2024年春の江ノ電では、さまざまなお知らせが飛び交っています。

江ノ電では、3月16日のダイヤ改正から新信号システムを採用するとして、それに関係する施策を発表してきました。
新信号システムと呼んでいるものはCTC(列車集中制御装置)という装置で、今まで駅で操作していたポイントや信号を集中制御するようになるもの。
箱根登山鉄道では早くから導入されていたので、交換駅でも塔ノ沢駅などは無人化されていました。
これまで江ノ電では、ARC(自動進路制御装置)という信号システムを採用していました。
シンプルなダイヤなので、隣の交換駅まで電車がいなければ信号を青にする、みたいなことは自動化して、人は手をつけず駅で監視するだけ。いっぽう分割併合や車両交換など例外的な対応は人がレバー操作を行うという仕組みです。
そのため交換駅は峰ヶ原を除き全駅有人で、運行業務と窓口業務をやっていたのですが、2023年から鵠沼の駅窓口が閉鎖されまして。運転取扱はどうするんだろうと思っていた矢先、システム更新で監視員も集中化して駅員を削減するつもりのようです。

その成果として目に見えるものが、構内踏切の廃止。

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新信号システム導入のために構内踏切を廃止するというもの。正直、えっなんで??って感じなんですけども。だって横須賀線の北鎌倉とかいまだに構内踏切じゃないですか。なんで江ノ電の構内踏切が先に滅ぶのか不思議でなりません。


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江ノ島駅です。
裏口には、「鎌倉方面のりば」と行先が記載されています。


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裏から見ると下車の方法が書かれています。
切符を持っている人はそのまま通れ、とのこと。
イラストも簡易改札のそれですね。

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最近になって簡易改札が設置されたそうですが、あー絶対簡易改札だ…という配置。


こっちに改札口が作られたのが確か2019年ごろ。
その時は「改札があっても券売機がないから結局正面改札に回らせるのか!」みたいな愚痴をよく聞きましたが、5年経ってこんな形で解消されるとは。
5年前に改札作った時は計画してなかったんですかね?簡易改札にしたらキセルが増えるのはわかるんですけど、本鵠沼駅だって券売機は置いてたじゃないですか……。


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1月末の時点ですでに江ノ島駅では準備工事が進んでいました。
出口を示す看板も撤去されています。

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すでに構内踏切への展示ブロックは1月末時点で撤去済み。タイルの意匠が変わっていました。



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改札工事をやっていましたが、この時点では上底になったくらいでした。
通路を塞ぐので、構内踏切が使えるうちに改札工事をしないといけなかったわけですね。


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営業最終列車は、藤沢駅23:47発、

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この電車は通常では江ノ島駅留置ですが、工事の関係かこの日は臨時で別の場所で留置されるようで、藤沢方面に引き上げて行きました。

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藤沢駅で留置されてる写真などを見るので、この日も藤沢ですかね。
このあと、もう一回踏切が下がります。

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最後の列車が江ノ島にやってきました。
踏切が閉まるといっても、過走対策で踏切が閉まるだけで、通過することなく開きます。
この列車は鎌倉方面に引き上げていきました。稲村ヶ崎や長谷で留置されていることがあるようです。
この日は5名での見送りとなりました。


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踏切跡地はこのようにふさがれました。
モノレール側の道路に待機していたトラックが集まって、グッズショップ前の広場で鉄パイプを加工して0:30くらいにはある程度柵の形ができていました。

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自動改札は口が塞がれています。
これからはEmotが流行るのでこれで問題ないのだと思います。

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構内図からも踏切が消えました。鎌倉方ホームはもう無人駅に等しいですね。

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みぞれの305。もう踏切が除雪されることはありません。
係員洋通路として残るんじゃないかという憶測もありましたが、この残らなさそうな雰囲気。

しかしくよくよしてはいられない。


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2週間後には長谷駅も改札を増やして構内踏切を廃止しました。



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2月10日の時点ではその雰囲気を見せない長谷駅。
改札入って奥が1番線なんですよね。
これは先先代の駅舎が1番線にあったためです。


