バックヤードツアーがたまたま開催されていました。着いたタイミングが良かったですね。
バックヤードは大きな窓ガラスの向こう側にあるので、ツアーに参加しなくてもある程度は覗くことができます。出発前に覗いておきますが、やはり機器が多く難しい。
カピバラの排泄物でカピバラの食料をつくる取り組みが展示されていました。
機械や水槽が並んでいます。
この説明が聞けるのかな?
ということで、出発です!!
まずはプラスチックの容器の中で暮らしている魚たちの紹介。
水族館の水に慣れさせたり、怪我をした魚の治療に使う、予備の水槽です。
治療には水に薬品を溶かしたり、薬を餌に混ぜて食べさせたりします。
このようにプラスチックコンテナが並んでいます。ビル上に作った水族館は床の荷重に制約があるため、このようなバックヤードの水槽は軽量化が求められるのです。
また数が並んでいますが、これはカワスイに生息する魚の水域にあわせ水質を調整しているためとのこと。
淡水魚の多いカワスイですが、世界の水は同じではないんですね。ちなみに、なんと水道水から飼育用の水を使っているんだとか。
こちらは透明な予備水槽です。小さな魚がいます。
下にある砂利のある水槽は濾過水槽というフィルターです。通常水族館では展示水槽と濾過水槽がセットになっています。
つづいて調餌室(ちょうじしつ)に向かいます。
水族館の仕事における3つの「じ」
そうじ(掃除=水槽をきれいにする)、
ちょうじ(調餌=えさをつくる)、
きゅうじ(給餌=餌を与える)
のひとつです。
餌はペレットになっていてさまざまな種類があります。
野生からきたばかりの魚は生魚などを食べていますが、次第にこのようなペレットに慣れさせていきます。
なぜかというと、水族館では餌の魚を冷凍して保管するため、ビタミンなどの栄養が欠乏していまいます。そこで栄養を調整されたいペレットの出番とのこと。なるほど。
そして成分が同じ餌でも、ナマズのように底を這う魚には沈むペレット、水中を漂う魚には浮くペレット、と比重を調節した餌を用意しているのだそうです。その発想はなかったですねぇ。
こちらは濾過水槽といっても大型水槽向けの圧力式濾過水槽です。何台か見学しましたが、実際にはもっとたくさん数があるようです。
アマゾンエリアでは降雨の演出があり、その降雨を行うための装置だそうです。
このあと上の階に行ってみます。
動物診療所が館内にありました。
バックヤードと非常階段の間には段差があります。
これ、わざとなんです。
というのも、何かのときに水槽の水が漏れたとき、非常階段に流れ込んでしまわないように防潮堤の役割をしているんです。
やってきたのはアマゾンエリア。
建築模型が置いてありました。
飛び出した空間が水槽になっています。
これが上から見た図。
広い空間に大量の水を使っているのですが、
実はここ、かつては某ゲーム会社系列のフィットネスジムだったそうで、建築当時からここにプールがあったため、水を貯められるだけの荷重が考慮されていたらしい。
天井にある天窓もプールの名残。
オニオオハシがケンカしていました。
そしてバックヤードツアーは終盤へ。
10階の予備水槽です。
小さな魚達がいます。
こちらはイグアナを入れている水槽。
ペットボトルから水が滴る演出をして環境を作っているというお手製の飼育環境です。
そして大きな水槽があります。
これ、コの字型の水槽の裏面です!
下には濾過水槽があります。
水槽を前から見るとこうなっています。
まずは屈折率が大きいので実態より薄く見えてしまいます。ですから外から水槽を見ると大きく見えるんです。
またバックヤードの床には配管があり、館内のあちこちの水槽と濾過水槽を繋いでいます。
少し上底になっていたのはそういう仕組みがあったからなんですね。
また館内に点在している円筒形の水槽は、台座の下に濾過水槽があって独立して循環させているとも聞きました。
また水槽内の隠れ場所になる木などはカワスイのスタッフが自分たちで考えて配置しているとのことでこだわりを持って魚を展示しているという話も聞きました。
今回聞いた話の中では都市型水族館ゆえの荷重制限で使える水量に限りがあることが大きな学びでしたね。
同様の都市型水族館には池袋サンシャイン水族館がありますが、建設時から作られていたのでやはりすこし勝手がちがうんだろうなと思いました。なんたって元はスポーツジムですからね。さまざまな知恵を使ってこの水族館は作られたわけです。
防水堤をまたいで、バックヤードツアーはおしまいです。
いい話を聞けました。
ありがとうございました!
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