時刻は9時。こういう日はいつもチェックアウトギリギリ。

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お世話になったホテル四国屋さんを離れます。


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目の前に郵便ポストが。郵便差出箱一号です。
長万部町内では比較的現役の個体が多いポストです。
そもそもそんなに郵便物が集まらないのか、さらには人口密度の割にはポストが多いようにも思えます。
最盛期は現在の3倍ほどの人口があった長万部。
かつてはもっと国鉄の団地などがあって駅周辺の人口密度は高かったんでしょうねぇ。



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長万部保線管理室。
温泉街の端にあり、この向こうが旧長万部機関区の広大な跡地。
航空写真を見ると70年代にはありませんが、80年代の写真には存在を確認できます。
この建物も、国鉄の名残ともいえる建物でしょう。

小道がありますが、ここは現在封鎖されています。

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ピンクの線の向こうに長万部中央跨線橋がありました。
写真右手奥には、かつて長万部機関区の扇形庫があり、
跨線橋はそれを避けて少しカーブをした構造になっていました。


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左はホテルあづまという温泉旅館です。

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サインもオシャレですよね。
北へ歩きます。

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もりかわさん。

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丸金旅館さん。

駅近なところに旅館がたくさんあるんです。
理科大の入寮の時、保証人というか保護者(まだ19歳だし)も1人来ていいことになっていて、そうするとこの旅館にみんな相部屋で一泊して校舎見学とか行ってくるらしいですね。
しっかり近くのお店で親同士飲んできて地元にお金を落としてきたとか聞きました。


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長万部温泉発祥之地記念碑
目の前にベンチが見えますが、この一帯はちょっと休憩所みたいになっています。
空き地に花壇とベンチを置いておくのがこの町の流儀のように感じることもあります。

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碑文を読んでみましょう。
長万部温泉は町の天然ガス
試掘により昭和三十年二月
十二日ガスとともに湧出した
当時、この地区には寺院二、民
家一戸のみであった 以来温泉
街が形成され現在の発展を
いた 長万部温泉湧出三十年
記念を機に将来の隆盛を祈願し
ここにこの碑を建立する
昭和六十年七月十九日
長万部温泉利用協同組合
1955年2月ですから当時は雪の残る中での話。
それから67年経ち、温泉が隆盛しております(物理)。
ただ、これを見ると重要な事実が書かれています。
この地区で天然ガスや原油の仕方が盛んだった昭和30年代には民家が一戸しかなかったと。
そこから温泉ができてもなお、飯生神社の周りに集落はなくて、その後の整備でかつての井戸の周りに集落ができて、現在の住宅地が形成されたわけです。
だから「なんで市街地スレスレでガスの採掘なんてやろうと思ったのか」というのは、現代人が陥りやすい思考で、ちょっとナンセンスなわけです。なんたって高度経済成長期ですからいろんな発展があって今があったのでしょう。しかし令和になって色々なツケを払わされてるような気もします。他の井戸に何かあった時のノウハウが蓄積されるといいなと思いますね。

温泉街も人がいっぱい来ていてちょっとうれしかったです。


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こちら町営浴場をルーツとする長万部温泉ホテルです。


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赤提灯がキレイです。

ここから町民センターの方へ向かいます。



朝から音を立てていますが、少し静かです。

ホテルの方は「風向きが変わって今日は音が聞こえにくい」と言っていましたが、長万部町の調査結果からすると、どうやら騒音自体も沈静化している模様。
なんか水柱の高さも、SNSで見かけるほどのものではない気がしていましたが、
長万部町が9月21日に行った騒音測定でも、このスキー場前の騒音測定結果は60dBから41dBと少し騒音が和らいでいる結果が出ていました。

少しずつ勢いが衰え始めているのか、あるいは大気圧などで一時的に変わるものなのか。
不思議です……。


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飯生神社にやってきました。



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朝なのでまだ観光客は来ていません。

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少し道路の先まで行って、
今のうちに音を録っちゃいましょう。

