江ノ電が4月16日から企画乗車券を発売しています。
さっそく利用してみることにしましたのでレポートしていきたいと思います。
今回利用するのはこの、かながわ旅割2022対象商品となるチケットです。
一日乗車券のりおりくん+〈施設利用券〉+かながわ旅割クーポン券 という組み合わせで、2種類あり、どちらも破格の設定となっています。
2種類を同時に購入することはできず、利用できるのはどちらか片方となります。
・鶴岡八幡宮にある「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」招待券 3600円相当+1000円分クーポンで4600円相当が2100円
・江ノ島シーキャンドルセット券 3200円+1000円クーポンで4200円相当が1700円
そして、マニア的に美味しいのが乗車券のデザインです。
今回オリジナルらしき305号のデザインのPET券のりおりくんが登場しました。
マニア必見の品でございます……。
しかし、この切符の購入には大きな壁があります。
上記2種のチケットは県の旅行推進キャンペーンを利用しているため色々と条件があるのですが、2020年に神奈川県民割の一環で発売された「江ノ電満喫セット券」と比較しても条件が厳しく、非常に難易度の高いものとなっています。
江ノ電ファンですらウッカリやらかして購入できないケースが見られましたのでこの辺はここでもしっかりケアしていきます。鉄オタにはうっかりさん多いですからね。
この切符の発売条件は以下の通り。県のサイトには書いてあるけど江ノ電のサイトには書いてないとか、ポスターやウェブサイトの説明ではわかりづらい点もあるので注意が必要です。
・ゴールデンウィーク前の10時〜13時のみ発売
・藤沢駅特設会場で販売。窓口では購入できない(似たチケットが窓口にあるので混乱する)
・2名様限定、一人客には販売しない
・ワクチン2回接種済みの神奈川県民または、ワクチン3階接種済みの周辺県民が対象
・ワクチン接種証明書(アプリ可)を2名とも提示する必要あり
・居住地を証明できる身分証明書を2名とも提示する必要あり
県外民はまず購入不可、ワクチンアプリの設定忘れてたら購入不可、身分証忘れたら購入不可、リア友かママに付き添ってもらえないと購入不可……厳しい……!
筆者はママに頼み込むしかないかと半ば諦めていましたが、ペアとなる同行者を確保できて挑むことに。
しかし!
同行者が身分証を家に置いてくるという痛恨のミス!
「いうて運転免許証くらい持ってるでしょ」という油断が一大事。
身分証の代わりに、藤沢市役所で住民票の写しを発行することも考えたんですが、
住民票の発行には当然身分証が必要……その身分証がないのだ……orz
定価を払えば旅行は継続できますが、なにより電車柄ののりおりくんを手に入れないと気が済まない私は、家に取りに行くことに。ご家族のご協力もあって無事に身分証を持って藤沢駅に戻ってくることができました……。
皆さん、同行者の持ち物を事前によく確認しましょうね! 自分の自分の持ち物もだけど。
あとで調べてみると、藤沢市民に限れば、忘れた人が委任状を書いて、
持ってる人が委任状を持って市役所に行って免許証で本人確認すれば、
住民票の写しは交付できるっぽい・・・? でも土日は窓口やってないのか。
(市街の場合は本人・同一世帯の家族が身分証を提出して交付を受ける必要があるため使えない方法)
でもエクセル形式の委任状を印刷したりネカフェで書き込んだりする手間を考えると、
藤沢市内なら自宅送還の方が手っ取り早そうですね……。
学生証が身分証になるケースとならないケースがありますが、
神奈川県のページには「本人確認ができる身分証明書等」とあるので、
これを「公的身分証明書」と読むのか、運用レベルで柔軟にできるものなのか、
ちょっとそこは境界値分析するしかないですね。役所の企画だから前者であることが自明なのかな。
免許取れない人は保険証、パスポート、マイナンバーカードあたりを持って旅するのかなぁ。
さて、じつは「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」とのりおりくんのセット券は、2種類あります。
さきほどのかながわ旅割の切符は江ノ電の経営管理部が特設会場で発売していて、
もう一つのセット券は鉄道部が駅窓口で発売しています。
一日乗車券のりおりくんと、大河ドラマ館の招待券がついて1800円。
チケット代は定価なんですが、特製ハンカチがついて、さらにのりおりくんの券面は「鎌倉殿の13人」にゆかりのある武将達のデフォルメイラストとなっています。
そしてかながわ旅割ほどの購入制限はありません。一枚は手に入れておきたいですね……。
今回は、かながわ旅割チケットで「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」へ行ってきましたので、
その様子をレポートしたいと思います。
なんとかセット券の入手に成功したきうじ。
まずは忘れないうちにクーポンを利用してしまいましょう。
いろいろアカウント作ってもあっという間にパスワード忘れちゃうし。
アプリをインストールしてクーポンをチャージします。
身分証を取りに戻ったのですっかりランチタイム。
この時間帯だと鎌倉はランチ難民になりやすいので、まずは藤沢で何か食べてしまおうと。
そこで藤沢駅の江ノ電第二ビルの地下にある居酒屋「七福」へ。
地下でランチもやってて、しかも混んでなくてラッキーでした。
江ノ電が通過するとビルは音を立てます。
つりかけかな?とかブレーキがうるさいから20かな?500かな?
