旧・南部縦貫鉄道の七戸駅に来ました。

 IMG_70270209

ここはレールバスで有名な鉄道。
5月4日5日と「レールバスとあそぼう」という体験乗車イベントを開催していて、長年行ってみたかったイベントにとうとう参加が叶いました。




このCM、ご覧になったことありますかね?
私が小さい頃は流れていました。
この動画に出てくるのが、南部縦貫鉄道の列車なのです。


IMG_70250053

レールバスということだけあって、エンジンも当時の日野のバスのエンジンを使っています。

IMG_70390059

早速並びます。
乗車整理券300円を購入してテントの椅子に座ります。


IMG_5657

そのテントの中の人が車内に誘導されるシステム。


IMG_70410061

機械変速が見れる運転台回りは争奪戦で、なかなかいいアングルに入れず。


IMG_70450062

こちらが運転台。
気動車ゆえに、左ハンドルはノッチと言いつつ自動車のアクセルと同じようなつくり。
手前に倒すとエンジンを吹かします。
右手は自動ブレーキです。もしかして直通ブレーキなのかな?


IMG_70460063

休止前の時刻表が掲示されています。
この辺もバスらしいですよね。

IMG_70480065

日やけどやワイパーなど。

IMG_70530066

あっというまに2往復して戻ってきました。


IMG_70540067

床から生えている棒がシフトレバー。
前進4速をこれで制御します。


IMG_70550068
庫内では、キハ10と機関車がエンジンを動かしていました。
南部縦貫鉄道は貨物輸送を行うために出資されましたが、砂鉄採掘が頓挫して、副業出稼ぎながら地域交通として生き残る鉄道として残っていました。その貨物用の機関車です。


IMG_70580069

気動車は全てキハ10型。
キハ104はラッシュ時の輸送力増強のために国鉄から払い下げられたキハ10です。
鉄道博物館の車が静態保存に移行したいま動態のものはここだけではないでしょうか。
もともとレールバスで十分な輸送量ゆえ、廃線時のフィーバーとかを除けばあまり稼働しておらず、最近はエンジンの調子がよくないとかであまり表には出てこれないとはも聞きます。
なにより、レールバスの維持保守だけでも大変だと思います。これだけエンジンが動いているというのはただならぬ努力で作られているのだと思います。

IMG_72360230

そして目立たないけど、貨車も保存されていました。
もとは遠州鉄道の無蓋車で、加悦SL広場で保存されていたものが閉園に伴って救出されここにきたらしい。南部縦貫鉄道の保存車ではなく保線用に使うつもりらしいです。


IMG_70630071

つぎはレールバスを撮ります。
七戸駅の構内で線路はバイパス道路に寸断されています。なのでこの間を行ったり来たりするだけ。

IMG_70670072

でも可愛らしいですよね。
同じところをずっと行き来するから、撮影も結構遊べます。こういうデモ走行のような展示運転はとても眺めがいがあるというか、たとえば1日1往復のSLなんてもったいなくて真剣勝負するしかない、遊べないじゃないですか。そういうところがとても好印象でした。

IMG_70910215

かわいらしいバス窓。
いわゆる「モノコックバス」の車体デザインそのものです。本物のモノコックバスはあまり見たことないんですけど。
ドアとかも流用っぽいですよね。



IMG_70960075

カラーリングは京成電鉄の「開運号」のデザイン。南部縦貫鉄道の開業時に出資しているらしいんですよね。昭和の関東私鉄は地方進出に力を入れていたようです。

IMG_71050077

キハ101が乗車体験、102が展示車というか、おそらく過走防護用に置いているのでしょう。


IMG_71140078

腕木式信号機も残ります。


IMG_71210218


線路沿いは歩けるのでこちらも見てみましょう。

IMG_71350219

どうやらこの辺は午後順光らしい。


IMG_71430220

艶のあるおでこが見えます。


IMG_71540080

レールバスが走行しているのは2番線。
体験運転用にPC枕木への交換もやっていて安全対策が取られています。
いっぽう手前の1番線は荒廃してしまっていますが、将来的に綺麗にして、線路を切り替えながら走ることも目指しているそうです。