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これが吹き出し口です。
目の前30メートルほどの距離ですがさすがに大きな音がします。




音というよりも、新幹線が通るような、振動が空気を伝わる感じ。
ここも8月19日に73dBを記録していましたが、9月21日の測定結果では54dBを記録しています。
この頃すでに勢いが衰えていたのでしょうか。

たとえばこれが8月から増減しつつも緩やかに減少傾向にあるのか、シルバーウィーク近辺でポコっと下がったかによって、評価の仕方って変わると思うんですよ。
私が今長万部に住んでる学生だったら毎日YouTube動画上げて定点データにしたのになぁとか。
そういうより細かいデータが出ると分析のしようがあるのですが、役場の人も暇ではないし仕事がふえて大変ですよね。あるいは、どこかが論文執筆のために蓄えてるような感じなのでしょうかね……? 続報を待ちたいところです。

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ガス発生の危険があるため立ち入り禁止になっている場所。
ここに京都の会社が防音壁を設置するということで、板を張った作業道路が作られているそうです。9月下旬完成見込みとのこと。

その後11月下旬には、温泉水とガスを分離する装置を設置して騒音解決に取り組むことが計画されています。
ふるさと納税で支援できるので要チェックです。


また「水柱の水を温泉街で使えばいいのに」というコメントもありますが、
長万部温泉郷が使っている温泉は地下600m以上の深いところからポンプで組み上げている50℃の温泉なんですよね。
今回問題となったR-5号井戸は深さ987mで、当時は原油が出た記録があるものの水の記録はありません。そして原油がガスになったのかわかりませんが、22℃の温泉水とともに噴き出したわけです。

この辺が詳しいですね。R-1が初代長万部温泉です。(現在は違う井戸を使っている)https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/60_08_02.pdf

ですから、確かに地上の距離として水柱と温泉郷は近いですが、温度がぜんぜん違うし、深さも違うわけです。それを風呂に混ぜるメリットが果たしてあるのか……というところが気になります。排水処理の仕方は同じでいいのかもしれないですけどね。


ちょうどこの辺りでタクシーが2台ほどやってきて、
早速観光客が訪れました。
どうやら始発の北斗でここに来たみたいです。
確かにタクシーを使うのが正しい旅行だなぁとおもいます。

私は駅の方へ戻りたいと思います。
そのタクシーを拾って駅に戻るべきだったかもしれねぇ……。

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鳥居の前で音を録ってきます。




近づくにつれて音は大きくなっていきます。
遠くからも聞こえる音というよりも、近くになるとピンポイントに響く轟音だなと感じます。



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山線の踏切です。この後のロケハンに。

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温泉街を眺めます。


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長万部商店街を歩きます。
ゴミ収集車が「乙女の祈り」のオルゴールを鳴らしながら走っていきました。


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アイリスをイメージした街灯が並びます。


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看板建築なお店を発見。
文字があるのはとても好きなのでついカメラに収めてしまいます。


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2020年に高齢化を理由に閉店した甘太郎食堂の跡地。

ソース風味のチャーハンに、紅生姜とかかまぼことかも刻んであって、食感もボリュームもしっかりして、しかも学生証見せると学割で食べれたという。
おばあちゃんが調理する厨房から聞こえる、コンコンと包丁の音、ザーザーと鍋の上で炒められる音、漂う香ばしい香り、小さなお店に並ぶシンプルでレトロな家具、箸立て……異空間を感じた記憶があります。
思えば、私が昭和レトロな飲食店や喫茶店をウロウロするようになったきっかけになった店かもしれません。
ファンタの広告がついた甘太郎食堂の立派な看板はすでに取り外されていました。

「食堂」を名乗る飲食店も、見かけなくなりましたね。

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こちらは町内唯一の書店「かとう書店」の跡地。
理科大キャンパス内には「理科大店」もあって、教科書販売なども行っていたのですが、2016年秋に閉店しました。

そのあと、長万部地域おこし協力隊という町が募集している事業の中の「長万部空き店舗プロジェクト」というプロジェクトが立ち上がり、クラウドファンディングで集めた資金をもとに交流施設への改装プロジェクトが進んで、昨年末にプレオープンしたそうです。
また、シャッターにはその一環で大学生アーティストの絵が描かれています。


理科大を歓迎するフラッグが、かつてはあちこちにあったのですが、少しずつ風化して、数を減らしていました。



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花屋さんにはまんべくんの看板が。

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とても元気です!

