神奈川中央交通

かつて2017年のYahoo検索大賞の神奈川県部門で「神奈川県民の検索数が最も急上昇した」と評価されるくらいの、神奈川県民の足です。
神奈中バスは小田急グループに属する神奈川最大級のバス会社。
小田急が最近スマートフォンアプリ「Emot」で進めているMaaSプログラムに対応してか、
「バスもやりMaaS 〜神奈中が本気出してみたチケット〜」という商品が発売されました。


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神奈中バスが1ヶ月乗り放題、チケットを消化すればもう1ヶ月タダ。
買ったんですよ。1万円。


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買うとこんなふうに、バス乗車チケットと、関連施設のチェックイン用チケットがついてきます。

使い方は簡単。他のデジタルチケットと同様、
乗車時は整理券を取り、運転手に画面を見せるだけ。

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使い始めた頃は運転手さんも「えっ…あっ!どうぞ!」みたいな反応する方とかいて、
「利用者激レアなんじゃないの……w」といろんな人から言われましたが、
わりと周知されてるのかすんなり通れることが多いです。

かつては前払いと後払いが混在して、行きと帰りで支払い方法が違ったりする路線もザラでしたが、そんな時代は終わったんだなぁ……。



さて、対象施設チケットについて説明していきます。
Emotには乗車券チケットを発行する機能のほかに、優待チケットを発行する機能があります。
この機能は、乗車券に付随するチケットに利用されます。
その仕様は利用形態によって複数存在しますが、大体の仕様はサービス提供施設に設置されたQRコードをアプリで読み込んでチケットを有効化して、有効化した旨を示す画面を係員に提示する運用を取ります。

たとえば、江ノ電のデジタルのりおりくんの記念品プレゼントでは、駅改札のQRコードでチケットを有効化して、これを駅員に提示します。
すると、アプリ上のチケットはQRコードと位置情報によって紐付けられ、偽造を防ぐことができます。

今回はそのシステムを簡略化したものが利用されています。

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チケットは3時間に1度しか利用できない制約があり、25日までにチケットを消化しないと3月分のチケットがもらえないことを失念してて慌てて施設を回りました。
最終日寸前になって慌てる人間が悪いのですが、時短営業で3時間×3店舗回るのめちゃくちゃキツくて、大変でした。

特に、案内図にバス停が掲載されていないので、バスで行く地図になっていない店舗もあったり。
思い立ってから行くにはちょっと厳しいなと思って、パッと場所がわかる駅近の店舗を4店舗回ることに。

まずは小田急湘南ゲート、戸塚ドトール、立場ヨーカドー・・・

ということで、立場ターミナルへやってきました。
個人的にバスを撮るなら一番やりやすい場所ですね。留置車もあるし歩道も広い。
戸塚バスセンターや藤沢駅北口は構造物が多くてバスが撮りにくくて。
随分明るくなったなとは思うのですが。

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大型バンパーのバスが居なくなったのがついこないだのようですが、
こういう銀の窓枠のエアロスターも見かけなくなりましたね。
高校卒業以来すっかり撮りバス辞めちゃってたんですけどコレちょっと寂しいなぁ。


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立場まで来てやることはひとつ。

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ぽっぽぽぽぽぽ ぽーーっぽーーーーーー

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ぽっぽぽぽぽぽ ぽっぽっぽぽっぽーー

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ぽぽぽ ぽぽぽ ぽぽぽ ぽぽぽ ぽーーーー

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ポッポ!

中学生がフードコートでマスクして英語の勉強してる春休みテイスト。
ひたすらノートに書いた単語を互いに読み上げるだけ。ホントに勉強なのかあれは。

大船と立場くらいにしかなくなってしまったポッポ。食べ支えなくては。
チャーハンが気管に入ってゲホゲホってやると周りの目がきついよね。

ちなみに、この立場ヨーカドーの中では、ドトールや箱根そばを
神奈中システムプランという会社がフランチャイズ経営しているんだそうな。

茅ヶ崎の箱根そばも神奈中のフランチャイズとかで。
だから決済システムがちょっと違ったりするわけですよね。

藤沢駅の店舗は小田急レストランシステムズがやってるので、
Emotパスポートとかが使えるわけですが、立場は対象外だったり。

でもヨーカドーに来たらポッポなんです。ゴメンネ……。

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店の前の駐輪場には湘南ペダルの自転車がありました。
江ノ電のレンタサイクル事業ですが、こんなところに来るとは……。
提携先の自転車置き場に返却できてしまうので、結構いろんなサイクルスタンドを流れていくらしいんですよね。これで東京駅まで走っていた猛者も居ましたね。


しかしここで時短営業の壁に当たり、もう近場には開いている店舗がない!
ということで小田急に課金して海老名へ。


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21時閉店のビナウォークに駆け込んでなんとか4店舗制覇。


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神奈中のチケットは掲示されたポスターのQRコードを読み込めば誰かに提示する必要はありませんでした。

数日後、3月分のチケットが送られてきました。

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こちらも3末まで利用可能となっていました。

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ここからはバスの利用状況について報告していきたいと思います。
チケットの日付を見ればわかる通り、月初はほとんど使っていません。
チケットを買っておいてアレなんですが、こんな高いチケットを買っておいて別件の用事を詰め込みすぎちゃったんですよね。

しかも行先がみんな江ノ電バスエリアだったり、神奈中バスが30分に1本しか来ないところだったりで、なかなか使う機会がありませんでした……ほんとはもうちょっといろんな路線レポートができると考えていたんですがねぇ。

