鎌倉市がふるさと納税の返礼品
「極楽寺検車区タンコロ見学会」の募集を開始しました。

寄付額は20万円。
なかなか簡単に出せる値段ではありません。
でも、考えてみてください。


日本国憲法第30条
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」
そう、これは義務なんです!

というころで10月にサクッと納税の申し込みを行いました。


そしてやってきた、3月19日、極楽寺検車区


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いました、タンコロです・・・!



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お披露目~~~~~~~~~~~

素敵なお顔ですね。
タンコロまつりでは味わえない、
サボなし、パン上げという素晴らしい姿。

1971年の特殊続行運転廃止から1980年の廃止までほぼこの姿で走っていたと言われています。



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こちら返礼品の”鎌倉”の方向板です。
取り付けさせていただきました。


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本線のすぐそばなので、電車が来るとタンコロの線路からも退避する必要があります。


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ぎりぎりですが、305との並びを撮影することも出来ました。






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エリアサービス管理の駐車場からも撮影します。


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江ノ電のXパンタは、バネを使って持ち上げるのですが、
空気を使って畳む構造ではなく、運転台のロープを引っ張っておろす構造になっています。

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側面をじっくり眺める機会もなかなか無いのではないでしょうか。



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タンコロは元々路面電車で、道路から乗り降りするため、
バスのように階段が付いた乗降口が取り付けられていました。

現在では路面電車から普通鉄道になって、ホームから乗るようになりましたが、
その名残として、ドア下にはステップを置くためのスペースがあり、
台車は先頭からかなり離れています。
車体先端と台車との間の距離をオーバーハングと呼びます。車でも使う単語ですかね。
このオーバーハングが長いのがタンコロ改造車の300形の特徴です。

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逆にタンコロを出自としない500形はオーバーハングが短くなっています。
これが4両運転を行ったとき、軌道回路を短絡する位置や鉄橋に賭ける荷重などに不都合をきたし、
冷房装置の設置見送りなどに繋がり、500形の寿命を縮める原因の一つとなりました。

さて、2021年はタンコロ108号が就役した1931年から90周年の節目でした。

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その記念として、特殊続行運転の円板を模したヘッドマークが作成され、
見学会参加者に限定して公開されました。

ちなみにこのシール自体は横浜そごうなどイベントで販売された実績があります。


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いいですねぇ。



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つづいて、2019年タンコロまつりで購入した”藤澤”サボを掲出させてもらいました。


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1950年代にこの図案を考案した人は天才です。


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ヘッドマーク有無で2通り撮影しました。

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シンプル。いいですねぇ。



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裏面は白サボなので遊んでみました。



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12分おきに電車が来るとここで退避しておかないといけないので大変です。
一応ホチキスで区切られているとはいえ目安に過ぎず、
安全確保しながらイベントを開催する難しさを痛感します。
(これ抜く人間がいかに愚かか分かりますよね?)

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108って車体の前面がゆるくカーブしていて、
広角で撮ると丸く、望遠で撮ると角く締まって見えます。
107は少し丸みが強いように見えるんですけど、気のせいですかね。
106~110の新潟鉄工所製グループも、割と量産品のはずなのに個体差激しいんですよね。

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続行運転廃止後の1971年~1980年の晩年はサボをつけず走っているのが普通だったとは、
かつてタンコロを記録していた江ノ電ファンたちの談。


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藤沢方にだけ、サボを押さえる板が増設されているのですが、
これはいつ増設されたものなのでしょうね。


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ヘッドマークを付けた108と2001。

これで一通りの部品は揃えられたと思うので、
パンタを下げて絶縁してもらったうえで、車内見学です。

電気系の部品に触れないでくださいということで、
それ以外はドア操作含め触ってよいとのこと。


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おお・・・
タンコロまつりではすっかり遊び場となっているタンコロですが、

静かな空間です。素晴らしい……。


ドアをガラガラと引く音を聞いてください!
ゲーム素材に使えたらいいな。


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このポスターは、タンコロがさよなら運転を行った時に車内に掲示されていたものです。

今回縁あって入手することができ、同行の方々に掲げてもらいました。


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ブレーキ弁もしっかり観察できます。
タンコロまつりとちょっと違った置き方がされていますね。

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タンコロから現役車両を眺める風景はなかなか味わえませんね。


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こちら制御器。曇りなので前後で別々に撮影できます。

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灯火切り替えスイッチ


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非常灯の機器箱。


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遮断機。
かつてここには方向幕が入っていたはずなんですが……この部品、元は別の場所にあったはず。

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今はなき江ノ電ツーリストの看板。
地図の中には日活水族館という文字がありますが、これは旧江の島水族館のことですね。


最後に、パンタグラフの上下を実演していただきました。
空気式のパンタ操作部品はありません。
バネであげて、紐で引き下ろすような記事。



ということで、見学会は終了。
関係者の皆様、ありがとうございました!



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架線点検台車が元の位置に戻されてイベントは終了となりました。
手前の踏切には15人くらいギャラリーが居たかな。

高校生~大学生くらいの若い子が多かったなと思いました。

同行者の枠がもうちょっとあって縁があればご招待してあげられたのにねぇ。
彼らが将来タンコロに20万円ポンと出せる大人になることを願いましょう。



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踏切のX字の標識にこんな黄色いマーク入ってましたっけ?
小田急では廃止された信号ですが、
はて、なんか別に意味があるのかな



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さくらマークのサンゴーで帰りました。



誰もがタンコロに気兼ねなく会える日はまだまだ遠いなと実感する一方で、
タンコロは地域の郷土資料としてもっとオープンに開かれたものであってほしいと思うこともあります。
そのために107号車が鎌倉の公園にいるので、
ふるさと納税がそちらに回ってくれたらもっといい仕組みになるかもしれませんね。
なかなかあの塩害をキレイな状態に復旧するのは難しそうですが……。

ちなみに私がこうやって乗り物に貢いだ額は母を経由して親戚やそのご近所さんに知れ渡っているそうで
理解のある家族に恵まれた、という形で締めておきましょう。

きっと今後も自室にアルミ板が増えていく……。


次回、タンコロの全周画像をまとめてアップしたいと思います。