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お馴染み長谷駅名物、イボイボの侵入防止板です。
構内踏切廃止で、ホームに入る人もいなくなると思いますがこの去就やいかに。

構内踏切が消え、駅前の道路が実質長谷駅から大仏方面に向かうための通路となることで、本来の往来に支障が出ることが地域からは懸念されています。しかし駅舎が邪魔になって、歩道を広げることはできなさそうです。

この駅舎も2020年にオリパラ特需を見越して建て替えたもの。もし踏切廃止が決まっていたなら、もう少しセットバックして建てるとか考えられなかったのか?と疑問視されています。
このCTC化計画が突然決まったのか、あるいは4年先のこと考えてないとか知らされてないとかで従来サイズで駅舎を建ててしまったのか…。


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さて、2月15日、最終日の様子です。

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23時半ごろですが誰もいません。
そんなことあるか?とは思いましたが、
そもそも江ノ島は終電を見届けても小田急で藤沢まで帰れるのに対し、長谷は一般には車がないと帰れないですからね。

こんな夜中に商店から産廃を運ぶゴミ収集車が回っていて、鎌倉の道の細さを実感します。昼間はこんなところに止められないもんね。

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ポスターもギリギリ差し変わったようです。
鼻の長いえのんくんもいなくなってしまいました。

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昨年1月から常設化された長谷駅藤沢方面ホームの臨時改札に加え、新たにこれまで封鎖していた階段も開放することになるようです。
しかし、IC簡易端末の設置が間に合っていないのだとか。台座の上に三角コーンが設置されていました。


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オーバーランの余裕がない長谷駅の踏切。
今日が最後か、と乗客の方が写真撮影していく様子も見られました。


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停止位置目標の真下にATS地上子があります。
構内踏切を最後に通過した江ノ島行きの最終列車です。



地元の方も名残惜しんでおりました。
降車した方と3名ほどで最後の時を見守ります。

とはいえ、江の島に比べると作業が始まるまで時間がかかり、0:30でもあまり進展がないので帰宅しました。

踏切を止めて線路閉鎖をして、信号機器を運んだ手押トロッコが線路を走る光景を横目に、いつもの徒歩2時間コースです。


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この日は稲村ヶ崎に501が留置されていました。
江ノ島駅の留置線ももうすぐ使用再開されるのでしょう。入換信号機が動き始めていました。

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江ノ島駅では改札口工事が行われていました。
この日は車両を置いていますね。日々留置場所が変わっています。

報道などでは稲村ヶ崎駅も構内踏切を廃止予定みたいなリークが出ていますが、
その後稲村ヶ崎駅の無人化が発表されました。

とすると、構内踏切の背景事情に無人化があるとしてですよ、同じように…ってことなんですかね。


そんな折、駅の営業時間の変更についての通知が貼られていました。

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前の文脈からすると、これも3月16日までの営業短縮ではなくて、3月16日以降もこの時間帯から戻らないんじゃないかって言ってるファンの声も聞きます。
だって信号システム改修するからって理由で稲村とか江ノ島ならわかりますけど、
別に腰越に信号ないじゃないですか……。
硬券入場券は買える時に買っておいた方が良いと思います。箱根登山鉄道みたいに次の値上げが来たらやめちゃうかもしれませんね。

最近入場しっぱなしの502Fにワンマン化改造をやっているなんて話も聞きます。あの併用軌道を運転士一人でやり切るんですかね。
車掌は連結二人乗りライクな添乗員になるのでしょうか。それとも夜間帯は2両とか北海道みたいに後部車締切にするのか。謎だらけ……。



さぁ、電車も大変ですが、今度はバスの話題。


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江ノ電バスの大規模な路線整理が行われます。

2024年4月から、バスやトラックの運転手の労働時間の制約が増え、
勤務時間が減る→人数を増やす必要が出てきました。
しかしバス運転手が人手不足で、路線を削減せざるを得ないとのこと。

