2023年3月1日、伊豆箱根鉄道の船舶部門だった芦ノ湖遊覧船が、富士急行に譲渡され、箱根遊船株式会社と名前を変えて運航開始しました。


きうじは夏コミに箱根山戦争の同人誌を出そうとしてまして、箱根の交通勢力の変化をウォッチしていたのですが、初日に乗船しにいったツイートは1件、ドメイン切り替えのためにGoogle検索からは消されるというなかなかよく見えないスタート。

いてもたってもいられなくなったきうじは、芦ノ湖へ向かうことにしました。

ターゲットは、13日に運航される「九頭龍神社参拝船」。
実は船の情報すごく少ないんですよね。

ネットでは分からないことも多い。
ということで、伊豆箱根バス案内所などで聞いた情報なども含めてレポートして行きたいと思います。

背景として、九頭龍神社は本宮と新宮があり、新宮は箱根神社に隣接しています。
一方九頭龍神社本宮は箱根園と湖尻の間のプリンスホテルの保有する九頭龍の森の中にあり、アクセスが大涌谷経由のバスのみと、けっこう難しい場所にあるのです。

その移動手段として、箱根園からモーターボートをチャーターしていく方法があるのですが、
毎月13日の月次祭の日の朝だけは、元箱根港から大きな双胴船で行くことができるのです。

新型コロナウイルスの関係で開始時間が1時間遅かったのですが、4月からまた早い時間からの開催になるとのことで慌てて行くことにしたのです。

私たちは塔ノ沢に宿をとっていくことにしましたが、おすすめなのは小田原に宿泊することです。

小田原駅の芦ノ湖方面行きバスは5番バス乗り場から発車しますが、ここに立っている案内員が朝7:15〜8:00の間だけ「九頭龍バスフリー」特別な切符を売ってくれるらしいのです。発売できる時間が厳しく決められているとのことですので、早起きのできる方は是非挑戦してみてください。


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早起きはできないので塔ノ沢9時半のバスで間に合うように宿をとりました。
以前紹介した一の湯本館です。
なんというか、びっくりするほど取れなかったんですよ、3月12日。ここだけ空いてて救われました。
次行く時は塔ノ沢8時半じゃないといけないので、素泊まりをお勧めします。


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朝食は焼きサバでした。
伊豆箱根バスで元箱根に向かいます。
ここで気をつけてください。
降りるバス停は「元箱根」です。
「元箱根港」は海賊船の港です。まぁ100メートル離れてるので歩けばいいんですけど。

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元箱根につきました。
神様の世界は現金主義。1000円札と100円玉がそこそこ必要になるので、1万円札しか持っていない人は近くのローソンで崩してから元箱根ターミナルに行きましょう。
ほんとは出発前にゆうちょで1000円札いっぱい用意しとくといいです。年金とか給料日とかの時期になると大体ピン札が収まってるので。


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案内板が二つありますが、乗るべき船は左右逆です。

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こちらが参拝船です。
こちらの案内板が稼働している様子を見ることは滅多にないのでラッキーですね。


九頭龍神社参拝船はフリーパスが利用できません。
乗船料は1500円。お釣りのないようご用意くださいとのこと。小銭整理するのが面倒な人は偶数で行けば3000円単位になります。

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こちらが渡されるもの。
左の紙は箱根神社・九頭龍神社の祭りの案内、
真ん中はご祈祷のための封筒、目安として2000円以上のお気持ちを詰めて願い事を書きます。

うーんそうですね身体健全かなぁ…痩せますようにーー……野口さんをいくらか詰めました。

ライトにお参りしたい方は野口さんいっぱい連れていきましょうね。しっかりやりたい方は福沢先生を渡航させてあげてください。しばらくオロオロしていると、ピン札を用意してくる方が多くてすごいなぁと思いました。


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こちらが十国丸です。
案内板の左右と停泊していた船の順番が逆なもんで混乱しそうですが。

乗ると座席はいっぱいで、乗船口にも人だかりができています。
仕方がありません。突風で雨は横殴り、デッキに出れなければそうなります。
しかしコロナ禍以降の様子ではほとんど空気を運んでいることが多い芦ノ湖遊覧船、こんなに混雑していることがあるのかと驚きました。



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海賊船ビクトリーがちょうど出発していきます。



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勝田さんがダッフィーぬいぐるみを撮っているのを撮る
顔を写したいけど風景も写したい時は横顔ですね。



