ケーブルカーに乗ります。
駅の入り口にガルベの広告がありますが、これも見納めとなりますのでしっかり記録する必要があります。
ケーブルカー
いい看板ですよね。
こちらが黒部ケーブルカーです。
トンネルの中を進むケーブルカーです。
なかなかクラシカルな外見をしています。
車体は昭和44年汽車会社製で、開業時から使われているものです。
そもそもトンネルの中なので、リプレースとか大変そうですよね。
巻上機は日立製作所が製造。箱根登山ケーブルカーの戦後最初の構成と同じです。
階段の角度とケーブルカーの車体角度が少しずれているので、
目の錯覚を起こしやすいです。私転びました。
直吊式架線にパンタグラフは一つです。
ケーブルカーのパンタグラフには色々な役割がありますが、
この場合はサービス電源の直流100vを供給していることが多いです。
架線が2本あるタイプのケーブルカーの場合、もう一本は通信ケーブルです。
おそらく無線を使っているのでしょう。
車内の銘板です。通路の怪談にしゃがみこんでいる人がいて身動きがとれない……。
なんとか先頭を抑えました。
トンネルを通るケーブルカーゆえに貫通式なんですね。
動き出しました。
よく見るとトンネルの壁面にケーブルが張り巡らされています。
おそらくですがこの中のどれかが漏洩同軸ケーブルという無線通信のアンテナになって居て、
ケーブルカーから無線を受け取れるようになっているのではないかと推察します。
立山黒部貫光20年史を見ても微弱電界方式の信号無線装置と書いてあるので、3m以内の無線通信ということでそういうことを言っているのでしょう。
対向車とすれ違います。
運転席の様子を撮り損ねてしまいましたが、ブレーキはレバーがついていました。
おそらくは箱根と同様ギーセライベルン式を採用したのではないかと思われます。
ギーセライベルン式制動装置はケーブルのゆるみを検知してクラッチが作動し、車輪の回転力を使って制輪子を抑える制動装置です。
テオドアベル式のようにペダルを踏むとバネの力で車輪を挟む制動方法だと、
止めた後に復旧が難しいためトンネルの中で旅客を下ろして運行再開することになります。
おそらくはトンネルで立ち往生を防ぐため、
緊急停止した後も緩解して駅に戻れる構造になって居るのではないかと思います。
黒部平駅に到着。
立山黒部貫光ではこの定期・臨時を示す表示灯がついていて、
増発時にそう分かるようになっています。
撮影は上の方でやってくれと言われたので。
両方の顔を抑えとかないと。
次は立山ロープウェイです。
ロープウェイの説明です。
ブレちゃった。
索道あるある、香ばしい看板ですね。
では、ロープウェイに乗車します。
死重らしいコンクリート片がたくさん並んでいます。
搬器は実績豊富な大阪車両工業製。
トロリーバスと同じです。
黒部平駅を出発。
環境に配慮して中間に支柱のないロープウェイとなって居ます。
見事な絶景。
あっという間に到着。
支柱はシンプル。軽量化のためですかね?
大観峰駅です。
はい。絶景。号泣してしまいました。
さっさと諦めてトロリーバス乗り場へ向かいます。
厳冬期にもロープウェイを保守している人たちの記録がありました。面白い……。
トロリーバスの記念展示です。
立山トンネルは開通当初ディーゼルバスが走っていました。
その後1990
立山トンネルトロリーバスについての説明がありました。
また外が見える場所があったのですが…
天気……。
支索と曳索を説明している模型です。
いろいろなロープがあります。
支索と対になるのが平衡索、あとは救助索はゴンドラに救援に行けるようにジップラインのような救援装置をつるすためのケーブルですね。
黒部ケーブルってなに? 後ろの解説をもっとよく読んでおくべきでした。
トロリーバスの時刻表もこれが最後です。
やってきました。トロリーバス。
音を出して動いているところは大観峰の方が撮りやすかったのですが、
気付かずサッサと並んでしまいました。
ここで1本見送って撮影してから乗ればよかったかな。
臨時便で室堂へ向かいます。
前ドアは乗務員扉で客用には使いません。
ここは関電トロリーバスと異なるところですね。
うしろのレトリーバーとトロリーポールです。
ブレーキランプがついています。ライトの構造も関電と少し違っています。
関電の場合は後部標識灯がオレンジなって居ましたが、ここでは赤のように見えます。
後退するときは標識灯が必要なのでしょうか。
狭くてお顔がよく見えません。
トロリーの様子がなんとなくわかれば。
お顔を辛うじて記録。
もともとディーゼルバスだったせいか、ウィンカーもあるように見えますが。
ここは関電との違いでしょうか。
(後で知ったのですが、登山道へ向かうための雷殿駅という途中駅が2年間だけ営業していて、そのためのウィンカーだったらしい。現在は登山道の崩落を受けて廃止されてしまったとのこと)
よくよく見ると駅の架線は剛体架線ですね。
全般検査施工 R9年2月とあります。
一般的に鉄道車両の検査周期は6年(最近では機器更新などで8年周期になっているケースが一般的になってきましたが)
これが!
