ローソントラベル主催の湘南モノレール車両基地見学会が開催されました。
集合は大船駅ですが、見学時間は午後。
お昼に大船に行って……
おやつタイム。
おやつです。
参加者はいちど大船駅で手続きしたあと、各自で集合時間に深沢車庫に行くことになっています。
こんなふうに1日フリーきっぷを渡されるので、集合時間まで自由に沿線をお楽しみくださいとのこと。
企画乗車券表記で、券番は40006だそうです。もう少し早くもらっておけば40001が狙えましたかねぇ。
さくっと湘南江の島駅まで来ました。
ちょっと他社ですがご勘弁を。
クリスマス装備?の赤緑スズメたちです。
すばな通りを進んで江の島へ向かいます。
おや、ラーメンたまや解体ですか?!
ありゃあ……
ご高齢の店主がひっそりやっていたラーメン屋さん。日が暮れてても営業してて、失礼な言い方ですが混んでないので、さっと腹が空いたときに寄っていました。最近は営業していないことが多かったのですが閉店でしたか……。ありがとうございました。
江の島の海には魚影がいっぱい。
ぎょえー。
この細長い小魚たち、なんなんでしょうね。
タイらしき魚もいました。
江ノ電バスが走っていきます。
暑い日のこと。エアコン効かせて走るバスは快適なんです。
この日は江の島のカフェへ。
関係者以外立入禁止という物々しい看板が。
しかしカフェオープンという文字。
恐る恐る向かったら、本当にカフェが開いていました!
ウッドデッキの大きなカフェ。店主がDIYで作ったのだとか。
目の前には江ノ電が見えます!素晴らしい!!
ちょうど2003Fの江ノ電開業120周年ギャラリートレインが走っていきました。
このカフェはドリンクだけでフードはなし。
自家製というフレーバーのお湯割りかソーダ割りを選びます。
僕は梅、友達はベリーのフレーバー。
暑い日にはこの梅が沁みる……!
砂糖漬けにして作るのもなかなか時間がかかって大変でしょうに……。
漂うヨット。渋滞する道路をよそにスイスイと進みます。
ぼーっと眺めますが、時間が来たので江ノ電バスに飛び乗り、湘南江の島駅に戻ります。
しょもたんのハロウィントレインでした。
黒いモノレールで湘南深沢へ。
保守用車がいますね。
551のカットモデルです。
けっこう色々手の込んだ改造が施されています。
湘南深沢駅で見ることができる運転台ですね。
乗務員室の上に扉があります。上に登ることができるみたいですね。
そんな感じで集合時間を待ちます。
黄色がピットインしていますね。
向こうには赤がいます。
ここが車両基地入り口です。
入り口にある郵便ポスト。昔からあるもので、まだ生きていて嬉しいです。
湘南モノレールをSMRと略すのも昭和の鉄道しぐさですね。
よく見ると、取手がレールの形をしています。これ、モノレールの架線です。
台車を取り出すための開口部なんかもあって、ぼーっと眺めます。
承諾書を書いて、受付して、消毒して、
社紋つきのヘルメットを被り、いざ出発です。
早速待っていたのは黄色。
ジャッキが設置されています。
車体を下ろすための準備をしているとのこと。
台車を切り離すときは、この台座の上に車体を置いて検査するとのこと。ジャッキアップ中の姿は極めて貴重とのことです。
551の運転台を上から失礼。運転台から上に上がることができるようになっていました。
赤が運転台体験のできる車両です。
モノレールは直流1500V集電です。
大都市で高頻度運転することを真面目に考えていたんでしょうか。
こちらがモノレールの台車です。
点検用の線路でケースに収まっているので全体像まではちょっと見えにくいですが……。
連結器の台座周りです。
いまいち何があるのかよくわかりませんね……
自動解放装置らしい空気部品ぽいものはわかるかも。
車体の吊り上げ部分です。
安全鋼索が車体を垂らしているので二重の安全性を確保しています。
懸垂式モノレールとはいえ、台車構造は電車と同じで、空気バネで枕梁を支え、枕梁から車体を吊るしています。
レールの脇には案内車輪があります。
抵抗器らしき機械が見えます。
なんのつもりで撮影したのかを忘れてしまった…やっぱりレポートを寝かすと良くないですね。
新鮮なうちに日記を書かなくては。
主電動機は直角カルダン方式。
電動機の軸の反対側にディスクプレーが付いています。
5000形はVVVF制御によってモーター自体に逆向きのトルクをかけることができるので、このブレーキは駐車ブレーキ同然の役割のようで、電動機全てについているわけでもありません。
これは中間に使われる棒連結器。渡っている電気配線も非常に多いです。
こちらが正電車線(プラスの架線)とパンタグラフです。
電車線はガイシで線路と電気的に絶縁されています。電圧1500Vがここにかかっているわけです。
一方で、線路の側についているのは、負電車線(マイナスの架線)です。パンタグラフがついています。
そして、これ。わかります?
案内車輪の少し上にブラシ状の突起があります。
これ、懸垂式モノレールの設地ブラシではないですか!
