2022年5月22日、江ノ電エリアサービス主催の鉄道イベント
"江ノ電108号&305号ツーショット撮影会" が開催されました。
2018年の2000形幕回し撮影会以来4年ぶりとなる撮影会に界隈がウズウズしておりました。
ゴールデンウィーク明けごろから告知が始まって17日ごろに募集が終了したのですが、
なんと、抽選に落選してしまいました!!!!
25日に江ノ島電鉄主催の305を検車区で体験するツアーも開催されるのですが、それも落選。
江ノ電の抽選イベント外れっぱなしなんですよーーー3回中3回ハズレ。
ところが、撮影会開催直前の金曜日にキャンセル枠が出て、先着で追加募集があり……
なんとか滑り込みでイケました!!!
22日に予定を入れてしまおうかと思っていた矢先のことだったのでとっても嬉しかったです。
しかし、開催直前のドタキャン。当選者が決済期限までに支払いをしなかったから自動キャンセルになったとかで。
周りにもけっこう救済されてる方多くいらっしゃいましたが、そんなに支払い放置勢が居たんですかね?
支払いの遅滞は普通にやっちゃだめでしょ。おかげで参加できたわけですが、それでもドタキャンはちょっと反省してもらいたいですね……。
そんなこんなで22日。
電車に乗って極楽寺へ。

おおおおーーーやってるやってる。
過去類を見ない、鉄壁ガードです!
それでは会場入り。

うっひょーーーーー
いきなりですがなんと、305が6番線に停まっていました。
撮影会のプログラムがスタートする前に、305の側面などを撮影できるということで、いざ。

御自慢の台枠と連接台車をしっかりと拝みます。

よく見ると、枕梁が傾いています。
車体を支える部品ですから、これだけでバランスを取るのはたしかに難しそうな気はするんですけど、
構内入換でモーメントが働くのでしょうか。

底上げされているからこそ見える連接芯皿。
真ん中にある縦の板はターンテーブルの移動を制御しているようです。

台車が車体を支えるための要素、中央の芯皿と、車体両端に設けられた側受です。

こちら、緑色の車体部品に対して摩耗してもよいように板が追加され厚みのある部品になっていますが、
車体と台車の側受はぴったりくっつくのではなく、必要に応じてくっつくようです。
ここは雨の時に水が当たる部分ですから、油を塗っても落ちてしまいそうですし、なるべく摺動しない作りになっているのかもしれませんね。
ちなみにHiSEまでのロマンスカーはこの側受が積極的に摺動して車重を支えるよう、コイルバネで押さつけられる仕組みになっています。同じように見えて全然違うんです。注油とかどうしてたんでしょう?小田急まなたびとかで聞いてみたいものです。

こちらは先端台車側の側受。こちらも摺動部が盛られているのですが、わずかに浮いているのがお分かりいただけるでしょうか。
なので基本的に芯皿で支えて、側受は車体が傾く時だけ支える仕組みというのがこうするとなんとなくわかるわけですね。

こちらはカルダン駆動の歯車装置。
曲線の多い路面電車由来の路線では、台車の車輪間隔(=固定軸距)を詰めてカーブを曲がりやすくするために台車の外側に吊り掛けモーターを取り付けていました。
1500形以降では、小型化された主電動機が内側に取り付けられています。
305は1989年に台車を更新して1500形同様の台車に交換しているので同様の構造になっています。
会場には、今回使用すると思わしき行先方向版が並んでいました。

季節方向版が7種、普通のが1種、タンコロのが2種です。贅沢ですよ〜〜。

ぜんぶ買い揃えると35万円くらいしますからね(血眼)
江ノ電エリアサービスはこの方向板の未使用品を販売していたことがあり、
108の藤沢は2019年に、
305と108の鎌倉は2018年・2021年に。
季節のイラストと自然科学電車が2022年に発売されています。
だいたい1枚4万円くらい。
他に108の江ノ島がありますが、こちら寝坊したので買えませんでした。
さて、会場の話に戻ります。

こちらは同じロットで作られた使用済みの板なのです。同一のものですが、使用感があります。

抜き差しするので端っこが特に削れると言うのがわかりますね。ここが車体との接触部です。微かにサンゴーを感じてください。
(彼シャツか何かみたいだな…)