このチケットで乗りたかったのが平塚〜小田原の免許維持路線なのですが、5時起きして家を出ないと乗れないんです。思ったんですけど、バス趣味って朝型な趣味ですよね。

単純に早寝すればいいと夜型人間に理解のない方々から色々言われるんですが、
時差のある人と関わることが多いのでどうにも適応するしかなさそうなんですよね。

8時台の江ノ電の江の島水族館便すら乗れていない僕にバス趣味は難しいなと痛感しました……。


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大船や湘南台から薬科大に行くバスに乗ってみたり、

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湘南台から戸塚に行こうとして、
立場ターミナル経由で行く方法と、
俣野公園・横浜薬大前経由で行く方法があって、
立場行きが行っちゃったから俣野公園行きに乗ることにしたんですよね。


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ちょうど工事中のエンパイアを見れました。

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ほかには湘南台から辻堂へ行くバスに乗ってみたり。

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睡魔で全く記憶にないっていう。

戸塚からいずみ野駅へ向かうバスに乗ってみたり。

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乗ってみたら、横浜都市部はせいぜい250円くらいの路線ばかりで、乗ってみると全然消費しない……
逆に250円くらいの金額式定期券を使うと時間に余裕があるなら楽しい移動ができるかもしれませんね。

ほかにも面白かったのはいくつかあって、
戸塚~いずみ野と、立場駅~長後駅の路線って、
電車だと結構遠回りな接続をバスだとまっすぐ結んでいるんですよね。

実は湘南台を経由する電車はやや南に動いていて、
バスだと直線距離で近くにあるだとか、
路線バスを知る気付きにつながるものはたくさんあったと思います。

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ただ、バス同士を乗り継ぐことってあんまり想定されてないので、長後駅でバス降りたらギリギリ次のバスに間に合わなくて、湘南台まで電車で移動したりしました…。
たとえば、湘南台〜長後の移動にはバスが非常に少ないので、こういう区間は小田急線が利用できたら面白いですよね。

MaaSというはなしが出ていたので、やっぱりここはちゃんと言わんといかんと思う点。
XaaSの特徴は、「サービスの提供形態に関わらず、価値の本質を提供すること」にあると考えています。

で、MaaS(=Mobility as a Service)を捉えた時、小田急グループの乗り物として、どの辺がMaaSだったんだろう、というのは一つ気になったところです。

小田急は大山に行かないけど、神奈中バスとケーブルカーを併用するフリーパスを発売することで「大山詣で」という顧客体験を実現してくれるわけですよね。むしろ、こういうレガシーな連絡運輸の仕組みのほうがよほどMaaSの思想に近いわけです。
一方今回のチケットでは、どんな顧客体験が考えられたのでしょうか。それが神奈中グループが経営する店舗にいく、という動機付けだったのかもしれないのですが、多分やっていたことは逆で、バス乗り放題という手段が提供されてそれに対して目的を選択するチケットになっているのです。
そこは将来的なブラッシュアップに期待したいと思う点でした。

いずれは目的地もサジェスチョンで決まる日が来るかもしれません。
アプリにサイコロが出てきて降車するバス停を指定されるかもしれません。
お買い物したらチケットが発行されて帰りのバスが無料とかなるかもしれません。
位置情報を使って他の利用者と路線図を塗りつぶしあって遊んだりできるかもしれません。
なんかそういう公共交通を使ったエンターテイメント性みたいなのがあれば、売り物が「チケット」から「移動する体験」に変わってきて、活きてくるサービスなのかもなと思ったりしました。


最後に乗った金額を計算したいと思います。

田谷大船駅西口 200

戸塚バスセンター弥生台駅 250

湘南台駅西口辻堂駅北口 380

踊場戸塚 180円

常勝寺大船駅西口 200

大船駅西口立場ターミナル 300

立場ターミナル長後駅東口 200

今田上原湘南台駅東口 180

湘南台駅東口俣野公園・横浜薬科大 250

俣野公園・横浜薬科大戸塚バスセンター 250

藤沢駅北口藤沢SST前 210

ソニー前藤沢駅北口 180


合計 2780


まぁ乗った日数もないし、家の前に神奈中来ないのにこれだけ乗ったら上出来じゃないすかね(適当)


で、このチケットは1万円でバスに乗れる以外にも特典がありまして。
送られてくるアンケートに答えたらグッズがもらえるというのです。

そんで書いたら、忘れたころに届いたんです、お手紙。



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郵便受けに入っていた封筒は結構デカくて、
開けてみると……



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おおおおお!!!!
かなみん!!
マスクケース、リングノート、付箋付き定規、除菌ティッシュ、クリアファイル……

かなみんグッズって販売されているものはあんまり多くなくて、これみんな非売品のノベルティですよ……これはとても嬉しい……!

4月発売分のチケットを買おうか迷ってる諸君、
かなみん目当てに冒険に出てみてはいかがでしょう。特にGWもあるし。


バスにさすがに1万円払うのは…と思っても、
神奈中はIC一日乗車券を1100円くらいで販売していたと思うので、
そういうの使って気軽に乗ってみてはいかがでしょう。
(磁気カード式は廃止されたみたいです。かなみんが描かれてて可愛かったのにね)

今年の夏こそは神奈中バスで小田原へ行くぞ!
てか、もうゴールデンウィークが近づいているのね……。