東海大学海洋科学博物館レポートに戻ってきました。
大水槽の周りには標本が並んでいます。


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ラブカの液浸標本です。
ラブカの成体だけでなく稚魚まで展示しています。

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これが卵。結構大きいです。

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だいぶサメの姿をしている状態。


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孵化していますが卵から栄養をとっている状態。

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だいぶ栄養を使い切った状態、

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そして稚魚です。


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神奈川の水族館でも江ノ島水族館では遊泳する姿をとらえ、八景島シーパラダイスでは卵を孵化させる試みが行われていました。
ここまでまとまった形で標本を整理している場所は貴重なのではないでしょうか。


さらには


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こちらも深海魚、リュウグウノツカイ!

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オス、メス、2個体並べる豪華なホルマリン水槽です。

しかしここは東海大学海洋学部の博物館、ここでは終わりません。


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リュウグウノツカイの子ども!

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今では時折見つかることもあるようですが、この時は初めての個体とのこと。博物館が言うんですから論文を調べた上のことなのでしょう。


ここで中盤ということで、いったんトイレ休憩です。
ホールとかがあって講演とかもできるようになっているようですね。

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業務用らしきエレベータのクラシカルさよ。



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そして蛍光灯もまた今こんなライトなかなか見ないよねって言うハナシ。

では、続きに行きます。

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戻る時に扉の上に「水族展示室」と言う看板を見つけてちょっと時代を感じたり。言葉もまた生き物です。
ここから先は小さな水槽にさまざまな海の情景が再現され多くの魚が泳いでいます。



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タイやカサゴなど明るい魚がヒラヒラ泳ぐ水槽です。


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黒地に平仮名が光る案内看板は昭和そのもの。



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ゆらゆらーー

お次はクエ。

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大きくて迫力がありますね。

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暗い水槽に入っていることが多い気がしますが、ここは明るくて見やすいです。

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エイやフグが泳ぎ回る水槽です。
ゆとりのある水槽を見ると、背景の岩場の演出が、立体物と背景画の組み合わせでかなり気合入ってますよね。


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まいわし水槽。

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水温が冷たいのか結露していますね。



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熱帯魚水槽です。
色とりどりの魚ですね。
そしてだんだん岩場が減っていって奥行きが広がっていくようにみえますね。
水族館のよくある展示の仕方として、陸地に近い岩場からだんだん沖合に、さらに深海に行くような展示になっていくのがポピュラーです。
新江ノ島水族館や京急油壺マリンパークなどはそんな感じでしたね。


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珊瑚礁を再現した白い砂の水槽です。

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クラシカルですがとてもバラエティに富んだ水槽の構成をしていることがおわかりいただけるでしょうか。

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ここはタイの仲間。

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マダイ、カゴカキダイなど、浅い岩場でも見かける魚がちらほら。

こちらはサクラダイの水槽。

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メスとして生まれ、成長するとオスになるという魚。
それだけではなくちゃんと観察方法を提示しているのが大学博物館。

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1998年作成の解説パンフレットが展示されています。
なるほどーー……こう言ってはアレですが……無理矢理人間に例えてしまうと女子大生が声変わりしておっさん化していくって想像すると絶望的にシュールと言いますか、魚類ってなかなか、こう…自由ですよね。

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真ん中上の方にいるマダラ模様のがオス、その周りにいるツルンとしたのがメスです。


さて、この背後には駿河湾の深海生物の標本図鑑です。
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やはり大学博物館。驚くべきコレクション。

今では沼津港深海水族館など深海魚を取り扱った水族館もありますが、あれも新しい建物でしたからね。



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いきなりチョウチンアンコウ!いいですねぇ。

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裏にはミツクリザメ。しっかりいます。
あえてゴブリンっぽい顎を突き出した標本にしていないのも、娯楽というよりも学術性重視でしょうか。


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ビワアンコウというアンコウです。琵琶に似てるからでしょうか。
よく見ると丸い印があります。

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「メスに寄生するオス」
寄生するというのも、これまた特殊な生き方をしているアンコウで、
オスはメスに噛み付いたら二度と離すことなく、口は融合し、血管もメスとつながり、1匹で生きていくための内臓は全て退化して、ただの精子を放出するだけの組織になってしまうのです。
「どしたん話きこか」の究極系。おっそろしい……。
これ実物は初めて見ました。さすが大学。


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鯨の死骸に寄生して肉を食うタイプの深海の掃除屋さんたち。グソクムシとコンゴウアナゴというやつ。


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こちらはアンコウの発光器の仕組みについての解説。

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パカっと開けるとその仕組みが。


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酸化によって発生したエネルギーが光になるんですね。エネルギー保存はわかったんだけど、発光って不思議ですよねぇ。

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ここの水槽展示の面白いところが子供用通路の存在。


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ちょっと高くなっていて背が低くても大丈夫。

こんなふうに子ども優先で見やすくと言う配慮。今やカップルの戦場たる水族館ですが、子供が多かった時代の配慮ですね。



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マツカサウオ。確かに松ぼっくりみたいですよね。
発光バクテリアと共生しているというのは、アンコウに対する例として展示しているでしょうか。

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こんなにいっぱい飼育されているのは初めて見たかもしれません。


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水槽の色が暗くなってきました。イシダイや、立派なコブダイがいます。

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こぶの進化の形を説明する図。もう退色しきっています。


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カニやヒトデがわんさかいる水槽です!
あまりの鮮やかさに声を上げそうになりました。



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こんな風ににぎやかな小窓がたくさん並んでいるのです。


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じっくり見たいんですが、実は見るものがまだたーーーくさんあるので、あまりまったりしても居られないのです。


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ウナギの水槽です。
ニョロニョロ系の魚がいっぱい。


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反対側には色々な特殊な魚の標本が並んでいます。
標本と生体をセットで展示するというのが博物館であり水族館という特性をよく示しているなと思います。


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ミツクリエナガチョウチンアンコウ
先ほどのビワアンコウと2種でミツクリエナガチョウチンアンコウ科を形成しています。

ミツクリザメのミツクリと同じ、三崎臨海実験所の箕作佳吉が由来ですね。


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出会いの無い深海とはいえこんな生き方があっていいものなのか……。
そしてこうやって一生離れない種もあれば、時期を見てくっつくのもいるらしい。
アンコウ、こどもの頃は光るイメージしかなかったけど、オトナにはいろんな知識を与えてくれますね……。

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オス、マジで小さいですね。



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こちらはミツマタヤリウオという魚の一種。
小さいオスが大量に生まれることで出会いを作るって……たまったもんじゃねえな……と人間の感覚では思ってしまいますが。こんな魚類もいるんですね。

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同じ種族とは思えない体格差です。




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そしてここには太刀魚が展示されていました。

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ちょうどサカナクンがテレビで紹介していた直後だったので見れてうれしいです。
いかにもナイーブそうな魚ですがよく展示できていますね。


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本当に立ち泳ぎしています。
天敵が上から見たときに探知されにくい魚影になるのが強みとか。
さらに漂う餌を食べるには頭が上を向いているほうが適しているのだとか。


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不思議な魚です……。


さて、この後はクマノミコーナーです。
クマノミはもうクマノミだけで1コーナーできるくらいの展示の密度だったので。また次回。