接地とは、駅ホームなどの地上設備と、ゴムタイヤで支えられている車体との間で電圧を揃えるための仕組みです。
電圧が揃ってないと何が起こるか。
車体の電圧が1Vで地面が0Vだった時、人間がホームと車体を跨ぎますよね。そこに1Vの電圧がかかると、車体と地面を跨いでいる人に電流が流れて感電してしまうんです。その対策に電圧を揃える、短絡させて電位差をなくす仕組みが必要なのです。
高校生レベルの机の上で描けるような簡単な電気回路を考えたとき、電線の電圧降下は0Vと考えられるかもしれません。しかし現実を考えると、変電所から車両までの間には長い線路があり、線路は鋼鉄でできていますから電気抵抗が無視できないのです。その結果、車体の負パンタグラフの電圧は0よりも大きな値となって、負電車線の中で電圧降下して変電所に戻るのです。
例えば新交通システムの接地装置についてはこの辺で説明していますが、ゴムタイヤで動く乗り物には必ず接地の仕組みがあります。モノレールだけでなくトロリーバスもそうです。探してみてください。
接地には負電車線を使っているとのことでしたが、たしかに負電車線には正電車線と違ってガイシを使って絶縁しているような形跡がありません。
線路の写真をもう一度見てみると、ここに2本の線があります。上の線は負電車線なのでずっとありますが、接地軌条は駅など乗降のある場所にさえあればいいので途切れています。ガイシもないので電気的に同電位であることが窺えますね?
なるほどモノレールの接地ってこんな構造をしていたんですね。
湘南モノレールはその昔「ソラdeブラーン」というコラムを展開していたことがあるのですが、その時エッセイを書いていた方は地理とか文化とか土木とか機械とかがお好きな方が多かったようで、その電気技術にスポットライトが当てられることがなくてなかなかにモヤモヤしていたのです。
電気車の科学にチョロっと書いてあっただけの接地装置の実物をとうとう拝むことができた。これに参加費8000円を突っ込んだと言ってもまぁ過言かもしれませんが5000円くらいの価値はありました。
これなんの部品だったかな…SIVだっけ……
2両目のブレーキ関係があるエリアって聞いたような。
ささっと上を見たら、今度は車内へ。
真ん中1両だけドアコックで開けてあるという状態だったんですが写真を撮り忘れる始末。
よく考えたら、モノレールの車内に非常用ドアコックって明記されてないじゃないですか、勝手にドア開けられたらひとたまりもないわけで。だからモノレールのドアコックって完全に裏技機能なんですよね。
貫通路を通って先頭車へ向かいます。
これが運転台です。いたって普通の電車の運転台ですね。
座ってみても普通に運転席ですね。
デスクトップはがらんとしています。横浜市営地下鉄とかを見ても思いますが現代の電車はシンプルです。
ライト類を操作させていただきました。
ライトは確かに照らされてるなぁくらいの感じでしたが、なんとなくハイローの違いもわかりました。
無線機などの位置が改良されて、運転台から全てが操作できるワンマン対応機器を有しているとのこと。
そしてドア操作体験!
写真はないですが、手前1両だけドアが開くようドア回路をいじってある展示用の特別仕様です。
後部標識灯などは車掌向けな位置にスイッチがありました。
上にもコンソールがいくつかあります。
モニターが見切れていますが、車内放送のプリセットが入っています。
地震の時の放送とか事故発生時の代行バス案内とか、物騒な音源を鳴らして遊ぶ回。
サボ受けも撮っておきます。
体験が終わると、なんとこの電車、動きます。
ブレーキ試験とか出庫前の点検をやって、
少し出ていきます。
入換信号機が停止現示ですね。
定期列車が発車していきます。
入換信号機が進行になり、進路表示が右へ。
江の島行きが使うホームへ移動します。
やまかの上を通過するドキドキの瞬間!(つたわれ)
おおおお!!!
そこから湘南深沢駅に到着。
ホームには乗車できない列車である旨放送されていました。駅の放送は司令所から流すことができて集中管理されているのだそうです。
せっかくなので、落下防止用の網をきっちり撮っておきます。
そんな感じで車内体験も終了。濃密な時間でした……。
方向板コレクションが展示されていました。
いくつか手に取ってみます。
回送
裏が深沢。
試運転
大船ー深沢
裏は大船ー江の島
太字の深沢
裏は回送
細い大船ー江の島
裏は大船ー深沢
ヘッドライトの下に最近設置されたホーム検知装置?
したからジリっと観れるのも珍しいですね。
ということで、見学会は終了。
ありがとうございました!
ということで、基地を後にします。
そこから湘南江の島駅に向かいます。
鳩サブレースタジアムの紹介。
豊島屋の鎌倉に対するノブレスオブリージュ感すごいよなぁと。
深沢駅の駅サインはまだ更新されていない赤サイン、最近少なくなりましたね。
駅名標は交換されていました。
エアコンの排水を受け止めるドレンパンだと聞いたことがあるけど、裏側にそんな機能ないよね。
青編成で湘南江の島駅に到着。
湘南モノレールと、響丈さんがグッズ販売をしていました。最近だとトラムシティという函館市電のゲームに声を入れていたりしています。もと運転士ということで色々お話ししたりしました。
モノレールシミュレータのソフトウェア版もとうとう購入してしまいましたよ!
難易度選択ができるとのことで楽しみです。
湘南モノレールの運転シミュレータは、70‰を超える急勾配に絶望しながら走るゲームです。
今回は運転のプロにご指導いただきながら運転します。
やはり勾配が急なので、勾配上りきるまで力行、下り始める前に減速、みたいな動きをきっちりしていくのが難しい。実際こんなもんなんですか?って聞いてみたんですがやっぱり大変なんですね。
あと、運転士さんってどこでノッチ入れたらカーブ手前何キロで通過できるとか頭に入ってて加速タイミングとかすごく細かく把握してて、やっぱりプロってすごいなぁと思いましたね……。
たまに乗りますが全然詳しくない、湘南モノレールの解像度をグッと上げることができるいいイベントでした。今回は電気機器について実物見学ができましたが、ATSなどまだまだ知らない構造をしている機器が多々あるので、また勉強して参加したいですね。
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