東海大学海洋科学博物館の2階には、
マリンサイエンスホールと、機械水族館メクアリウムがあります。
機械水族館というのは魚の動きを理解し水中ロボットで再現する取り組みだと思うのですが、
なんというかロボット創成期のニオイがしてとてもいいですよね。

入口にはシオマネキを模したロボットが動いています。


メクアリウムの文字良すぎませんか??

地球は水の惑星
太陽系で唯一海を持つ星。

地球がポンと置いてあります。
スマホのない時代には地球をまじまじと見る機会もなかったんでしょうか。

巨大な昆布の展示が現れます。

ロボットに案内されて進みます。

案内図もエモい。
まずはマリンサイエンスホールへ。
ここは魚の展示から少し離れ、海洋の自然科学に主眼を置いた展示が並びます。


汽水域の重さの違う水が波を作る様子を再現しています。

海の中の音を聞くコーナー。
イルカのカリカリした音などが聞こえます。

解説もエモい。

日本の近海の深さを示した図です。
かなり気合が入っています。

海岸の構造を示した模型です。

海と電波という展示。水中では電波が届かないんですよ。だからしんかい6500などでは超音波を利用してカメラの画像を支援母船よこすかに投げているんですね。
それを伝える実験装置が、

これ。
水槽の中にブラウン管テレビが密封して置かれています。

そしてテレビの台を水中に沈めるという装置。

テレビには監視カメラの画像が見えます。
沈むとだんだん見えなくなって砂嵐になります。

アナログテレビ特有の砂嵐って今の人はもう知らないんじゃない?

こんなシュールな装置ですが、昔の人が子供たちに身近な実験を考えてこの装置を開発したことに意味があり、それってもう博物館級なんですよね。
だからこそ、博物館としての役割が終わったという判断がなされたのかもしれませんね。

深海に潜ることで水圧が働か様子を示した展示。
カップヌードルの容器が発泡スチロールで出来ていた頃、深海に沈むと気泡が潰れて戻らなくなるのでこのような標本がたくさん作られました。
現在のカップヌードル容器は紙製で、深海に沈めてもこんなふうにはなりません。

そしてこれ。
三菱重工から寄贈されたという潰れた耐圧殻の模型です。
海洋研究開発機構が「しんかい6500」を作った時に実験で用いたものです。よく広報資料に出てきていましたが、まさか実物がこんなところにあったなんて!

こちらはさらに1万メートルまで試験した時のもの。

続いて、波や津波の動きを説明する展示です。

津波被害はかなり詳細に紹介しています。津波実験装置などが設置されているように、当時かなり津波に対して警鐘を鳴らしたかったのでしょう。
2011年、その教訓は生きたでしょうか。またこの博物館を見た人にその教訓は生きるでしょうか。

そして強さに応じた波の名前とその状況の一覧が展示されていました。

こちらは深い海の底で見えにくい色を探すための展示。

海の深さに応じた青いフィルムを当てて、色がどう変わるか見るものなのですが、
肝心の物が褪色してなくなってしまっています。
多分深海では赤い魚が目立ちにくいという話をしたかったのではないかと思います。

赤い光はほとんど届かないのです。

赤が一番わからないのですが…実験はわかりやすい一方でメンテナンスは難しかったかもしれません。
この先には標本が。

メガマウスの剥製です。
駿河湾でも見つかっているのですね。

日本はメガマウスが見つかりやすい海域と言われています。

しかも2体です。

内臓の一部は標本にされています。

脳神経とかもしっかりサンプルにされていました。

こちらは東海大学が実験に利用していた船舶の展示です。
東海大学丸1世、もと漁業指導船というのが大学らしい。

歴史を語るうえでしっかりした模型があるのは良いですね。

これは中国系の船の置物でしょうか。

東海大学丸二世、名前がいいですね。
戦隊も白い実験船らしい感じ。


背後には鯨の骨格模型が吊られています。

かたやイルカの骨格標本です。
ちいさい。

イルカのアゴの違いの解説。

駿河湾の深さについて。

海洋調査の様々な手法についての説明です。

海底資源を調査するための装置たち。

海底の泥を採取する実験の模型です。
重りで引っ張られているピストンが上に持ち上がることで、シリンダーだけが地面に食い込んで泥が中に入るようになっているらしい。

プランクトンネットの実物です。
本ではよく見かけますが実物を見るのは初めてでした。

こちらは音波によって海底の地形を探ることを示す実験装置。
ボタンを押すと音波を表す光が海底へ届いて戻っていきます。
音の性質によって反射する層が異なっていて、表面を調べるものと、より深くの硬い層を調べるものがあるということを示しています。

上にある模型、南極観測船「しらせ」ですよね。

透明度を測る白い皿です。
青い水を用意して実際に確かめさせるのも面白いですね。

他にも様々な実験装置が展示されていました。

JAMSTECの本などで読んだことのあるものもあり、なんでここに来るのがこんなに遅かったのか不思議でなりません。

海洋調査船 望風丸の模型。

スマートな船ですね。

後ろにあるフレームは資材を海中に下ろすためのもの。これを見ると実験船を実感します。


海藻の展示。巨大なものばかり。

ほかにも標本が並んでいました。

これは海水の中に含まれる塩の量を可視化した展示。
お塩ひとふりどころではない量。海水を飲んではいけないという理由がこれですね。

こちらは波に乗って進む乗り物の模型。
地球の波の力を利用した推進の仕組みを模索しています。

波の上下方向の力を前後方向に変えるような船ですね。
さて、波を利用する展示もありますが、波には浸食という作用もあります。
これを防ぐための工夫の展示。

波消しブロックですね。

海岸に波をあててどのような波を作るのか調べるコーナーです。

海底資源や海底探索について。試料が並びます。

ちきゅうが掘っている地球のコアな話。

こちらはドナルドダックボイスの展示。
飽和潜水と呼ばれる深海に潜るための特殊な潜水方式を利用するときに、
窒素が体内に溶け込まないようにヘリウムを体内に入れ飽和させ窒素が溶け込むのを阻害します。
その結果声が高くなってドナルドダックみたいになってしまうのです。
飽和潜水は知床で沈没した観光船の引き上げで使用されましたね。

最後に興味があったのがこれ。
波力発電装置の実験模型がありました。

波を起こすとタービンが回転します。

弁装置をうまく工夫して片側にしか空気が流れないようにしています。

あまり発電量が多いように思えず力が足りるかというと私も疑問に思うのですが、理論上は使えるということで、波力発電機を防波堤代わりに使うスケッチなんかも海洋研究開発機構の資料なんかでみたことがあります。

そして日本や世界の人が作り海と陸を描いていた世界地図を飾っていました。

出口にあった展示。
直径1メートルの地球に溜まっている水は660ミリリットルしかない。
という展示で締めくくります。
シンプルな立体物と、これまたシンプルなフォントで目を引き訴えかけます。
こうした展示に平成を感じてしまうのです。
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