みなさん、お久しぶりです。
simutransアドベントカレンダーに空きがあったので、すっかり老害化していながらもノリで申し込んでしまいました。
とはいえアドオンもろくに作らず、たらたらとNSの管理人だけやってきていた2023年でした。
2022年6月からやってきたJHNS4は、2023年12月末日をもってサービス終了します。18ヶ月という長期間、150年ぐらいのゲーム内時間をつかって近世から現代までを渡り歩くというコンセプトのNSでした。
本当は自分で足りないアドオンを作れれば良かったのですが、NSの遊びの中で足りないものを見抜いて、そこに嵌るものを作る、そういう練習場になってほしいという思いもありました。
結果はあまり十分とはいえませんでしたが、古い建物に目を向けるきっかけになったのではないかと感じるものは少しあります。
今回のNSで気にしていたのが、2017年に発表したアドオンセット、「pak128.edo」と他のアドオンの相性です。
今でも海外ユーザーの方のスクリーンショットを見る機会があり、こんなところで作品が使われているのかと驚く一方で、考慮の足りない部分もたくさんあったな、と思うこともあります。
もちろん、当時のsimutransのシステム上そうすることしかできなかったこともあったのですが。
とくに巣篭もり解除とともに怒涛の勢いで旅行と仕事を繰り返すようになり、古い建物について、学生時代以上に見聞を広めることができました。
そこで、今回は大人になって改めて振り返り、pak128.EDOの良かった点と悪かった点を考えてみようという記事を書くことにします。
●良かった点
・年代プレイの基本的ツールを提供できたこと
私がこの界隈にやってきた、112.3とかいうあたりの本体を利用していた頃、128jpは年代プレイにあまり向かないpaksetでした。古い乗り物といえばD51くらい。貨車はLusさんが取り揃えてくださっていましたが、旧型国電すら純正ライクなものはなかったのです。 独自の規格や絵柄で、旧型国電や国鉄客車などを揃えていた方は何人かいたのですが色々あって姿を消してしまいました。
そんな頃に作っていたのが、あの日本語化wikiにあるガビガビのC11やビビッドな旧型国電です。
あれ自体は作品としてはイマイチですが、本当にアレしかなかった時代があることは知っておいていただきたい。あの車両群を補完するように車両アドオンが拡充して、いまでは鉄道に関しては1872年から現代までの変遷をある程度体感できるようになってきています。
しかし、鉄道に対して道路と水運の年代対応は遅れていました。船に関しては国産の船が宇高連絡船の最終期に活躍した船たちしかなかったのです。
鉄道貨物の輸送方法の変遷を調べていたころ。鉄道から下ろした荷物を運河で貨物を輸送していたことを学び、船と貨車があればシフトがリアリティのある歴史を生むのではないかと考えて、pak128EDOの船たちが誕生しました。
そして道路も舗装されていないものを作りました。こうして、19世紀のインフラを一通り作ってしまえば、途中空白期があって開発の停滞はあれど、遊ぶことはできてしまうようになるのです。
年代プレイの発展で流行ってきた近代建築にもランドマークとしての役割ではなくきちんとした役割を与えることができる、そうした基盤づくりに貢献することは出来たのではないかと思います。
●反省点
・サイズの基準がバラバラ
こればかりはどうしようもなかったかもしれません。私が128EDOを開発していた頃、マルチタイル市内建築というものは開発途上にあり、まだ実装されていませんでした。
江戸時代の建築は「うなぎの寝床」と呼ばれます。間口に対して税金がかかるので、入口は狭く、奥に長い細長い区画をしているのです。これをタイルゲームでどうにかするために、店舗を2軒で1タイルとする対策を施しました。これは当時zkou2さんという方が作っていた近代市内建築の作りを参考にしたものです。
ただこれの難しいところは、建物を2軒ずつ作り替えないといけないところ、接道していない建物は建て変わらないので、奥に長屋を作ると建物が生え替わらないという問題です。