トロリーバスの車体接地用の鉄球です。
モノレールなどの件でひたすら紹介しているゴムタイヤ駆動鉄道の車体接地設備のひとつ。
ドアが開くとワイヤーが緩んで地面に鉄球が落ちます。これがつくことで車体と地面の電位差がなくなり、乗降客の寒暖を予防するという仕組み。
軌道がなく、架線集電する乗り物だからこその装備ですね。この条件を満たす乗り物ってここ以外にないのでは。EVバスも電池の負極にあたる場所と車体に電位差がなければ接地は必要ないですもんね。
サボです。
運転席です。
こちらは関電300形と同じような作り。
スイッチ類。
右側のコンソールも大体おんなじような雰囲気。
信号が青になり、発車します。
青で照らされているのは破砕帯。
立山トンネルで最も難所であった場所です。
信号場に来ましたが、臨時便だったため交換はありませんでした。
場内信号が青く光っています。
右は車庫で、左が室堂駅のホームです。
なんだかスターツアーズを思い出すような構造です。
窓上に赤いランプがついています。これは後部標識灯で、続行運転の編成の最後部車両が掲示するものです。
社名も掲示してあります。
きちきちっと止めてあったのでやはり撮影が難しい。
これが精一杯。
トンネルが浅いのかトロリーポールもかなり寝ています。
ドア向こうのバスの発車を見送りました。
無軌条電車のヘッドマークらしい看板。
大観峰駅のロープウェイのようにトロバスのペーパークラフトらしい模型が展示されていました。
トロリーポール先端のコレクター、その集電部分のカーボンスライダーが展示されています。
炭素は電気を通すので、パンタグラフのスリ板の部品として使われています。銅を使うこともありますが、誘導無線を使う会社だとカーボンの方がいいだとかいう話も聞きます。カーボン製スリ板は架線と擦れて摩耗し、その粉が屋根につくことで電車の屋根を汚すことは江ノ電の例を見ればわかるかと思うのですが、トロリーポールの場合は車体の後ろにあるので、これで車体そのものが汚れることは無いんですよね。
トロリーバスの架線のポイント部品です。
スプリングポイントのような構造をしています。
スライダーが凹の形をしているので、内側の溝を通過させるパターンと、両脇を挟み込んでいるパターンとで定位・反位を使い分けているようですね。
架線好きのあなたへ というコンテンツまで用意してくれている親切制度。
もう少しアップしましょう。
トロリー線は剛体架線の支持方法を再現した模型でしょうか。
もういちどコレクターをアップで。
スタンプもありましたがボロボロでした……。
訪問日の10月5日は翌週が鉄道の日という時期。
電気バスは自動車。来年からは9月20日の「バスの日」となります。
歴史的な瞬間に出会いました。
乗車の様子はニコニコ動画にアップしました。
東芝のインバーター制御の音、そしで電流計がアクセルワークでピコンピコンと動く様子をお楽しみください。
室堂駅からは高原バスに乗って美女平まで向かいます。
これも専用道路で、ツアーバスなどの車を除けば立山黒部貫光の路線バスが走っています。
もともとはこの先の立山ケーブルカーとともに立山開発鉄道と言う会社でしたが、現在は統合して消滅しています。
やっと座ったリクライニングシート、まぁ、意識がもつわけなく……。
富山を目指して立山へ向かいます。
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