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むちゃくちゃ雨降ってます。
あれは箱根山のホテルの桟橋です。かつては外輪船フロンティア号が発着していました。


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さらに進むと又大きな桟橋が見えてきます。
こちらは竜宮殿桟橋。
桟橋にしては変わった形をしていると思いませんか?
実はこれ、かつて伊豆箱根鉄道が運行していた「第二くらかけ丸」の船体なのです。
ドライドックを持っていたからこそこういうことが出来るのだと思います。

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前から見ると双胴船のようになっています。
現在は閉鎖されているようで、荒廃が進んでいます。
また船が富士急に売却されたことで、この桟橋も持ち主が分かれてしまったことになります。
今後どうなるのでしょうか。

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箱根園行の船が右側通行なので一番近くに寄れます。
船っぽい形をしていますよね。



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この、日帰り入浴施設「竜宮殿」の施設の一部になってまして、
利用者だけが参拝できる「竜宮殿 山の神」に隣接する桟橋で、
散策コースから船尾側が確認できないか気になっています。
竜宮殿は昭和初期の貴重な建物なので、それも合わせて近日中に温泉に浸かりに行きたいと思っています。


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箱根駒ヶ岳ロープウェーは点検のため運休中ですが、もう支柱がうっすら見えるだけです。





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箱根園港に一度寄港するようです。
プリンスホテルに宿泊する場合はここから乗船することも可能なのでしょうか。
あまり情報がないので気になるところです。


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2~3人乗っているような気がしました。


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後方から、10分遅れて出港したはこね丸が現れました。
箱根園港を経由して、箱根関所跡港へ向かいます。

我々はさらに湖尻方面へ進みます。
コロナ行こう、湖尻への定期便はないので、

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見えてきたのは九頭竜の森桟橋(神山桟橋)


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この桟橋は、さきほどの竜宮電桟橋と同じように、
伊豆箱根鉄道の双胴船「第三くらかけ丸」の船体を再利用した船です。


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もともと船首はツンと立ち上がっていたのですが、
船体をある部分で水平に切り落として桟橋の板を張ったような構造をしています。
ブルワークが切り落とされてしまっているので船名は分かりません。

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真上から見ると普通の桟橋です。
しかし船を降りて船尾側を見てみると、


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少し文字が見えるのが分かりますかね?





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右から第三くらかけ丸と書いてあります。

芦ノ湖から始まった日本の双胴船の歴史、それを今に残す貴重な技術遺産です。
そんな桟橋に月に一回だけ降り立つことができます。

しかし目的はお参りです。
宮司さまの指示に従って一列に歩き、まずはお参りします。

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十国丸は待っていてくれています。


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今回は帰りの船が2便運航の予定でしたが、2便目が欠航になってしまいました。
普段はもっと参拝者が多いのでしょうか。

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参拝行列です。


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由緒などもありますがあまりじっくり読む時間はありません。
九頭龍の森は入場料がかかりますが開放されているので、別の日にゆっくり見るのもありかもしれませんね。




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ここが本宮。

帰りの船の時間が決まっているので、じっくり時間をかけて拝みたければ、列の先頭の方に並ばないといけないみたいです。

まぁいいか、と全然急がなかったのですが、もう船の時間が15分前とかに迫っていて、終始時計をチラチラしながらお参りしていました。次はもっと早く行こう。

お参りの後、箱根ベーカリーさんが奉納のあんぱんを振舞ってくれます。あまくておいしい。



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お次は弁財天社へお参り。

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手水も龍になっています。


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湖の方から見るとこんな感じ。

ここで、乗船時に渡された御供(ごく)の中身を取り出します。
米粒などが入っていて、これを芦ノ湖に振り撒いて、二礼二拍手一礼。

さぁ!出港五分前!急いで船に戻ります!!


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なんとか間に合いました!



