東海大学海洋科学博物館の記録。
駿河湾の魚を紹介する水族館があり、
気象や海洋探索を紹介するアクアサイエンスホールがあり、
そして次に現れるのが機会水族館メクアリウム。
機械水族館メクアリウムとは、生体工学の研究として、海洋生物の運動能力を理解し、機械で再現した動物、メカニマルを展示する博物館です。
最初はまぁ、魚が珍しいの多いと聞いていたのでノーマークだったんですよ。なんか工作教室とかで使うような簡単なやつでしょ、と。
違ったんですよ。もうね、昭和平成のレトロフューチャー、詰まってます!
入口に現れたのはたくさんのシオマネキロボット。
見ての通りですが、マネキガニという名前がついています。
そしてキイロハギのロボット。
・・・かと思ったら、「ヒメススメダイ」と命名されているらしい。
クマノミたちに混じって泳ぐ、クマノミを模したロボットです。
水槽の中をゆらゆらと泳いでいます。
プールの周りにはメカニマルがいくつか。
ちゃんと名前がついています。
ふたひれいるか とかイルカともちょっとちがうようなやつとか、
およぎまんねん とかいうダジャレっぽいものまでさまざま。
生体工学のれっきとした研究なのです。
色々いますが、ぱっと見どれがどれだか分からない……。
ゆーらゆーらとすすめだいが泳いでいました。
プールの中も覗くことができるようになっている豪華仕様。
かつては実演もしていたらしいです。
解説はコロナで中止になっていました。このまま閉館してしまうのでしょうか。
YouTubeにでも公開してくれたら嬉しいなと思ったり。
こちらはシャコの足を再現したロボット。
脚をうねうねさせて水を器用に掻いていきます。
しゃこまねしというメカニマルです。
上はこんな感じ。回転運動をよくこんな運動に変換できるものです。
ふうらいしずかうお
すっごく油壺マリンパークを感じませんかね(適当)
ペットボトルでよくやる浮沈子を水槽規模にでかくしたものです。
アクリルの間に透明の板でも貼ってるんですかね。こんなんでも浮力さえ調整デキちゃえば浮き沈みするんですから面白いですね。
6本足でかに横歩き。その名もたらずがに。真面目に命名しているのか謎なのもちらほら。
きかまんぼう
ひめすすめだい
よたりがに
などなど不思議なメカがたくさん。
ぜんぶシルバーに寄せてるのもなんとも未来感出してますね。
僕も90年代ならきらきらした目で見ていたと思います。
今のトレンドからすると完全にレトロフユーチャー感があります。
ボタンを押すと動くようになっていました。
一部は自由に操縦できるものもありました。
脚で横歩きしつつ、下の台座はターンテーブルのようになっていて、接地した時に向きを変えることができます。
その動きはなかなかに奇怪。
情報カウンターも用意してあります。昔はすごい人が集まる見本市みたいなところだったんだろうなぁ。
リンクやクランク運動で動く輪っかの集まり。
面白いですよね。ここはもう生物学ではなく機械工学になってます。
どっちともつかないけど無理矢理つなげると面白い。
他にもたくさん。紹介しきれないくらいありました。
わちゃわちゃうごく脚などなど。
調べたら、東海大学がメカニマル一覧を作成していました。
命名由来があまりにも緩い作品もちらほら。
そしてデザインが古のインターネットそのもの。これもまた貴重な資料。必見です。
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/sectu/kaihaku/collect/mechanml/name.html
スマホで見ようとすると文字化けしそう。
そして唐突にモデルになった生き物の展示コーナー。
かにとか、
シャコとかですね。
・・・おっと?
いきなり現れたメカニマル。
腹を触るとキュッと縮まるような生き物らしい。
それが終わると地球環境っぽいコーナーです。
最近のSDGsっぽさを感じます。
生物多様性。貴重な剥製が並びます。
ところがこれもメクアリウムの展示の一つ。
生物を真似て作った工業製品の紹介がされます
たとえばこれ。
水着です!
