箱根 塔ノ沢一の湯本館にやってまいりましたーー!!!

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一の湯は、1630年に創業し、1番目にお湯が湧いたから「一の湯」と名付けられました。広重の浮世絵にも描かれている老舗旅館で、周りの環翆楼や福住楼などと並んで箱根塔の沢温泉のレトロ旅館の街並みを形作る旅館です。また、箱根に9店舗展開する一の湯ホテルチェーンの中核的存在でもあります。
きうじが大学生の頃から日帰り入浴で利用していたので、今まで泊まってみたいって念仏のように唱えていたと思います。




絵葉書も集めてましたなぁそういえば。


今回はバースデーとはいえそこそこ低予算旅行ということであれこれ悩んだ結果、この宿を探してみることにしました。
年末年始で全国旅行支援の対象期間外だったせいか、奇跡的に空いてたんです。クーポンつかなくても1万円しないくらいの値段でした。

とは言っても、決して安っぽい宿というわけではありません。きうじは気になったものは徹底的に調べるので色々読むのですが、社長の小川さんのインタビューが面白かったです。これ、観光ではなくビジネスの記事なんですよ。


小川さんはサイゼリヤに就職してチェーンストアマネジメントを経験している方で、サイゼリヤのコストカット戦略を一の湯の経営に生かしているのです。
でもサイゼだって安いからって決して手を抜いているわけではなく緻密なコストカット戦略があるはずで、でもそれはお客さんがご飯を食べる上では問題なく、安くて満足できるからお客さんがリピートする。
一の湯は旅館にそういう思想を取り込んでいながら、温泉や客室にはこだわって、立地を生かし商品で勝負する姿勢なんかもサイゼ感がちょっとあります。でもそんなこといちいちこんなビジネス記事を読まないと観光客は意識しないわけです。

こういうコストカット戦略は手品に似ていると思います。種や仕掛けはあっても、客がそれを知ることはないような。私たちは温泉やレトロな旅館を見たいのであって、布団を敷いてくれるとかお茶を汲んでくれるとかそういうのはあってもなくてもいいんだと、じゃあ布団くらい自分で敷くから安くしてくれってニーズにヒットするわけですね。なるほど…面白い。


そんな小川社長のTwitterの固定ツイートがこう。

なんと面白いことに、今回かかった費用を計算してみると、
藤沢小田原が1000円、フリーパスが(豪勢にやったので)9000円、飲食とお土産が5000円くらい、
ということで3万円くらいの旅費だったわけです。


ということでまぁ旅館にチェックイン!


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正月飾りが立派です。


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立ち寄り湯は1階で、2階から先は宿泊者だけの世界。ワクワクします。

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階段の形もカーブを描いていてお洒落ですね。


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箱根土産品各種
丸嶋の羊羹
調べたところ、湯本駅の前にある「元祖箱根温泉まんじゅう」と看板を掲げたお店が丸嶋本店らしいです。今度行ってみなくては。

では、客室に行きましょう。


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いかにもな数寄屋造り。




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扉を開けると土間があります。



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そこから障子を開けると、
あれ、小部屋がある……。

そういえば、伊東温泉の旅館、東海館などもこんな部屋の作りをしていましたね。
正面の扉は押入れ、右の扉が部屋に繋がっています。

では、オープン!



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わーーー!!!ひろいーーーー!!!

12畳! 1万円も払ってないんですよ?

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照明器具もお洒落です。
何より天井も高い……!




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あの空間、こと広縁です。
タイルで水道が作られています。
かつて日本旅館ではここが廊下として利用されていました。国際観光ホテルとして国の補助を受けるにあたっては広縁が必要なのでこうした形態になるのですが、一の湯はいつからこのような形態に後年改造されたのでしょうか。




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食堂は4階にあるので、階段で上がります。
古い建築ゆえバリアフリー設備とかはないので、元気なうちにこういうのは堪能しなくては。



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夕食会場はもともと座敷であったものを椅子席に変えたものなんだそうな


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お夕飯は牛肉です!
しゃぶしゃぶにしても良いし、焼肉にしてもよい、という斬新なスタイル。お刺身もついて豪華な夕食でした。


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デザートはゼリーとアイスクリーム。

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ちなみに、3階に下りる階段の脇にトイレがあります。
これ、好きな方は絶対見たほうがいいです。あとで紹介します。



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そして館内をフラフラ散策。

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立派な鏡と階段。


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萩原楽一という人の絵。
合羽橋道具街にある、かっぱの絵で有名な人です。


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シンプルだけどいい文字。

そして古い建物と言えばチェックしなくてはならないのがこれ。


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もうこの文字から信頼できる感じですね。
1階には個室が一つあるだけなんですが、2階から上はちゃんと大きめの設備があります。

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TOTO U29 ですね。戦前から販売されていた超ロングラン製品。
右下に黒い丸がありますが、コレ昭和中期まで使われていたTOTOのロゴの鷲マーク。
最低でも60年以上前から使われているものです。

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トイレはかなり清潔で、大便器に関してはウォッシュレット付のものが採用されていたので、平成になってからもしっかり回収されているように見えます。それでも、例えば小便器の前に照明をつけるような作りは出来ている施設と出来ていない施設があって、今はもっと緻密な照明をつけることがありますが、照明器具の構造からしてこれを昔からやっているのであれば使用者目線に立った設計だなと思ったり。


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3階はなんとこちらも大正時代からのロングラン製品、U30でございます。
ストール型便器のなかでも大型で高級品とされていました。


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手洗器の形状もユニーク。痰をここに吐くためのものでしょうか。

そして先ほどの4階。食堂営業中にしか行けないところにあるのが

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朝顔です!!
下にトラップがついているので、U5というシリーズと分かります。




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そして、念願の貸切風呂のローマ風呂にとうとう入ることができてとても嬉しいです!

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さて、部屋に戻ってきました。

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文字を鑑賞し、



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とことこバスを並べて撮ります。


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お茶菓子のみくるちゃんのみるくまんじゅうを食べます。

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室内にはダイヤル式の電話が設置されていました。日本電機製。


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…朝です!
ちょうど箱根登山バスが走っていきました。



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朝食会場も夕食と同じ場所です。

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美人画が並んでいたり、

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新年ということでうさぎが飾られていたりしました。

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こちらがごはん。鯵の開きと御飯のお供の数々。

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みそ汁を自分で作るスタイル。面白いですよね。


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残念ながらそろそろチェックアウトの時間です。



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お世話になりました。
ちかくの上塔ノ沢バス停から箱根登山バスで仙石原へ移動します。


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割と車はすんなり通っているようで良かったです。
それでは次は仙石原から大涌谷を経由して帰るまでのレポートです。