2021年9月に閉館となった京急油壺マリンパーク、跡地の暫定利用ということでキャンプ場になりました。
その「京急油壺キャンプパーク」に行って見たいと思います。
まずは三崎口駅。
行先は油壺温泉♨︎となっています。
かつての油壺バス停です。
マリンパークの看板は徐々に覆いが重ねられて見えなくなっていました。
信号機のゼブラ、残存。
背景が空で登り坂の頂点、見づらい位置なので信号機の存在を目立たせたいのでしょう。
紫陽花が咲いています。
油壺温泉♨︎行きバスに乗ります。
せっかくの前面幕ですが、欠けちゃいましたね……。
バスの幕は電車よりシビアです。
おやおや、京急オープントップバスです。
京急が企画する旅行商品として、三崎口駅から城ケ島へ向かう片道便が2便、
三崎口から城ケ島などを一周して三崎口駅に戻ってくる遊覧便が1便あります。
油壺温泉♨に到着です。
アジサイが咲いていましたが、ちょっと日の向きが……。
お判りいただけますかね、幕。
こちらがその「油壺温泉♨」京急ホテル観潮荘です。
マリンパーク末期はかなり車でごった返していた記憶があります。
男湯の入浴に整理券を配っていたこともありました。
さあ、見えてきました。
京急油壺キャンプパークです。
初代館長の「魚わが友」の石碑もそのままに残っています。
海獣からポニーへ。プールから温泉へ。
植木の手入れをしていたスタッフさんに会釈し中へ。
見学したいでーすと一言カウンターに声をかけ、ドウゾーと言われてそのまま通ります。
ああ…。
来てしまった…。
ちょっと柵の穴から覗いてみると、
水族館の雰囲気はまだ残っています。
きっともう水も抜かれていてあの時の幻想的な雰囲気はないのかと思いますが。
この建物に仕舞われている多くの研究文献が今後の生物研究に大いに生かされることを願うばかりです。
あしかプールはコンクリートで埋められて水遊び場になっていました。
(水族館時代に撮影)
建物の周囲は仮囲いでおおわれています。
遠くないうちに解体工事が入るのでしょうか。
アシカを見学するための踏み台が端に追いやられていました。
かつてはアシカ池の敷地と合わせて金魚の住む噴水池だったと言われている区画。
たしかに一段低くなってますよね?
ホープ製のバス遊具のレール跡が残ります。
果たしてどれほどの期間ここにあったのでしょう。
そして遊具たちはどこへ行ってしまったのでしょうか。
ペンギン島があったところ。
(水族館時代に撮影)
これがファンタジアムの今の姿。
魚の国から続いていたテントは撤去されていました。
中にはまだアシカの像があるようですね。あれ京急ミュージアムに行ってくれないかなと思ったり。
このお姉さんの像含めて。
ヤフオクで見かけて買ってしまった…!
お姉さんぜひ保存されて欲しい。
水族館の現役時代。
廃墟として過ごす最初の夏、きっと草に埋もれていくのだと思います。
アザラシプール。
かつてイルカが居たプールですが、水が抜かれて静かです。
隣のプールは落ち葉対策がされたうえで置かれていました。
ちなみにファンタジアムのあった土地、開館当初は植物園がありました。
絵葉書「魚の国」(京急油壺マリンパーク発行)のパッケージです。
魚の国の脇に三角の建物があると思います。
これ、京急油壺熱帯植物園という施設でした。
南国植物研究所付属 油壺熱帯植物園とか、名前はちょこちょこ変わっているらしい。
江の島植物園や、熱川バナナワニ園などと時期は近いので、
この頃このような南方の植物に関する研究が流行りだったのかもしれませんね。
水族館の慰霊碑
これが大切に残されていることにはとても大きな意味があると思います。
コイン式の双眼鏡が設置されていましたが、
撤去されていました。
開園当初はあったみたいなので、少しずつ撤去工事が進んでいるようですね。
ああいうタイプの双眼鏡、今数を減らしてますよね。
まぁ、あったとして100円入れたりしないんだけどさ。
お金は大事。
潮風校舎。
開館当初は展望食堂だったらしい。
昔はこう。
あまり変わっていません。
トイレがあった下の階は薪が積み上げられていました。
建物の中には入れませんでした。開館当初は入れたみたいですね。
展望台は入れます。
上ってみましょう。
変わらない風景です。
ポニーがいて、触れあえるようになっています。
時間がないのでパス…またの機会に。
油壺の海に伸びる謎の配管、
海の水を水族館に取り入れるための配管なのではないかと疑っていたんですが、
国会図書館のサービスが拡充したことを受けて、調べてみたんです。
建築 94号 (中外出版 1968年6月)にこの配管についての説明がありました。
この管は逆で、汚水を海に配水するための管だったんです。
では、取水はどこでやっていたのか。
それは振り向いた先、小網代湾側にありました。
ドッグランの脇に小屋と水タンクがありますね?