体に泡を作って水中抵抗を減らす、といったものが驚異的な数値を出して世間をにぎわせたのもだいぶ昔のオリンピックで話題になりましたね。
海洋生物っていうのは食べるだけじゃなくて、こういうことにも使えるんだよってことの一つのたとえとして展示していました。
とはいえ環境教育って難しいですよね。これまで海洋科学をいろんな方向から切ってきましたが、この手のジャンルってどうしても説教くさくなってしまう。なぜこう経路が変わってしまうんだろうなって思うところはあって。そこを実益を例示していくってのはいい試みなのかなと思いました。
そんな感じで、海の生き物からまだまだ学ぶことの多い人類は、
海の生き物を大切に次世代へ残していかなければなりません。
そして博物館は終わり、なのですが。
この壁画を見てください。
海なのか宇宙なのかよくわからない感じですが。
海底探査をイメージしたイラストなのでしょう。
なんともSFチック。
メカニマルと生き物が一緒に暮らす世界。
先ほど見かけたメカニマルも居ますね。
随分と立派な絵じゃないですか。
1995年の絵らしいです。
いやー素晴らしい……。
平成~~~~
手書きっぽさがあります。
海に生きるたくさんの動物たち、
そして先頭がメカニマルのすすめだいなの、アイデンティティがはっきりしていていいですね。
ナショナルスピーカーシステム
建物が昭和だけど展示物は平成みたいな不思議な感じ。
エントランスも建物の中と外が一体になったようなオシャレなつくり。
クマノミのエリアがありますね。
キッズエリアだったようで、どうやらタッチングもやっていたらしい。
チンアナゴのようなクマノミ。
ようこそ 海のはくぶつかんへ(今更)
今は順路があらかた決まっているからここが最後になっちゃうんでしょうね。
この後はいったん外に出ました。
香ばしくなってきましたよ。
メクアリウムから出口に向かう階段。
ここに地球があったわけです。
下にトイレがありますが、これは館内のトイレとつながってるようで繋がってないようなやつで、まぁ学校の便所という感じの不思議な空間でした。
タッチング体験は屋外に移動しておりまして。
予約しちゃいました!
恐る恐る触ってみます。
今回はプールの周りに仕切りが作られて、まるで個室のように生き物を触る感じになっていました。
注意書きのイラストも可愛いですよね。
絵がうまいです。大学院生が書いているのかな?
いました。アカエイです。尻尾にとげがありますが折ってあります。
泳ぎが早くて全然触れない。
けっこうぬるっとしているというか、表面は粘膜みたいになってて、なめこの傘を触っているような感じがしました。
学生さんが私たちのいるプールの端に魚を誘導してくれます。
ネコザメはゆっくりしていて、私も触りましたが本当にざらざらしています。
サメ肌ってやつですね。しかも返しがついていて、後ろから前になでるともっとざらついている感覚がありました。あんな硬い皮膚なのによくユラユラ泳いでいられますよね。
裏庭にはどうやらテトラポッドなどの土木構造物の資料もあるようですが、
もう完全に忘れ去られてしまっているような雰囲気。
まったりできそうなのにねぇ。
ミュージアムショップはなんというかおもちゃ屋さんという感じ。
図録があったら買おうと思ったんだけど、特になくて、文具とかポストカードとか、熱海のお土産屋さんみたいなラインナップしてました。
裏は寝ているクマノミでした。
もう一度入口を撮影。
文字がいい。
おもむろに置かれた二重反転スクリュープロペラはポッドになっていて向きも変えられる優れモノだそうですが、説明がないとなんも分からないものですね。
造船所が近くにあるご縁でしょうか。
この仕組み、資料は見かけるのですが実際に採用された船ってあるんですかね?
東海汽船のさるびあ丸はアジマス推進器というこれとは違った二重反転プロペラの仕組みで推進します。
入り口前の池に置かれた像。
人魚姫の像だそうです。まじか。
コペンハーゲン市長の好意によりデンマーク大使臨席のもとに贈られたとのこと。
凄い大事な像なんですね……。
かつての実習船のものでしょうか。マストと錨も展示されていました。
そんな感じで、海洋科学博物館を3時間くらいで回りました。
まだ自然史博物館があります。閉館まで2時間。頑張ります。
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