会場にはほかに、江ノ電グッズの販売コーナーが。
撮影会とはいえ主催は江ノ電グッズを販売する会社。タダでは帰してくれないでしょう……と、一応新作の方向板が発売されてもいいように何万円か忍ばせて行ったのですが……。
(イラスト方向版目当てに現金持ってきたオタク、何人かいたらしい)
お目当ての江ノ島はなく、代わりに鎌倉と305の紺色の板が。
「1枚どうですか?」と言われましたが、この有様ですので……"江ノ島"の再販を待つことに。
他にイラスト方向板の携帯ストラップなど、グッズショップから枯渇していた在庫が7種全部そろって販売されていました。ここでフルコンプ出来ちゃうわけですね。
とはいえ、グッズを全部そろえようとすると2万円くらいかかります。
現金の持ち合わせがないと買えないので、参加者向けに告知してもらうとか、
クレジットカード決済に対応してもらうとかしてくれたら便利だよなと思ったり。
今回涙をのんだ方に一つアドバイスしとくと、
基本的には2万円もってれば、だいたいのグッズには耐えられると思うので、物販の文字がなくても持っていくことをお勧めします。
なおタンコロまつりは通帳も持参しておくと心強いです。30万円でうっかり方向幕を買っちゃうかもしれないし。
今回、お土産に会場で利用できる商品券が入っているのですが、硬券風に作ってあって、使うと回収されてしまうという仕組み。
江ノ電沿線新聞社の305の書籍を売っていまして、そういえば改訂版になってから買っていなかったと思って、商品券は使わずに買いました。
入場料がそんな高いわけでもなかったですからね。経済活動、大事。
さあ、時間になりましたので、撮影会スタートです!
数が多いので巻きで進めていきます、とのことで。
ガンガンいきます。

最初はこんな感じ。

20年前に制作された行先方向板。

2013年に復刻で利用され話題になりましたね。

タンコロは、続行運転の看板をイメージした90周年の記念マークです。

今回、驚くべきことに前照灯が点灯しています。

直流600ボルトですべての機器が動作するタンコロ。
子供を遊ばせるには危ないので、タンコロまつりでは電源を落としています。
また、ライトに交換部品がないらしく、近年では点灯することもほぼないとのこと。

305のシールドビーム。

赤外線カメラで撮影してみると温度の違いに気づきます。シールドビームめちゃ熱持つんですね。
タンコロの前照灯は激レアなんですが、尾灯の写真はさらに珍しいので、私個人的には裏に回って尾灯も撮影してみたいなぁなんて思ったりしました。暗くて見えなくてもいいんです!いつか見てみたい。6番線にタンコロを置いて……!

タンコロは藤沢行に。

305はクリスマスに。
検車区の社員さんの発案でカラフル方向板がスタートし、その第一弾とのこと。

夏の日が高い時期に見れるのがいいですね。


お次はあけまして

新年の7日間掲出するものですが、
305には検車区員お手製の板が入ったため、この板は355用でした。
305に掲出して人前に出るのはこれが初めてです。(業務撮影で一回やってるらしい)

海の模様が単色ながら緻密なんですよ。

つづいて雪

長期間使われる板です。
パッと見、見分けがつかない?

すいせん

緑色の板は珍しいですね。

ひなまつり

制作が間に合わなかった関係で掲出期間が短くなってしまった板。

タンコロは鎌倉になりました。
昭和33年の乗務員の規定のなかに、
方向板の掲出に関するルールと、方向板の様式を定めているらしく、

様式1の表が鎌倉、裏が藤沢、と向きが決まっていたのだそうな。
様式2は長谷/稲村ヶ崎 なんだとか。
そして方向板は駅に常備のものを毎月棚卸して報告する業務まで存在して厳格に管理されていたとか。
グッズ化の上で社内資料を熟読しているんですね。いやーー凄い方だ……。
その文書を読んでみたい……!!!!
きっと続行運転の円板掲出のルールなんかもあるんだろうなとか。

続いては桜。

4月のデザインです。

前照灯はぼんやり光っています。
こっちの108は若干角ばった顔をしてるんですよね。

山側のドアが一番利用されているんで、手入れとか大変だろうなとか。

305の拡張された台枠もながめられます。

あやめです。

2000形の設計図にあやめと書いてあるので、誰がなんといおうとあやめです。

板は持ってますが電車に刺さっているのを結局取れなかったので、
ここで撮影できてうれしいです。
いいお天気。

スタンダードな藤沢-鎌倉
正統派といった感じ。

タンコロは自然科学電車に。

かつて国鉄の青少年用の団体旅行列車に合わせて運行されたと言われますが、
板が作られた経緯や規定は残っていないらしい。
きっと現場がおもてなしで作ってあげたのかもしれないと。
私も気になって、国鉄側の資料を捜索しているのですが、なかなか見つかりませんねぇ。
オリジナルの板は2枚あって、大仏の表情がもう一枚は柔らかいのだとか。