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かなや食堂。駅前でドライブインのようなカニ料理を食べることができます。
町の中ではなかなか巨大なビルです。
でも陸屋根にはしないのが雪の多い北海道流。


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こちらはお馴染み、駅弁のかにめし本舗かなやです。
向かって右側にイートインスペース「自由席」が作られました。中に置いてある座席は、五稜郭車両所に置かれていた、快速海峡号のオハ50-5000形を解体するときに外してきたものではないかと言われています。つまり0系新幹線に取り付けられていた転換クロスシートといえます。

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駅につきました。


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ようこそ東京理科大学のある町へ
運河駅と比較してどっちが栄えてるかってのはちょっと気にするかも。


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合田そばさん。
折詰そばを初めて駅弁として提供した蕎麦屋さんです。
今年もニセコ号に合わせて駅弁の提供を行う予定でしたが、店主の体調不良を理由に突如中止に。ご高齢だった記憶があるので、ちょっと心配です。元気になるといいなぁ。

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ここまできたら、次は自転車を借ります。


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鉄道運輸機構の建物ができていてびっくり。
本当にここに新幹線がやってくるんですね。

奥に見えているのは消防署です。


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大きな建物が見えてきました。
ここは長万部町役場です。
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とても大きいですよね。私も住基カードのデータ書き換えかなにかで初めて行ったときびっくりしました。

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いい手書き看板です。

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向かいにある長万部商工会です。
いまはもう、駅前の「あつまんべ」に機能が移転したのかな?


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長万部町民憲章。こういうのはしっかり見ちゃいます。



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新幹線で賑わっています。
役場の方の名刺の裏にも新幹線のことが書いてあったりと、ここは気合が入っています。



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いち観光客として(行動がいち観光客のそれではないが)歩いていても町民の方とはこんちにはーとか挨拶や会釈してくれる方が多い印象があります。
大学に入るときも「みんな親戚も同然なくらい見知った関係の中に飛び込むのだから、挨拶は大事だ」と教わった記憶があります。

大学生は相部屋で生活することもあり町内でも2〜3人の群れで行動することが多いのですが、そういう人を見かけないのは少し寂しいような、普段ならまだ夏休みシーズンだから夏は学生いないのが普通か……とか。


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役場の向かいには駐車場と車庫があります。
道路維持作業者の他、除雪用の重機が並びます。
これがシャッターに隠れてますが大小さまざま揃ってまして、冬の町内を走り回る姿はもう壮観です。雪を見たことのない男の子がみたらもうよだれ出して発狂すること間違いなしなので、ぜひ足元に気をつけてどうぞお越しください……。


長万部郵便局があったので、立ち寄って風景印をもらいます。

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やはりカニです。


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理科大のお買い物スポット、ラルズマート。
生鮮品なら一番揃っている店です。

ただ特段、別に北海道ならではの取り揃えというわけではありません。
寮に入ってしばらく、横浜の宝製菓のビスケットが恋しくなり実家から送ってもらったものの、後日ラルズに行ったら普通に陳列してあって、戸塚区のローカルフードが長万部町民のお茶の間に並んでいたのかと、横浜〜長万部の物流網に驚かされたような記憶があります。


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2014年秋に新しく出店したツルハドラッグ。
消耗しがちな日用品が充実していました。


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ここにも丸ポスト。


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281系を撮りに行きましたが、
夏の感覚で待ち構えたら大失敗。