さらに高さの問題があります。EDOの建物は箱積み建築との併用を考慮して、128jpの建物のサイズを少し大きめ、具体的には箱積み1フロアの0.8倍ほどのスケールに設定していました。その結果、スケールが発展によってだんだん小さくなってしまうのです。
今思えば、奥の長屋含めて1タイルにする(スケールを今の半分にする)とか、マルチタイルにしてあえて箱積みサイズにふってしまうような、どちらかにふってしまえばよかったなと反省するところです。
近代がバラエティ豊かになれば軽減できるんでしょうけども。
・ランドマークの地域性の偏り
これは資料不足というか体系的な知識不足というんでしょうか。設計上の問題だったなと思います。
「江戸の生活を再現する」のもと、江戸東京に関する資料を調べまくって作ったのですが、現代に残る実物の町屋に対する解像度が非常に低かったんです。
都内に現存するものが非常に少ないということもありましたが。信州や北陸に現存する建築を見てみると博物館と違ったものが見えてくるようになり、NSであちこちに江戸流の建物が並ぶ様をみて特にこの辺りを意識するようになりました。
例えば商人の建物ですが、アドオンは町人の家をイメージして建てていますが、現代に保存されているような豪商の家や、鰊御殿などは再現できていません。こうした家が郊外の宿場にあればと今は思うのですがなかなか手が出ません。
あとは寺社の数。これは樹木の構築が難しかったために少ないのですが、現存する近世の神社が都内に根津神社ほどしかなかったことが挙げられます。寺院は浅草寺を参考に作っています。しかし街を歩けば小さな神社はたくさんあり、寺は役場のような役割をしていたのでこれもあちこちにあります。
朱色のもの、白木、塔があるもの、お堂が大きなもの、小さいもの、木に囲まれたもの、現代でも色々あるんですが地域性があるのでこれも広く歩かないといけない。さらに山寺は地形があるので再現を難しくする、そう言った中から作れそうな形をデフォルメできるようになるまでには時間がかかります。あれこれやっているうちに時間が切れてしまったのが心残りです。
いまの128edoは名主の家や本陣を役場にしていますが、実は役場は寺院にするべきだったのではとも思います。鎌倉仏教くらいしか回っていないのでこれは京都とかを観察しないといけないなと思っています。
さらに、城の天守閣をエイヤとつくってみたは良いのですが、江戸城天守閣は大きすぎたと思っています。NSでさまざまな城が建つと天守閣くらいは3〜4種類作っておくべきだったでしょうか。
新しめの城では小田原城、名古屋城、古めの城では松本城、犬山城とかでしょうか。
NSをやってみると、どこの街道も江戸の街並みになってしまうのはちょっといただけない……ひとつのマップに江戸はそんなに必要ないのです。
●夢見ていた将来
今はなかなか思うように開発時間を確保できないのが課題ですが、思うことがあるとすれば以下が挙げられます。
・神社を増やす
・城を増やす
・大きな豪商の屋敷を増やす
・寺を作って、役場に設定する
・通行人を通行人群にして50人程度を一度に輸送できるようにする
それをやった上で、近代の建物を作っていきたいですね。
・公会堂などの保存建築の多い公共施設を作る
・外国商人の家を作る
・石炭からガスを作る工場や畜産系の産業を作る
・後世に残しやすい銀行建築を特殊建築物で作る
こんな感じでしょうか。
あとはスケール感、いまの小さな小さな建物を箱積みに少し寄せられる大きめな建築が増えていってくれるといいなぁって思ってます。
paksetの拡張をやってみたい人、まず形にするだけでも大変ではあるんですけど、ぜひ頑張ってみてほしいです。
いつも口を酸っぱくしていっていますが、手を動かす前の設計工程がアドオンの作りを左右しますし、お絵描きよりも設計がアドオンの質を左右すると考えています。古いアドオンがどのようにしてその形態でリリースされた、あるいは日の目を見なかったのかを観察しながら、挑戦してみてください。
EDOのソースはここから入手できます。
権利関係が面倒にならないように、という過去のpaksetの反省から、個人プロジェクトにこだわってきているので、ここのソースは自由に使ってもらって構いません。
駄文で申し訳ないですが、アドオン制作の動画はまだ一式持っているので、来年は口だけじゃなくて手も動かすような時間を少しは確保できるといいな。それではまた。
コメント