手書きのホーロー看板にたいし、こちらはレプリカ。
デザイナーにフリーハンドで作ってもらったのだそう。

これ乗って江ノ島に行くとかもう発狂ものですけどね。
むかしは当たり前だったのでしょう。

こちらは昔305が使用していた板らしい。
305もけっこう塩害でくたびれていて、板も色褪せているのが普通だったからか、こうしてみるとものすごくくたびれて見えます。

タンコロは江ノ島行き。
レプリカで、本物は現在行方不明らしい……。
100周年の頃のビデオには色々な板があったと思うのですが……江ノ電博物館が欲しいですよねぇ〜〜。

落ち着いた感じがいいですね。

少し日が陰ってきました。
ここで一通りの板を差し終わり……
ここからが本番

みんな大好き試運転です!!
会場、どよめく。

みんな大好き試運転。

明るい時間に撮れる日が来るとは思いませんでした。
デコラ板の余を使って作ったものだそうです。めちゃくちゃ器用ですよねぇ……。

あーーーすてき。
10や1201でも是非やっていただきたく。

もう贅沢すぎやしませんかね?

どんどん切り替わります。

タンコロは藤沢へ。

サンゴーは桜
といっても昔のデザインで、
ツバメが飛んでいるのが特徴です。

続いては…

新年のイラスト板、305についていた、虎とえのん。
こちらは検車区員のお手製。

可愛いデザインです。
作ったご本人はいらっしゃらなかったようですが、卯年にも期待しちゃいたいところです。
そして、本日初披露

紫陽花です!

2000形の紫陽花に追加されたカエルが可愛いです。無事カエルをイメージするとグロテスクなのでアオガエルになってもらったそうです。
紫陽花は毎年6月15日から掲出するものですが、このイベントで初披露して翌日23日から運用入りというなんともニクい演出。
そしてお土産にこの板のミニチュアキーホルダーを用意してくれるというまたニクい演出!
そして過去の7種類はそう、会場で販売していて、商品券で500円引きしてくれる!! あーー!!!なんてことだ!!!!

まぁそれも含めて持っているわけですが…。

次はヘッドマークの取り付け。
続行円板イメージの60周年ヘッドマークをマグネットにして貼り付け。

当時は窓枠がクリーム色のテープで装飾されるなどしていたのでこの組み合わせはレアではないでしょうか。

こちらは355用のデザイン。
マグネットだからできること。

500形に取り付けられた全線開業110周年

こちらは鎌倉側についていたもの。
こちらも同一品を会場で販売中!
そして最後は

無垢なスタイル。

サボなしで走るのは夜間早朝や連結直前など限られているのでいいですね。

タンコロは晩年の約20年をこの姿で走っていました。

すっかり暑さでへたっちゃって最後の方写真が雑になっちゃいましたね……。

サボ受けアップ。
ここで撮影会終了。
いやーーー駆け足でしたが濃密な時間でした。
並びをきちっと撮らなかったのが勿体無かったなぁと思いつつ、板の単独だったりかなり忙しくて呼吸を忘れそうでしたw
生きたタンコロを見ることができる機会が本当に限られているので嬉しく思います。
ライトとサボで表情が変わりますね。
また、ぜひ各車単独でじっくり見回してみたいなとも思います。

使用された方向板たちです。

お土産は、
あじさいストラップ
のりおりくん
硬券入場券
硬券商品券
という豪華なセット。

商品券、使い切りなのにめちゃくちゃ豪華じゃないですか??
2000形の撮影会の時もこう言うのが出たんですよ…すごいですよね。

キーホルダーのコレクションがひとつ増えました。
ちなみに最近の行き先方向板グッズはこんな感じになっています。

こちらはマグネット。

こちらはアクリルのレプリカ。

こんな感じの縮尺になっております、

いずれ紫陽花も発売されるんでしょうね。
ヨット、コスモス、いちょう、も楽しみにしております。

江ノ島、長谷、稲村ヶ崎も待ってますんで!
10のミニチュア方向幕とかも待ってますんで!!
しかし今回のイベント、オタクが本当に必要としていたものを片っ端から満たしてくれる素晴らしいイベントでした。本当に担当の方が江ノ電のこと大好きなんだなと染み出してくる感じもよかったです。
だいたい江ノ電の車って6日周期くらいで車庫に入るんですが、今回305は周期とは違う日曜日にわざわざ予定を空けて登場しているのでこの辺の車両繰りとかきっと調整されたんでしょうし、方向板のお披露目タイミングの調整とか、グッズの販売タイミングとか、全てが綿密に練られた計画で、毎度毎度「やられたーー」って思っちゃいますね……。
もう良いものが見れて気が狂いそうでした。
江ノ電エリアサービス様、江ノ島電鉄様、その他いろんな皆様!本当にありがとうございました!! どこまでもついていきます!!!
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