9月23日のこと。
大雄山線に計画運休があると聞き小田原へ。
完全なパターンダイヤである大雄山線が運休する理由、
それは駿豆線の大場工場で大雄山線の電車をメンテナンスするため、車両を行き来させるためです。
今回は、大場を出場した電車を大雄山線に連れ帰るための輸送とのこと。
いつも深夜ばかりだったので、久々に日中の大雄山線を楽しもうと思います。

大雄山線はかつて大雄山鉄道という会社で、のちに駿豆鉄道に吸収され伊豆箱根鉄道と改称します。
開業時のの本社屋は小田原駅の片隅に残っています。駅トイレに行く通路から見えるこの木造建築です。

5001-5002-5501という編成。
1の位の車番が飛ぶので、5501編成と呼ぶらしい。
これでまずは大雄山駅へ向かいます。

いました!本日の主役、コデ165です。
その出自はなんと、1928年製造の国電クモハ11109!
江ノ電のタンコロより古く、小田急のデハ10より1年若い、93歳です。
1960年に相鉄に払い下げられ2000形2024となり、1974年に伊豆箱根鉄道にやってきました。
そして現代の5000形が導入された後、165だけが工事用車両として残り、
1997年にコデ165になりました。
車体は相鉄時代に車体更新されていますが、
なにより構造は昔のまま。これが今でも動くのですから、しっかり記録しなくてはと思いまして。

停止しているのでゆっくり車内を見れますが、
車体の記録をしたい人もいると思うので手短にやります。


車内には空気ダメが多数設置されていました。
おそらくは貨車や電車を牽引するための空気をここで供給するのでしょう。
岳南電車の機関車を見学した際に感じたこととして、
電車と機関車の間ではブレーキ系統の違いがはっきりしているという気付きを得て
実質機関車代用となっているコデ165もこのようになっているのかなと推察。
チョコ色ということでバレンタインの時期に車内公開をやったこともあるようですが、
いつも終わってから知るという悲しい話。

折り返しの電車があるので大雄山を後にします。

やってきたのは和田河原駅。

島式ホームの交換駅です。

なんとアパートと駅が繋がっているという不思議な駅舎。大雄山線にはこのようなスタイルの駅舎が五百羅漢とここの2駅あります。
今回、コデが動くということで走行音の収集をするべく、障害物の少ない場所を撮影場所として選定しました。

鈍い音がしてきます。

電車が来ました!

足回りの構造が今では見たことないような構造をしています。
弓上の部品が車体から下に押され、車軸に重量を伝える構造になっているのでしょう。
動画はこちらからどうぞ。ビリビリと響く吊り掛け駆動の音がわかります。
神奈川で吊り掛け駆動というと江ノ電1000形が有名ですが、
あれは新しい台車なのでやはりおとなしいというか、吊り掛けなりに静かな音をしていると感じます。

和田河原駅の公衆電話です。
MC-3PNCKでした。

くまさんカードという掲示板。
地域商店街のスタンプ的な制度でしょうか。
とりあえず往路の迎えは撮影できたので、
小田原駅に向かいます。

検査明けの編成が止まっていました。
相模貨物駅からEF65形2000番台が牽引してきました。

おでこに新しい保安装置がついています。
実車試験のために取り付けられたそうです。

電気機関車がJRの線路、架線から大雄山線側にはみ出すことのないよう、控車としてコキを連結しています。

JR線と大雄山線との渡り線のポイントはテコが連動しているのが面白いと思いました。
よく観察するとパイプが繋がっているのがわかると思います。
このような検査車両の受け渡しでしか使わないので、入念な注油が行われていました。
コデ165がまず緑町方面へ移動。
渡り線ポイントが転換されると、EF65が5000系を押し始めます。
ゆっくりと移動してコデと連結。コキと切り離されます。解放テコの操作に少し手間取っていたようですが無事に切り離され、電車は小田原駅2番ホーム(JR側のホーム)に進入します。