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そして速さにビビって終了。

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あー、いっちゃった。


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駅の函館側にできた新しい車庫と給油施設です。
かつては温泉街の近くにありましたが、新幹線の支障になるため撤去されました。

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ふれあい大橋から海を眺めます。
海、行かなかったなぁ。



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駅を見下ろします。側線がかなり整理されてスッキリしました。

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そしてH100系が並びます。


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3線なのはそのままですが、函館側に移設され、さらに函館側から作戦に入るルートがなくなりました。


そこから駅裏手をグルーっと回って温泉街の端っこへ。

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カントリーサインと同じくらい見かける主要国道から見える温泉看板です。
ホタテイメージなのもいいですよね。

そこから長万部川にやってきました。

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新長万部橋です。


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北海道らしい雄大な川です。
ちょっと川沿いの道を歩いて列車を待ち構えてみます。

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きました。

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うーん。草が茂っています。
ここは雪降ってからですね(今更)


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轟音を立てながらあっという間に行っちゃいました。
さて、すぐ移動します。



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うーん、キツネだろうか。


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長万部町営ガス工場。
天然ガスは都市ガスとしてここから町内に供給されています。

次はニセコ号を待ち構えます。

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なんとか5両ギリギリフレームに入りました。
やはりいい車です。


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そしてHEAT281を撮るべく室蘭線の踏切に向かいます。

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なんとかこちらは撮れました。

そしてこんどはニセコの停車中にふれあい大橋へ。急げ!!!


もう信号待ちで何度も止まり、その度に必死で自転車を加速させます。
跨線橋の階段を登るともう足がプルップルで前に行かないんですよね。
なんかたまにみる悪夢で走っても走っても前に進まない夢あるじゃないですか、現実がアレなんですよ。

でもなんとか撮れた一枚。

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ウワサの水柱もしっかり。

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屋根の資料も撮れました。2エンジン車の黒煙が凄いですね。

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これくらい天窓が広いとやっと反対側が見れるんだなぁとか。気にしない人は忘れていい情報です。

それでは駅に戻ります。

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平日に1本しか来ないニセコバスが待機していました。
乗ってみたいですが、乗るのが先か帰るのが先か。ここも限界みたいな雰囲気ありますしどうしましょうね。


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ニセコ号から降りてきた客ですね。
おや、またまんべくんいますね。


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そろそろ出発時刻。
まんべくんグッズをいくつか買い足して、北斗に乗ります。


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ニセコからこれに乗り換える人もいるんですかね。

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キハ261系の北斗、函館行きです。

あっという間に流れていく噴火湾の景色。
あっという間でしたが、楽しかったです。

変わったことも、珍ニュースもありましたが、
変わらないものもあって。

個人的にはやはり、まんべくんに会えたのが一番嬉しかったかな。


ところで。
みなさんはAIまんべくんをご存知でしょうか?



まんべくんと対話をしながら、長万部の観光名所について学んだり、長万部診断を受けたり、ホテルを予約したり、ふるさと納税したり、いろいろできちゃう優秀なサイトです。
欲を言えば追加投資して、より現代のAIっぽく動いてほしいなと感じるところもありますが…こいつの経緯が経緯ゆえにちょっと二の足踏むよなぁというところはありますよね。

まぁでも、まずは読者の皆様に、もっと長万部のこと、まんべくんのことをもっと知ってもらいたいなぁって思います。
見た目で色々言われちゃうけど、かわいい子なんですよ。

そしてAIまんべくんとお話ししたら、飛行機なり新幹線とって、
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まんべくんに会いに来て


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まんべくんと遊んで


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まんべくんと記念写真も撮って


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まんべくんと仲良しになってほしいなって。

そしてホタテやカニを食べたり、
温泉に浸かったり、
トマトを食べたり、
寮生活して勉強したり、
長万部経験値を増やしていってほしいのです。


あぁ、まんべくん……

またいつか渡道するから……それまで、げんきでね……。



ということで、次回は恐怖の?函館編です!!