同じ小田急グループの神奈中も免許維持路線をかなり整理するそうで、
あの早朝の平塚~小田原線なども整理対象となるようです。

江ノ電でも全体的に減便となります。
高根線も30分間隔から40分間隔に。

とくに気になるポイントとして、
F3系統、藤沢駅南口〜江ノ島の派生系統が整理されることとなりました。


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まず、
F37 藤沢駅南口→江ノ島水族館前 の廃止が決定。
2021年に突如登場した片道だけの新系統でしたが、短命に終わりました。


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またF35 藤沢駅南口〜辻堂駅南口(江ノ島海岸経由)が、正月運行の免許維持路線に。


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この路線は、いわゆる辻堂駅〜鎌倉駅(江ノ島経由)の構成要素のひとつ。
だんだんぶつ切りにされ、2019年時点では以下のように分断されていました。
辻堂駅〜湘洋中学校前 J3
湘洋中学校前〜江ノ島海岸 F35
江ノ島海岸〜腰越海岸 N3
腰越海岸〜小動 
小動〜七里ヶ浜 F45
七里ヶ浜〜鎌倉 K5

小動〜七里ヶ浜が2019年の廃止で分断され、鎌倉駅〜七里ヶ浜駅は2023年から元日のみ運行の免許維持路線となりました。
F35は2019年時点では藤沢行き1本が平日朝に走る路線で、2021年に休日1往復へ。
そして、この度年1本となり、江ノ島海岸〜湘洋中学校前が実質休止状態となります。

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江ノ島水族館前の辻堂方面バス停は、長らくの休止から復活しましたが再びほぼ休止バス停に陥落。
正月に江ノ電が、海の日に神奈中が来る免許維持街道となりました。


なお、休日朝1本のみのF31湘南港桟橋行きは、時間を変更して続投となっています。

こうした年に1本という路線バスには、路線免許、つまりこの道路を走る路線バスにとって縄張りを張るという役割があります。

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2021年の交通規制時のシャトルバスなど、普段から路線免許があると特定輸送とかを受注しやすいのでしょうか。神奈中も小田原や町田を切る一方で、大磯や江ノ島にはバス運行を復活しています。

江の島がまだ見捨てられていないことは純粋に喜びながらも、朝のF3系統変速路線、
7:10にF31湘南港桟橋、
8:40にF35辻堂駅、
9:40にF37江ノ島水族館前、
というコンボもおしまいです。

ということで、最終日に乗ってきました!
年度末で仕事があまりに忙しすぎて、朝だけですが……

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3月10日、
8時33分にF3江ノ島行きが発車すると、2番乗り場にバスがやってきます。

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きました。
F2(片瀬山循環)で、藤沢駅所定8:32着。そこから少し待機していたようです。


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少し幕が暗い車ですね。

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うっかりミス。最近できたセブンイレブンの反射で全然見えない。
仕事と寝不足で頭が回ってなくて、なんか暗いなぁ……くらいに思ってましたが、モニターでちゃんと見たら、なんてこと。やらかしました。
他にいいアングルもないんですよ。あーれーーー。


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LEDめっちゃ暗いので、ちょっと明るく加工してみました。


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側面です。


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広告、大船なんですよね。
この車、604は前乗り車と呼ばれていて、大船駅近辺の均一運賃区間を本来の仕事場としています。
本来は藤沢鎌倉界隈には来ない車です。

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フロントにも栄交通安全協会が手作りしている凧が飾られています。神奈中の横浜営業所などでよく見る装飾ですね。


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こんな珍しい車がF35に入ったのに、それを全然伝えられない…くやしい…。



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バスの乗客は私1人。
途中、奥田で乗っても藤ヶ谷で降りてしまいます。江ノ島までは1人。
龍口寺では電車との共演も見られました。


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もし正月の運行が朝や夜になったとしたら、バスが昼間の鵠沼橋を渡る光景も最後ですね。

まぁ、鵠沼車庫に向かう回送車がバンバン通ってるので、バス自体は珍しくないんですけどね。

湘洋中学校前からは、鵠沼車庫前から来るJ3系統と合流するので、普通のバス路線となります。

辻堂海浜公園前、真砂通り、辻堂東海岸……この辺りは辻堂団地や、湘南工科大学、さらには住宅地も広がっていて、浜見山までには各停留所3〜4人ほど乗ってきます。座席が埋まっていました。