IMG_71660222

駅に戻ってお客さんを下ろします。


IMG_72080226

お昼休み。
レールバスは社内公開を予定していたそうですが、緊急点検とのこと。
レールバスは生き物のような機械で、機嫌が悪くなると微調整が必要なんだとか。
ブレーキの調子が悪いみたいなこと言ってましたね。確かに後半ちょっと制輪子がギリギリとビビっていました。江ノ電502みたいな感じ。


IMG_72190227


初夏の空気を運ぶ非冷房の窓たち。

IMG_72140088

点検中、触らなければ見ていいとのことなので眺めます。

IMG_72310090


まずはきちんとしたものを。


IMG_72350092

可愛い乗り物です。江ノ電よりずっと小さい。


IMG_72370231

床下が気になりますよね。見てみましょう。

IMG_72390094

チェーンが見えます。どうやら手ブレーキがついているらしい。
そしてワイヤーロープも見えます。これはクラッチペダルを捜査するためのワイヤーでしょうか。

乗ってて気付いて動画はないんですけど、野辺地側のクラッチペダルを踏むと七戸側のペダルが連動して沈むんですよね。クラッチ時代は野辺地側にあるのでこちら側を使って制御しているのでしょう。



IMG_72410096

こちらは七戸側の台車。台車というか単に二軸車なんですけど。2段リンク式走り装置という貨車で使う構造らしい。走行時の蛇行動を押さえて高速走行を実現する構造なんだとか。
でもどう作用するのか全然わからないですね。おそらくこのでかい張り出しが車軸に位置していて作用点に当たるのでしょうか。
1軸の車輪が回転する時の回転を抑える為に両側が吊るされているのだとは思うのですが、考えた人賢い……。


IMG_72450098

私もお昼にしないと。
昔の時刻表が駅に掲示されています。


IMG_72480100

タブレット閉塞の装置。

IMG_72490101

こういうとこにも電照式時刻表があったんですね。
全然汽車ないですけど。


七戸駅について調べていると、
とりあえずレールバスの情報は出てくるのですがご飯はどこで食べるのかという情報がありません。
車があれば七戸町内を回ったり、あるいは七戸十和田駅前の道の駅しちのへでご飯食べたりとかできるのだと思いますが。
いちおう、近くの交差点にファミマがあります。

IMG_5669

目と鼻の先に近くにそば屋さんが。
並んではいましたが、そば屋なのでそんなに待つことはありませんでした。


IMG_5666
厨房でそば打ちをしているお店で、
海老天ざる1000円、大盛りは+200円。

「エビが大きいよ」とメニューに手書きしてあってはみんなこれを頼むわけです。

打ちたてということもあってか、香り豊かなそばでした。


IMG_72500232

駅に戻ると、ちょっと気になる倉庫。
国鉄の鮮魚輸送用の冷蔵貨車、レサ5000という貨車のダルマらしいんですよね。

八戸駅に常備されて築地へ魚を運んでいた貨車だったようです。
ここは七戸町の農業倉庫がある場所のようで、
南部縦貫鉄道が農産物輸送に使われたことと、側線としてちょうどいい立地を考えると、手頃な保冷倉庫として八戸から鉄道を使ってここに運び込んだのでしょうか。
まぁ、東北の極寒でしょうから、どちらかいうと冷やすためというより冬場に凍らないように断熱された倉庫を求めていたのかもしれません。


IMG_72510102

七戸駅舎も眺めます。
部 が消えています。

IMG_72550103

会社としては南部縦貫という会社として存続していて、今もここは事務所になっているそうです。


七戸町内の公共事業の受託事業などが中心となっていて、わが町の鉄道からわが町の産業へと脱皮しています。こういう地盤があるからこそ、これだけのレールバスを保存していられるのだなとも思います。




IMG_72560233

さて、午後の部です。
乗ってみてまたクラッチの様子を見ていきます。
整理券販売のスタッフの方にはもう顔を覚えられ始めました。まいどーって。


IMG_72570104

反対側の挙動も見たくて眺めてみます。
やはりいい場所を取るのは難しい。


IMG_72600105

野辺地側のクラッチペダルは七戸側の動きに対してもあまり動いているように見えないですね……。


IMG_72630106

これが車掌の発車ブザー。
昔々の路面電車や路線バスで使われていた「とまります」ボタンを逆さにしたものです。
これを鳴らすと運転席にブザーがなって、発射合図となるわけです。

IMG_72660108

出っ張って生えているのは、前進・後進をしますランプ。さらに油温のランプがあり、問題があると光るようですね。


IMG_72690110

その左にあるのがレバーサーの台座。
どうやら前後進の切り替えはこのレバーからエアーで操作するらしいのです。


IMG_72720111

バス窓の車窓を眺めます。

IMG_72740112

二軸車はダン、ダン、ダン、と独特の音を発しながら走ります。
ヤカンのような部品がブレーキシリンダーです。こんなの見たことがありません。
ここに空気が入るとテコが上がり、ドラムブレーキ が掛かる仕組み。鉄道で主流の踏面ブレーキでもありません!