これが海からの取水施設らしいのです。
小網代湾からくみ取った水を水族館で利用して濾過・循環させ、
捨てるときは湾外から放出すると。なるほど……。
かわうその森。影も形もありません。
引越し先での訃報も聞きました。生き物を飼うって難しいですね。
みうら自然館は残されました。
船の形をした建物のディテールが良く残っているかと思います。
入ってみると、カブトムシの展示がそのまま残っています。
しかし
途中で壁が作られて奥に進めないようになっていました。
3分の1程度に削られているようです。
そして油壺水族館の歴史の説明が追加されていました。
これは本館で展示していたものですね。
魚ではなくクワガタの展示もあります。
立ち入り禁止となっている向こう側。
かつてはこんな風になっていました。
こちらには日本固有の魚やカメなど水族館らしい魚が居たのですが…。
展示できる生物が限られてしまうのでそれでも残してくれたことに感謝しなくてはなりません。
芝生の上でゴロンとしている人を見て、優雅な暮らしでいいなぁと思いました。
去年は駆け足でここに来ていたんですねぇ。
かわうその森の跡地を歩きます。
実はビオトープはまだ残っています。
これもよく遺してくれたという感じ。
水族館時代に比べて通行人が少ないので、
小魚たちの活発な姿を見ることができました。
そして青いトンボや赤いトンボが飛び回っていました。
水族館時代は人が多いし子供もはしゃぐので落ち着いてみれなかったですねぇ。
怪我をしているのかゆったり泳ぐ個体。
水族館時代に巻いたのを覚えています。
この池は餌やりのガチャが近くにあったせいか人に慣れているのか、人が歩いてもわちゃわちゃと泳いでいます。
他の魚はわりと木陰に隠れてしまうのですがねぇ。
水田にめだかがいました。
こうやって小川をひたすら覗いていきます。
けっこう見える場所は少ないのでそろりそろりと歩く必要があります。
広い田んぼ。
トンボだらけでした。
かつて京急230系がここに展示されていました。
この空間は暫定利用終了後にどうなってしまうのでしょう。
折角の自然風景、残して欲しいものです。
奥に見えるのはかつてのレストラン、現在はキャンプ利用者向け炊事場です。
えさガチャです。
かつてはマリンパークのシールが付属していましたが、今はありません、
さぁ、出口に戻ってきました。
あんまり変わりがないですね。
なぜかでっかいマグロがいました。
観潮荘のカフェ、昨年10末までの限定営業だったらしい…メロンソーダ飲みたかったなぁ、残念。
バスで三崎口まで戻ります。
だいぶ道は混んでいるし観光客も多いしでゆったり移動でした。
なんとなく水族館の面影を残しながら新しい施設として定着しつつあります。
なにより油壺というこの自然の雰囲気が良いということに改めて気づきます。
そしていずれは形を失っていく旧水族館の建物。これが夏草によってどれほど朽ちていくかとかになるところですね。
長い目で見守っていきたいと思います。
見学は16時までで、結構時間シビアなんですよね。
時間と渋滞情報はよくチェックした上でいくことをお勧めします。
ごはんと温泉でみさきまぐろきっぷは使いきれますので、おすすめです。
ちなみにVRマリンパークのプロジェクトの返礼品が届き始めています。
ネックレスですね。
イルカ、よくみるとファンタジアムのイルカデザインですね。
そして魚の国のマークにイルカというもの。
デッドストックなのか…?
クリアファイルも貰ったのですが、ちょっと整理中なのでこれは後ほど。
コメント
コメント一覧
世界一好きな水族館だったがゆえに閉館後はどうも油壺方面に脚が向かう気にならず、今回この記事で現状を知ることが出来、更にレポート上手で、つい見入って拝読させて頂きました。
一番奥の臨時駐車場からマリンパーク脇の急な小道を降りた先にある海岸を少し歩くと現れる茶色い配管…私も取水配管だなと思っていたので大変勉強になります。ありがとうございます!
コンクリートで埋められたプールと更地のペンギン島が心を締めつけますねー(´;ω;`)ウッ…
田んぼも稲を植えているし、ビオトープはそのまま開拓後も維持して残して欲しいですよねホントに…!
閉館後様々な展示品や生き物たちが県内のみならず全国様々に移動してる様ですが、ネット情報が見当たらないあの子はどうしたんだろうなーと、ふと気になる今日此頃で、新天地での彼等の適応と幸せを願うばかりです。
URL踏めるのかわかりませんが、
油壺マリンパークのスタッフさんが撮影した
閉園三日前、お客様が入園する前の朝の回遊水槽の動画を貼らせていただきますね。
https://youtu.be/PK9x5bb72Zg
《京急油壺マリンパーク 回遊水槽(2021年9月28日)》
長々とごめんなさい💦
つい熱くなってしまったー。
良い記事をありがとうございました。
コメントありがとうございます。
魚類の科学を子供に分かりやすく、というコンセプトを閉館まで守り通した、いい水族館でしたよね。
動物は色々な水族館に行ったようですが、もしかしたら獣医や飼育員になるための専門学校で飼われている動物とかもいるので、もしかしたらそういうところに行ったのかもしれませんね。
江ノ島、箱根園、八景島など回って色々とみてきました。ニシキエビなんかは隠れてますが今も元気です。
まだマクセル品川に行ったノコギリエイや静岡の海獣たちは見に行っていないです。
やはりファンタジアムのベテランイルカ、ジョイとフィンの消息が気になるところでしょうか。