10分前に鵠沼車庫前からの便が来ているのでそこまで混んでいないという感じでしょうか。ここも毎時2本とかになってしまいます。

そこからは歩いてもいい距離なせいか、座席がほぼ埋まるような混雑率で辻堂駅へ到着。


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「前のり」の表示ですが、中のりバスです。


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後ろには、鵠沼車庫前からやってきたJ3系統が停車しています。
とてもいい並びだと思ったんですが、残念。うまく撮影できず。

ここで9:10です。

次は藤沢9:40の江ノ島水族館行きに乗ります。
そう、30分かけて移動した辻堂から、東海道線で藤沢に戻るのです。


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30分には藤沢駅に到着。
江ノ電開業100周年の時に何台か導入された記念塗装、
通称カステラカラーの1台。

なんかこう、ちょっとマニアックな車がきますね。

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F37はちゃんと撮れました。幕が少し明るいです。




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こちら側面。


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ENOSHIMA SUIZOKUKAN MAE 行きです。


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この路線は事前に江ノ電HPで告知されていたので、お見送りのギャラリーも5名ほど。
みなさんお若い、というかお子様もいらっしゃって。
あっちは休止とこっちは完全廃止になるからと難しい言葉をよく覚えていました。
私にもそんな幼少時代があったなぁと。


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ではでは、乗っていきます。

この路線は江ノ島行きに毛が生えた路線なので、利用者もいましたが、それでも8名くらい。
そりゃそうで、小田急使ったほうが早いしやすいんですよ。
それでもこのバスに乗るのは、奥田や柳小路といった、ちょっと江ノ電に乗るには歩くようなエリアの人たちでしょうか。江ノ島駅前で降りていく人もいました。洲鼻通りを観光するなら確かにそっちですね。

時間は10時。既に龍口寺から東浜までの道路が渋滞してしていました。
免許維持路線は早朝に限る。しかし私は起きられない……。


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江ノ島水族館前に到着。同業の方1名と乗りとおしでした。
すぐに回送として出ていきます。鵠沼車庫への送り込みを兼ねているのでしょうか。

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ここから川越行の神奈中の高速バスも出ていましたが、廃止されてしまいました。
ここから座って行けると便利なんですけどね……いつか乗りたいと言っているうちに。



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F37が終着なので、1日1本となっています。

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めくると、正月のみの運行とのこと。
ここまでやるならお盆にも路線バスを出してもらって、"盆と正月にバスがくるバス停"とか銘打ったら人気になりませんかね? ならないか……。

こういう路線を公式サイトでは伏せてるんですよね。自分で検索してね、というスタイル。
本来廃止と書けば大騒ぎになるから、問題を顕在化させずに、サイレント運休に持ち込むのが近年のバス業界における常套手段なのかもしれませんが、この背景にはどのような意図があるのでしょう。今回無くなる路線は、無くなってもだれも気付かないような路線ばかりなので消えても仕方ない気がしますが。

江ノ電の公式サイトを見ると、マイクロモビリティのカテゴリが増強されています。電車・バスから自転車へ、運転手という労働力があまりにも高コスト化していることが言葉から出ずとも状況が物語っているといえます。

この春、箱根登山鉄道も、グループ各社を合併した上で小田急箱根という会社になります。
2022年春に箱根ロープウェイと箱根登山鉄道が合併して、すでに配置転換が行われていると聞きますから、同じように鉄道係員を観光船など他業務に回すんだろうか…とか推測したり。

最近の小田急グループ、なんか最近よくわかんないんですよね……。なんというか、人に金をかけないための投資を惜しまない強い意志を感じます。こういう情報を大きく告知するということは、だいたいは投資家を向いて発言しているわけです。そこで無くなるダイヤのことは……。

様々な景色を、気を引き締めて記録を続けていかなくてはならないと改めて思ったのでした。