みたいなことを考えながらご飯を待ちます。
このビル、予備校も入居しているらしいんですが、集中できるんですかね??
ランチのおすし!!
追加で頼んだチキン南蛮!!
飲み会で出される定番ですが、酒を飲まない私はもっと寿司と唐揚げを食べていたい……。
そしてデザートには
バナナ天ぷら…!
ポスター見かけて、こういう珍味を見かけるとつい頼んでしまう……。
味はね、なんととても美味しい!
天ぷらといっても外はホロリとした感じなんですが、中にはバナナのねっとりした甘さ、シナモンの香り……
添えられたバニラアイスを乗せるとあっさりしたコクを味わえるとても素敵なデザートでした。
合計3000円くらいでしたが、クーポンのおかげで2000円で食べれました。
江ノ電から貰ったクーポンはここで江ノ電第二ビルのテナント料になるのだ……。
ちなみに珍しい天麩羅といえばアイスクリームの天麩羅が有名ですが、こちらは江ノ電第一ビルの7階にある天㐂代という店で食べることができます。
はしご天麩羅ですね。
そして電車で移動します。
もと観音電車の1101号です。
電車は好きですが、食べて歩いてもう眠い…というのでごゆっくりおやすみzzz
鎌倉について、小町通りをとおって鶴岡八幡宮へ向かいます。
まだ大河ドラマ館の予約はしていませんが、枠には十分余裕がありそうです。
雨だったからでしょうか。
鶴岡八幡宮では池泉回遊式庭園が開放されていたので、300円払って中に入ってみましたがこれが素晴らしかった。
そもそも鶴岡八幡宮に池泉回遊式庭園があるということ自体知りませんでした。
ここは1980年に整備された部分ということで昔からある場所ではないようなので、池そのものを楽しむスタイルとは少し離れている気がしますが、東側の源氏池を、鳥居から国宝館まで敷地の際に沿ってぐるっと回るような遠路になっていて、ぼたん、苔、石庭、蓮と様々な景観を楽しめるように作られているようです。
源氏池には島が3つあります。3を産とかけている、なんて話も聞きますね。
まずは桜とぼたんが出迎えます。傷みを避けるためか和傘が美しい。
藤棚のようなものも作られているので、いずれは藤も咲くのでしょうか?
対岸では鳩が餌をもらってバタバタとはしゃいでいます。
鴨がまったり。
石畳の園路です。
ここでハッと思ってホワイトバランスを曇りモードに変更。
あーー!!いい。カメラの設定なんもわからん。
みんな傘をかけてもらっています。
池の外周ではありますが池と接しているわけではなく、
園路を見るとくねくねして奥行きがあるのが分かるでしょうか。
その先に小さな門があります。
門をくぐると雰囲気は一変、
石と苔の空間となります。
石は大きくてまとまった形で、つるつるしたものが多いように見受けられます。
武家や商人の庭園だと色のある石とか火山性の変わった石を使って、
諸国から石を運んでくるだけの富や権力をアピールしがちですが、
ここは神社だからか質素な雰囲気。
三笠宮殿下が植えられた牡丹があるそうです。
紅葉の季節とか美しいのではないでしょうかね、公開してるのかな。
ふたたび牡丹が登場。
ふりふりしていていろんな色形があるんですね。
牡丹と薔薇はどちらがきれい・・・みたいな歌を思い出したり。
振り向くと、ぼたんが門の向こうで華やかに微笑みながらこちらを見ているような雰囲気を感じます。
もう一つ門があります。
ここからは池が近づいてきます。
こちらは白い牡丹。
奥に見えるのは旗上弁財天神社です。
湖石の庭
変わった形の石が置かれていますが、
これは中国の太湖という島にある石灰岩で、
特別にこの鶴岡八幡宮に設置されたものらしい。
そんなすごいものがあるとは知らず…。
「ミロのヴィーナスみたいじゃない?」と言われたんだけど、
それ以来そうしか見えなくなってしまった()
ここにトイレが設置されているので休憩しながらじっくり鑑賞できます。
ちょっと和風なアイコンだったり、手洗い場が透明だったりとけっこう凝った作りをしていて、
筒型便器という激レアなものを見つけてちょっとテンションが上がってしまいました。
(どこでテンション上げるねんっていうのは忘れて)
池をながめます。ハスの葉がちょっと浮いていますね。
ハスの見ごろはだいたい7月ごろでしょうか。
早朝が勝負と言いますから夜型の私はほとんど見たことがありません。
これで終わりかと思ったらまだ園路はあります。
うねうねしていて、終わりが見えないという奥行き。
いつも外側の通路を歩いているハズで、もうそろそろ終わりでしょと思っても、まだ終わらないのかって気分にさせる、空間づくりの巧みさ……。
水路があります。菖蒲とか湿生植物を植えられるんでしょうか。
右手に見えるのは斎館という建物。お抹茶を飲むこともできるらしい。今度行ってみよう。
枯山水でしょうか。蓮の池よりも清らかな印象を受けますね。
通路の脇には灯篭があります。
池泉回遊式庭園の特徴として、1か所を多方面から見ると違って見えるようになっているという点があります。私たちは水路越しにこの茶屋を見ているわけですが、茶屋からこちらを見ると、私たちの建っているこの場所は水路ではなく島のように見えるのかもしれませんね。
やっと出口が見えてきたようです。
ここから見ると、最初に見たぼたん園の存在が想像つかないですよね。
この世界観の凝縮が日本庭園の魅力……!