改めて5000系の甲種用設備を観察します。

運転台もちょっと観察。シンプル過ぎますね。
懐中時計を入れるためのホルダーがあるのが面白いですね。
並んでいたわけですが、自分の順番が来てからカメラ準備するんじゃなくて、
予め準備して撮るようにしましょうね、後ろも短い停車時間で待ってるわけですから。

エアータンクの違いも観察していきましょう。
こちらがコデのもの。

こちらは回送車両に仮設されているものです。
調べると、5000形は電気指令式電磁直通ブレーキを使っているので、
運転台の電気信号で3両が電空併用のブレーキ操作をします。
そのため、電気機関車やコデが用いる自動空気ブレーキで用いられる、
空気圧を利用したブレーキ指令を受け取れません。
そのため、甲種輸送の際はコデや機関車の自動ブレーキ管圧力を受け取るための読み替え装置が必要になります。
そのためにこのエアータンクを仮設するようですね。3年に1度しか使わないから各車に付けるより経済的というところでしょうか。
詳細な構造はよくわかっていないので、もう少し調べたいと思います。
空気ブレーキは何度勉強してもよくわかりませんね。。。三道弁とか特に謎。

ホームにコデが据え付けられている間、1本定期列車が来ます。
通常であれば交互発着で小田原に12分停車する電車ですが、
相方が運休中なので、この電車はすぐに折り返し発車します。車掌さんは駆け足です。

五百羅漢駅にやってきました。
歩きながらカメラ構えてる人と書いておっかないことするなぁと思ったり。

ここの電話はMC-3PNC
日本電信電話とあります。
東日本・西日本・無印との違いは何なのでしょうね


こういうスタイルの時刻表、珍しくなったよなぁと思います。
パターンダイヤならではですね。

伝言板が残ります。

ここには大雄山線保線支区があります。かつては電車の廃車体が置かれています。

この近くを小田急が通っているので、ロマンスカーがまったり走っていきます。

この色のEXEも珍しくなりましたね。

小田原~新松田はひたすら森の中を走る路線で、
新宿からの電車は快速急行のみ、各駅停車は小田原と新松田を往復します。
コデがやってきました。

音質が良いという話を聞いてニコニコにアップしてみました。
YouTube版もどうぞ

い継も思うんですが、駅の名所案内といい、
伊豆箱根って結構国鉄リスペクトが強いよなと。
五百羅漢はほかにもホーローの駅名標など面白いものがたくさん設置されています。


電車は新しいけど、結構レトロでしょ。

そこから塚原駅へ。

今時テントを張った駅なんて珍しいなぁと思います。
看板もオシャレです。
前から気になっていた洋食店「グリルとしお」へ行ってみることに。
駅を出たら道路を小田原方面に歩くと、看板がありました。

しかし本日臨時休業! あーーーっ!!

キレイな水が流れる水路を眺めながらとぼとぼと駅に戻ります。

おなかがすいた・・・。

駅前に手打ちうどんのお店が営業していたので、勇気をもって入ってみることに。

「白髭」というお店。店内にはワンピースのグッズがたくさん並んでいました。
「手切りなので時間がかかっちゃうので麺は先に注文とりますね」とのこと。
手切りとは麺を包丁で切ることで、製麺機を使わないことを意味するらしい。

冷やしゴマタンうどん!
坦々麺の肉みそがのっていて、キムチのような酸味がさわやかです。
「子どもでも食べられます」とメニューにありましたがその通りで、辛くありません。
手切り麺はギュッとコシが強くてもっちもち。この歯ごたえ、讃岐スタイル・・・!
最後の高松訪問が2年前、
久しぶりにこういうぎっしりしたうどんに出会えて嬉しくて・・・!
大雄山線を撮りに行くと、けっこうごはんスポットに悩んでしまうのですが、
いいとこ見つけちゃいました・・・!
そのあとは電車を撮りながら路上観察なのですが、それはまた次回に。
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