いよいよ江ノ電の新型車両、700形の運行開始が予告されました。
4月3日には、鉄道友の会向けに見学会も実施されました。
※当日の様子は19日の運行開始とともに公開したいと思います。
一方で、置き換え対象となる1000形の去就が注目されています。

1001なんかは一時期、車内広告が全て撤去されたり。

まぁこれも、広告を外すというより雨漏りの対策が必要だった様子に見えるのですが。
これ、せっかくの機会ということで撮りましたが、
真ん中についているのが送風機で、両脇についている四角い網目がエアコンの吹出し口です。
この吹出し口は元は普通のルーバーで、そこに拡散板という部品を後付けしています。
これは国鉄113系が冷房改造されたとき、局所的に冷風が効きすぎて寒いというクレームが生じ、大船工場が試作して取り付けたものなんだとか。
「大船工場50年史」によれば、もとは昭和61年に、東海道・横須賀・総武快速線の全車に取り付けたものだそう。
それが、何らかの理由で江ノ電に転用されたようなのです。
これ、国鉄のレベルだとどこまで普及したのでしょうね。西日本や長野、新潟の国電にも普及したのでしょうか。
さて、話題が逸れました。
1000形はまだまだ元気に走れそうな気もしますが、雨漏りのような天井から水漏れする事案が起きてるみたいで、日常的に応急処置を施しながら走っている印象も受けます。
この電車たちをどのように記録していくか、悩んでいたのです。
そして、やはり特徴になる走行音を記録しておかねば!と思いました。
1000形は吊り掛け駆動であるために、床にマイクを置いてモーター音を収録するという話はよく聞きます。
私もやったことあります。
しかし電車の音とはモーター音だけではありません。
もっとさまざまな音、空気を記録しなくては、と思ったのです。
そこで、密着録音から録音の方法を変えてみることにしました。
バイノーラルマイクというものをご存知でしょうか。
一昔前に流行った「ASMR」を録るマイクです。
ASMR、やりたいですよね。
ASMRに必要なのは、マイクだけではありません。
あのASMR音声がなぜこそばゆいのか、それは右耳から聞こえる音と左耳から聞こえる音を忠実に再現しているからです。
たとえば左耳は、右側から聞こえる音が頭によって遮られています。
人間はそういった音を耳たぶの複雑な形で反響や反射音を拾うことで、どこから音が鳴っているのかを検知することができます。
したがって、大事なのはマイクではなく、人間の頭、耳の形を再現することにあるのです。
そこで登場するのが、ダミーヘッドマイクというもの。
ご覧くださいお値段140万円
305のサボが30枚ぐらい余裕で買える金額です。趣味で出せる金額ではありません。。そこで今回、代わりのダミーヘッドとして、
きうじの頭と耳を使おうというわけです!
マイクだけなら1万円そこらですからね。
あの頭には140万円の価値があるのです。
私の頭にはそこまでの価値はないかもですけど…。
こちらのバイノーラルマイクイヤホンというものを耳に取り付けると、耳の中はイヤホンになり、外は音を拾うマイクになります。
これで音を拾います。

あとはこんなふうにイヤホンをレコーダーにつけて収録するだけ。
しかし日中は観光客、朝夕は学生、夜はビデオ通話の外国人、とノイズがたくさんあるので、なかなか綺麗な音が取れません。
しかも私はだいたい22時くらいまで仕事をしているので、音声を録れる列車は23時台に限られます。
そこで82レを選んだのですが、
最終列車というのは、特に金曜日は浮かれた人が多くて話し声が多いことがあとでわかりました。
でもそれも空気かなと思って収録を続けることにしました。

こんなふうに運転席の後ろに陣取ってみます。
足元からはモーターの音、右上から放送の音、左から発車ブザーのプーという音が聞こえるわけです。

1002と1201では音が違って聞こえます。
もちろんキャリブレーションがイマイチというのもあるのですが。
主電動機にブラシという部品があります。
回転する電磁石に電流を流すための接点みたいなものです。ここが摺動することでキィィィィンという高音が出るのですが、1201はシャリシャリしていて、1002は澄んでいます。
1101は低速時の唸りが他の車よりも目立っていて、低速映えします。
1001は力行の音が他の車より静かな気がします。もしかすると相方の305が影響してるのかもしれないので2000と組んでる時にまた録音してみたいですね。
そんな成果を動画にまとめました。
1000形の走行音です。
夏が来る前に吊り掛けの走行音を撮りたいと言いながら
あまりに忙しく時間だけが過ぎてしまいまして。
ようやく3編成収録できました、という状況です。
この動画をニコニコ動画であげたのには理由があります。
ニコニコ動画は「ボカコレ」というサービスを展開しています。
これは、ボーカロイド作品の多いニコニコ動画が公開している音楽再生アプリで、
ニコニコの動画を無料でバックグラウンド再生できます。YouTubeだったらバックグラウンド再生は有料じゃないですか。ボカコレだったら、スマホで作業しながらでも耳は江ノ電1002のブラシのキィーーンって音に包まれていられるわけです。もっと江ノ電を身近に感じる生活を社会に提案したいという志を持ってお送りしております。寝る前に聞いてもいいかもしれませんね。
色々と夢はあります。
腰越で、抵抗制御の熱を感じるところから音を感じる動画を作れないだろうか、とか。
あとは列車の体験そのものの記録とかですね。
たとえば、同じ電車にこのマイクをつけた人が何人か乗る。
そうすると、37分の旅の音はそれぞれ違ってくるはず。そういう立体的な音の保存というか、もうちょっと雑な言い方すると「音のストビュー」みたいなこともできるんじゃないかな。
こういうの、夜行急行とかある時代にやってみたかったなぁ。カーペットカーの頭にガタガタと響く線路の音、みたいな。
あもは長電のゆけむりみたいな連接車でもやってみても面白いかもしれませんねぇ。
あとは深夜の登山電車。やってみたい…!
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