そして浦安のテーマパークでアラビア→火山→アメリカの海と流れていく風景の切り替えと工夫するポイントが似てるんです! ぜひ日本庭園とセットで浦安臨海遊園地に行ってみてほしい。
石筍という中国の奇石。文字通り、タケノコのような石です。
いやーー面白い庭園でした。
ちょっと開園時期についてよくわからないのが惜しいですが、
他の季節にも歩いてみたいですね。
ここで大河ドラマ館の予約をしました。
すぐ空いてたので、15時30分からの入場で予約します。
大河ドラマ館は、鶴が岡ミュージアムという境内施設を利用しています。もとは神奈川県近代美術館鎌倉館と呼ばれ、近代建築家・坂倉準三が設計し、戦後の資材不足の中で作られた建物は、八幡宮と調和した外部空間と美術展示に集中した展示空間を分けているユニークな建物です。
大河ドラマ館として利用するにあたり、使われていなかった旧美術館のチケットカウンターが利用されていて面白いなと思ったり。
小栗旬と記念撮影する人たちでいっぱい。
なんと、ここで貰うパンフレットを見せると、
鎌倉国宝館と、鎌倉歴史文化交流館が無料になるという特典付き。
鎌倉市の歴史施設にガンガン行って詳しくなっちゃいましょう。
ちなみに私は鎌倉国宝館に行くといつも閉まっていて一度も行ったことがありません。
館内はドラマのセットをいかに苦労して作ったか、研究や演出をどう頑張っているか、役者がどう演じているか、という裏側の広報が中心となっていて、大河を見ていなくても学びのある内容となっています。
鎌倉殿(頼朝)になり切って記念撮影ができるコーナーなどもありました。
美術館の展示ブースを活用して、衣装の展示もされています。
人物パネルがあって、「菅田将暉と写真撮りたーい!」と言っている人とかいました。
面白い男に会えて僕はうれしい。
雨がぱらつきましたが、落ち着いてきたのでお参りもします。
雨が降ると急に人出が減って静かな雰囲気でした。
あ、横須賀線。
空が明るくなったところでまた一雨降ってきました。
雨宿りついでに、いも吉館本店で紫陽花ソフトを。
小さい頃から鎌倉で食べるソフトクリームと言えば紫いもソフトでした。
お土産菓子をたくさん売っていたので、コロナ禍の影響を強く受けていると思いますが、
なんとか生き延びてほしいと思っています。
電車で江ノ島駅に戻ります。
4月から待合室の展示が硬券に代わって20形の展示となっていました。
記念入場券は普段発売されない無人駅のものになっています。
20形もなんだかんだで江ノ電っぽいレトロ電車として人気みたいですね。
小さい頃はあまり印象良くなかったんですけど、
中身にこだわっていたみたいなエピソードを聞いてだんだん面白くなってきました。
次の電車が出たらどうなるんでしょうね。
奇抜なデザインもありなんじゃないかって思えてきました。
さて、この後江の島のライトアップイベントに行こうかなと思ったんですが、
雷の予報があったので藤沢駅へ戻ることに。
さて、半日、トラブルもありましたが鎌倉を楽しむことができました。
文化的な活動をするにはちょうどいい天気悪い日でした。
江の島を楽しむなら天気予報のチェックは欠かせませんね。
いずれはほかのチケットも調べてみたいと思います。
最後に旅行前の確認事項をおさらい
・かながわ旅割を利用する場合
藤沢駅の特設窓口へ
のりおりくんは電車の柄
1000円のクーポン券付き。
13時までに藤沢に行く
同行者1名を確保
ワクチン証明書アプリと身分証明書を持参。同行者にも確認。
旅割クーポンのためのアプリと、大河ドラマ館の時間指定用サービスに登録する
クーポンの有効期限は当日中。疲れる前に使ったほうがいいかも
・セット券を利用する場合
藤沢・鎌倉駅の改札口へ
のりおりくんは武士キャラ柄
ハンカチ付き
それではみなさま、注意事項をよく読んで、
また体調には十分気を付けて、楽しい江ノ電ライフをお過ごしください。
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