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なぜか「駒」の文字が見えます。
8時の方向に「根」という文字も見えます。

1933年に「駒形丸」という船を導入していますが、
昭和39年の日本旅客船船名録にはなく、そんなに古い浮き輪が残っているようには思えません。
正体やいかに。


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もう一つありました。
しかしどう見てもこれ、「形 丸」と書いてありますよね。
下の方には箱根の文字が見えます。
どう見ても駒形丸です。
とすると、この桟橋に乗っかっている浮き輪は箱根遊船時代の船の部品が残っていたことになります。
どんだけ物持ちがいいんだこの会社……。


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レッコー。



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桟橋が離れていきます。


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また天気のいいときに再訪したいですね。

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プリンスホテルが見えてきました。
勝田さん曰く、カーテンが高級感漂わせていると。あと、樹木の葉が窓より下はキレイに選定されているのが高級感出してると。これは考えてなかったですね。いい発見。


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船は再び箱根園に接岸します。
ここで団体さんは一斉に降りていきます。
昼食を食べてからバスで移動みたいな流れですかね。

でも、観光バスの運転手は休憩時間とかあるので、船で行ってる間に休憩できるのはスケジュール組むには良さそうですよね。
富士急とかもっと力入れるんじゃないかって思ったり。

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最初は箱根園で降りようかと思っていたのですが、
よく考えると、箱根園から元箱根に直行する船って基本ないんですよ。
だから後で箱根神社に行くことを考えると、

参拝船で箱根園→定期便で箱根関所・元箱根→箱根神社
よりも
参拝戦で元箱根→定期便で箱根園→定期便で箱根関所 
と回った方が、船で回るうえで効率よく回ることができるんですね。

あと、団体さん一緒だと行列の後ろにやられることが多いのでここは別行動をチョイスします。



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元箱根港を出港したはこね丸がこっちに向かってきます。


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竜宮殿桟橋です。ちょっと遠くなりましたが雨がやんでスッキリしています。



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通常は芦ノ湖をぐるっと反時計回りに回るので、遊覧船がすれ違うということはありません。
九頭竜神社参拝戦ならではの光景です。



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後ろから海賊船「クイーン芦ノ湖」がやってきました。
追いかけられています。


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湖尻は運休中。
周遊船は第二こまを解体してしまったので再開しないかもしれませんね。

どちらかというと、今は周遊船のダイヤを定期船と呼んで運行している感じ。

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十国丸が元箱根に到着しました。
これからはこね丸と交互に芦ノ湖巡りに充当されるようです。


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顔出し看板。ずぶ濡れでした。


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富士急グループになった新しい看板です。

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駒ヶ岳ロープウェーとのセット券などは一度発売中止になっています。発売再開の手続きを進めているらしいです。
旧会社のうちに乗船券を買っておけば良かった…誰も買ってるとこネットにあげてないんだもん。

下船したお参りの方達が一斉に箱根神社へ歩いて一列になっていく姿を見て、私たちが考えたのは、
「昼飯食うか」

という話。この人たちがお参りを終えたら一斉に飯屋に来ると思うと、今を逃すと飯抜きです。

ちょうど港の前にあった喫茶があったので寄ってみます。


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まさカリーライスというのを見つける。



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こちらまさカリーライス。
足柄牛とごぼう入りという、やさしいカレーでした。


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窓際になんとカプセル式のルーレットおみくじがありまして。
置いてあるだけで動かないものもあるので、店主に聞いたらお金さえ入れれば動くとのこと。初めて出会ってとても嬉しい…!

コロンと出たカプセルを開いて見るとなんとも細密充填されています。



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「ラッキーカラーは紫」
「本業以外の仕事に手を出したがる」
「休養を取りましょう」
「お金は計画的に」

ドンピシャだと横で爆笑されるコーヒータイム。



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お参りが終わったら晴れてくるという。

ゾロゾロと観光客がやってきて、
お参りのピークが終わったのだとわかりました。

そろそろ行きますか。ごちそうさまでした。




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芦ノ湖遊覧船の創業は戦前なので、箱根神社に近い位置に桟橋があります。
史跡巡りには芦ノ湖遊覧船が便利なんですよ!


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石段を登ります。
平和の鳥居はもうエラいことになっていたのでスルーしました。


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箱根神社です。
ここで、御祈祷の証明を貰います

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乗船口でご祈祷の封筒を渡すと、こういう引換券をもらいます。



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お札と、箱根神社の龍神水をもらいました。
龍神水を毎月貰えば、1年間で6リットルの水の貯蓄になるし、ローリングストックできて防災用品になりそう……とか悪いこと考えちゃう私。


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こちら九頭竜の龍神水の源です。


この後は、芦ノ湖めぐりの定期便に乗って、箱根園に向かいます。