IMG_72750113


花と共に。


IMG_72840114

動画を回す合間に遊んで撮ってみます。



IMG_72990116

実にのどかでいい景色だ……


IMG_73290121

キハ102と。
切り文字ですが、昔はペイントだったような写真も見ます。


IMG_73350122

富士重工のプレート。



IMG_73370123

七戸方の運転台です。
こちらには窓下にもう一つボコっと何かが出ています。メーターのようですが、なんのメーターだったのでしょう。

IMG_73390124

こちらにはタブレットキャリアが装備されています。
タブレットといいましても色々あるので調べてみると、南部縦貫鉄道の閉塞は通票閉塞式(タブレット閉塞)とか票券閉塞式(スタフ閉塞の一種)とか書かれています。

色々調べると、もともとは中間に天間林駅(てんまばやし)という交換駅があって、七戸〜天間林と天間林〜千曳・野辺地とでタブレット閉塞をやっていたものの、貨物の廃止などで列車が激減してから交換設備を廃止して野辺地〜七戸の票券閉塞に変更したそう。票券というのはスタフの身代わりで、これを列車に持たせて最後尾の列車にスタフ本体をもたせることで閉塞を実現します。ということで最晩年は票券と通票を使った続行運転をやっていたとか。
なのでどちらでもこのキャリアは使用したのでしょう。中に詰めている玉の形が違っただけといいますか。


IMG_73460240

機器を明るくしたもの。
タブレットキャリアに玉が入っていますね。
左手のスイッチ類も野辺地側と少し違います。
こういうのはちゃんと記録するべきでしたね……。



IMG_73480126


あっという間の2往復。


IMG_73530171

エンジンが止まっていたので再び撮影。
ISO感度の設定がいつの間にか(多分タッチパネルの誤反応)100固定になっていたのに気づかず。あーあー。


IMG_73540127

もうちょっといいかな、
ライトついてる時に設定見直せばよかった。


IMG_73600128

日の周りが変わってきたので少し撮影



IMG_73650129

おでこの光のあたりがマイルドになってきました。


IMG_73870174


この花と絡めて撮ってる人多かったですね。




IMG_73900132

社紋は南部縦貫になった今も同じです。





IMG_73970133

軽やかにディーゼルエンジンを蒸します。
3速に入れる運転は午前中だけで、
午後は2速まだでエンジンをぐーんと回す運転が多いように感じました。

IMG_74020135


102の床下を観察。これは七戸側から野辺地側を見た図。
黒い部品は排雪器の取り付け台座です。


IMG_74070137

2段リンク式走り装置です。
後で調べてて知ったんですけど、防振ゴムがついているんですね。あくまでも旅客車と。


IMG_74080138

エンジンのある方を見ます。
車体裾にエンジン関係の部品が並んでいます。


IMG_74140140

野辺地方、ブレーキシリンダーとドラムブレーキ 。



IMG_74150141

チェーンがありますがいわゆるパーキングブレーキのようです。あまりよく見えませんでしたが足元にペダルがあるのかな?

IMG_74210179

かなり人気のイベントで初日の5月4日はかなり混雑したと聞きますが、5日に関してはのどかな風景でした。



IMG_74220180

この先が道路で線路がないとは思わないような賑やかな感じ。
森の効果も大きいですね。


IMG_74520182


イベントも終盤。
白煙をあげてがんばるレールバス。



IMG_74540183


リベットもういてきていい光線の時間帯ですね。


IMG_74680188

私はひたすらエンジンの周りを見ていました。
結局どれが機械式変速機だったのか。これは七戸側のエンジンですが、逆が駆動軸。なのに写真がない。なんて愚かな……。



IMG_74690189


定期券をお求めの方は車掌までお申し出ください。
そう、こんな車でもツーマンカーだったのです。時代だなぁ。

IMG_74750190

ランプも光っていたので記録してみます。



IMG_74770191

ラストランでは車掌をやっていた方が涙ながらに将来の展望を語ります。
5月5日は南部縦貫鉄道が休止になった日。
ここには当時集結した鉄道ファンもいて、車掌さんもその1人とか。いまでは線路や車両の整備をやっているとのこと。
ぼったくり価格のグッズが運営費用になるので買ってください!とのことでした。

