いのでしょうか、東側の退色が目立ちます。


写真を撮っていたら近隣の番犬が吠えまくるので、そそくさと撤収・・・。

怪しい人と思われたのかな・・・まぁ怪しいんだけど・・・。



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こういう色灯式の、楕円形の信号機もいずれレアになるのでしょうか。


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この一帯はバス停の形が異なる停留所もあるのですが、
何が違うのか、バス停を見ただけではパッとわかりません。

少し調べる必要がありそうです。



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ここには、差出箱1号角型が。

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背後にあるのは消防団の建物です。


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1号角型には、差出口のところにヒサシのあるものとないものがあるようです。
これはあるタイプですね。


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さっきのポストの後に収集に来るみたいですね。
火の見下のバス停に来ました。
なんで火の見下なんでしょう。さっきの消防団の建物がなんか関わっているのでしょうか?

それとも、近くの八雲神社になにか由緒があるのでしょうか?


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鎌倉行のバスが来たので移動します。


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こちらも西工です。
先程の大型車よりすこし小さい、
中型と呼ばれるタイプの車ですね。


こ実は鎌倉市街地の江ノ電バスって、大船から建長寺のほう通って来る一部の便を除いてほとんど湘南営業所の管轄なんですね。
てっきり鎌倉には鎌倉営業所の車が入ってると思ってました。

バスは大仏切通をトンネルで抜けて、長谷観音の先で東へ進路を変え、由比ヶ浜大通りを進みます。が、
六時蔵の先、御成の江ノ電の踏切を前にして渋滞にはまります。
この間、対向のバスはひっきりなしに来ていて、このF1系統の本数の多さに驚きます。
まぁ、江ノ電バスがなかったら生活できないエリアですから当然ではあるのですが…。

由比ヶ浜郵便局が見えました。


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浄明寺郵便局にもこんな感じの観光マップがシャッターに描かれていました。
日曜に閉まっているのを活用したいいサービスですよね。
ポストは差出箱10号のようです。

ちなみに、新しめポストに差出箱11号というのがあるのですが、
こいつは鎌倉市街地では数が少なく、八幡宮の東側に1基があるだけ、藤沢市は藤沢駅北口の商工会議所の近くにあるようなので、こんど見に行ってみようと思います。


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鎌倉駅に行ったら、江ノ電インフォメーションセンターが閉鎖されて空っぽになっていました。
結局一度も利用することがありませんでしたね・・・。一度だけ江ノ電グッズをここで買ったかな。
かつては藤沢にもあった江ノ電インフォメーションセンターですが、今は隣の携帯販売店を取り込んで観光案内所になりました。
私は昔の事情をよく知らないのですが、どちらも江ノ電ツーリストの事務所だったのでしょうか。
江ノ電ツーリストは、江ノ電エリアサービスの旧旧社名です。
旅行事業と交通広告事業をやっていたそうですが、2003年に旅行事業を売却。2004年に江ノ電商事と合併、2016年江ノ電設備管理を合併して江ノ電エリアサービスになりました。
エリアサービスが1967年創立を謳っているのは法人としてのルーツがそこにあるからなんですよね。


しかし、定期遊覧バスの乗車券発売所がなくなってしまったということは、
いよいよ江ノ電は定期遊覧バスを廃止するつもりなのでしょうか。
うーん、険しい・・・。


さて、今回はポストを探して大仏の裏までバスで行きました。

ゆうパックのようなサイズ測定などが不要なレターパックがとても便利なので、
やはりよく利用される場所では急速に旧型ポストが姿を減らしているように見えます。

なかなか民間にポストを払い下げることもなさそうですし、
みなさんも、古ポスト探検、やってみてはいかがでしょうか。

江ノ電沿線に限らず、たとえば大雄山線や登山電車の近辺には、
9号ポストなど絶滅危惧種がいろいろありますので。