パンフレットと切符を買ってしまいました。
模型はね…悩んで辞めてしまいました。


IMG_74780192

光線も変わってきたので車庫の中を。

IMG_74790193

機関車も緑に照らされています。

秋に撮影会があるようですが、その時は出てきてくれるんでしょうか?



IMG_74880196

カラカラと回ってあるのはなんでしょう。
これ発電機ですかね?



IMG_74890197

最後、車庫にしまう前に無人の時間があったのでちらっとみてみます。


IMG_74930199

こちらが七戸方の運転台。


IMG_74950200

こちらが野辺地方の運転台。

IMG_74980201

なんと、野辺地方の客室にATS車上装置が!
どうやら、踏切用にATSを装備しているのだと思います。



IMG_70310056

野辺地方のドア下に車上子。
これをもう少し記録するべきでした。

もっとレールバスを詳しくなりたいですね!
のちの世代にあたる和歌山も栗原も行ってみたいです!


IMG_75070204

車庫にしまわれるキハ101。

IMG_75060203

4番線へ転線します。


IMG_75150205

車庫が開けられ、中に入っていきます。

IMG_75220206

キハ104と連結して留置されるようです。


IMG_75290207

収容完了。



IMG_75430162

展示物のエンジンです。
日野自動車から寄贈されたものだとか。

IMG_75450164

DS50という形式。


IMG_75410160

こちらも同型とのこと。

IMG_75460165

DS10というらしい。

レールバスのものはDS90というらしいですが、なんか性能が違うのか構造が違うのか。


IMG_75480167

後ろにはポイントとかありますが撮り忘れちゃいました。


IMG_75500169


車庫に人が集まっているので、静かな七戸駅のホームです。


IMG_75510170

駅舎。

IMG_75540145

駅の資料が保存されています。


IMG_75530144

気象通告板です。



IMG_75550146

タブレット閉塞器は昔のダイヤのもの、
列車時刻表は減便ダイヤ後のもの、
そして票券箱もあるんですかね?


IMG_75580148

七戸駅駅舎全景。

昼間にはレンタサイクルも集結していましたが、
帰った人も多いようですっきりしています。

後ろの用事があるので一足はやくタクシーを呼んで待ちます。


IMG_75640151

キハ102の収容は桜と共に。

タクシーでは「どっからきたの?」「神奈川から〜」って話を。

青森県には横浜という名前の町があるので気をつけなくてはなりません。


IMG_75760156

新幹線まで時間があるので、道の駅しちのへに寄ります。

IMG_5697

そばソフトクリームと、道の駅カードを購入。
なめらかな蕎麦ソフト。香りがするわけではないような。
さっき食べたそばがとても香りが良かったなぁと思い出しました。


IMG_5699

七戸十和田駅です。

IMG_5695
七戸は馬の産地なのでか馬がシンボルマークらしい。


IMG_5692

こういうの北海道新幹線たくさんありますよね。




IMG_5693

駅生花です。





IMG_5702
グッズ買ってくださいって言われたから買ったわけです。
見てにんまりします。

IMG_6092
お菓子屋さんがテント出していたので買いました。



IMG_6094

いわゆるかりんとう饅頭ですね。
魚焼きグリルで温めていただきました。


IMG_6086

レールバスの形の箱に入ったお菓子のセット。
カマンベール饅頭とか、野菜を使った饅頭とか、いろんなお饅頭がありました。




IMG_75860143

さぁ、はやぶさで新青森へ向かいます。


この日のレールバスの様子はハンディカムで記録してまして、
動画編集してみました!ごらんください。




いやー!レールバスは機械だけではなく運転のスキルなども含めた動態保存であることを感じだとともに、七戸って新幹線の駅と道の駅のおかげでかなり車持たなくても観光しやすい場所になっていると思います。

いいものを見せてもらったと思っています。
皆様ありがとうございました。