関東の皆さん、浜離宮に行ったことはありますか?

場所は築地というとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんね。
新橋駅から海側へ少し歩いたところにある日本庭園です。
ゆりかもめから見える広い庭園と言ったほうがピンとくる方が多いでしょうか?
旧江戸幕府の将軍の庭園として、また天皇家の庭園として使われたのち、
現在は東京都が管理する公園として開放されています。
その由来ゆえの広大な土地は、まさに都会の中のオアシスとして
大きな存在感を放っています。
ただこの魅力、いまいち伝わらないのがもどかしいところで。
日本庭園のある公園は全国に数多くありますし、
恐らく学校の遠足などでいった経験のある方も多いと思います。
しかし、私には当時とても退屈に見えましたし、
中には走り回って遊ぶとかザリガニを捕まえて遊ぶとか、
そういう記憶を持ってる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は日本庭園は、もともと主が接待をしたり、あるいは権力を自慢するために作ったもので、
カメラなど普及するずっと前から、写真映えするような景観を作ることが注力されてきました。
なので、風景写真を撮るだけでも、かなり整った写真が撮れる、
江戸時代からのインスタ映えスポットと捉えることもできると私は考えるわけです。
今回は、日本庭園の見方が分からない人をターゲットに、
この浜離宮を例にとって、その見方、楽しみ方を紹介したいと思います。

・池泉回遊式庭園の構成
池泉回遊式庭園は、名前の通り、池を中心として、取り囲むようにぐるっと園路があり、
眺めて回ることで風景の変化を楽しむ庭園です。
そこには茶屋と呼ばれる、接待のための建物が設置されています。
このように自然と人工物の組み合わせによって風景が作られています。

この日は確か2018年の1月、東京に雪が降った日。
大学の帰りにフラフラしていたのですね。
ということで、庭園をふらふらしていきましょう。
・建物の作りこみを楽しむ。
庭園の中には、お茶屋と呼ばれる小屋のような建物が点在しています。
(数や大きさは庭園によりますし、武士や寺の持ち物によっても変わってきます。)
茶屋といっても茶店ではなく、休憩所として利用したり、
接待の場として利用したりする建物です。

こちらは当時浜離宮に復元されていた、松の御茶屋です。
ガイドツアーが行われている日は中に入ることが出来ます。
戦災によって焼失した御茶屋は、考証をしっかりした上に、
絶滅寸前の伝統職人を集めて復元され、現在は厳重に管理されているようです。

この御茶屋に入れるのは特定の日だけなのですが、入れるようであれば注目していただきたいのは窓。
お寺の庭園に面した部屋でもそうなのですが、
茶屋というのは接待の場所なので、
当時眺めたであろうアングルを探し、正座をして、窓の外を眺めてみます。
正面に山が見えるように作られているのが分かります。
冬の日差しの低い時期に、水面の反射光がゆらいで鳥が羽ばたくように見えるという細工がされています。
動力も使わずに動きを表現する。着想に驚かされる飾りです。
・眺める高さを変える。
池泉回遊式庭園は、池を作る際に掘った残土を使って山を作ることがあります。
この山は残土処理として利用されるほか、庭園を見下ろすための高低差を作っていることもあります。
山登りは面倒ですが、上ってみましょう。

↑下からのアングル
↓上からのアングル

茶屋は中で客人を持てなしたり、主人がコレクションを自慢したりするほかにも、
その屋根を特徴的にすることで、建物そのものを美術品としてとらえる効果があるのです。
別の山から見下ろしてみると、破風がもりもりになっているのが見えたり。

池の中心にある下から見ると普通の建物に見えます。

↑横から見た図
↓上から見た図

中島のお茶屋はジグザグの構造をしていて、光を反射してユニークな陰影を写します。
このように、周って、あるいは登って、様々なアングルから対象を眺めるのが、池泉回遊式庭園の楽しみ方なのです。

背景が空か、緑か。
近くか、遠くか。

カメラを構えて写真を撮る時も、ぜひ何歩か歩いてみてちょっと違うアングルで撮影してみると、
ビビッとくるものに出会えるのではないでしょうか。
・おまけ
・眺める高さを変える。
池泉回遊式庭園は、池を作る際に掘った残土を使って山を作ることがあります。
この山は残土処理として利用されるほか、庭園を見下ろすための高低差を作っていることもあります。
山登りは面倒ですが、上ってみましょう。

↑下からのアングル
↓上からのアングル

茶屋は中で客人を持てなしたり、主人がコレクションを自慢したりするほかにも、
その屋根を特徴的にすることで、建物そのものを美術品としてとらえる効果があるのです。
別の山から見下ろしてみると、破風がもりもりになっているのが見えたり。

池の中心にある下から見ると普通の建物に見えます。

↑横から見た図
↓上から見た図

中島のお茶屋はジグザグの構造をしていて、光を反射してユニークな陰影を写します。
このように、周って、あるいは登って、様々なアングルから対象を眺めるのが、池泉回遊式庭園の楽しみ方なのです。

背景が空か、緑か。
近くか、遠くか。

カメラを構えて写真を撮る時も、ぜひ何歩か歩いてみてちょっと違うアングルで撮影してみると、
ビビッとくるものに出会えるのではないでしょうか。
・おまけ
じつはここには浜離宮だけの特徴があって、
浜離宮って汐入の庭園で、東京湾の潮の干満と池の水位が連動しているのです。
浜離宮って汐入の庭園で、東京湾の潮の干満と池の水位が連動しているのです。
時間帯によるカラクリがあるのです。

したがって、池に沈んでいる岩石も時間帯によっては出てきます。

季節によって花も変わります。

そして歴史を重ねて変わらないものもあります。

そんな、コンクリートジャングルの別世界。

したがって、池に沈んでいる岩石も時間帯によっては出てきます。

季節によって花も変わります。

そして歴史を重ねて変わらないものもあります。

そんな、コンクリートジャングルの別世界。
こういう仕組みを使ったテーマパークがあるってことにお気づきいただけましたか?
そう。千葉県浦安市の東京ディズニーシーです。
海を中心に、限られた空間で広大な世界観を構成するために、このような視覚のトリックをたくさん使っていると私は考えているのです。
遠足のなかで回ったので、あまり回れていないこともあり、
具体的に言うと港町の電車のエリアしか出せないのですが…。
中央にある火山を様々な角度から見ることで風景が変わってきます。

それは浜離宮でいえば御茶屋にあたる、構造物の違いが風景を変えているという点と、
そもそも山の形状が立体的に考えて作られているというところにあると考えられます。


望遠レンズの圧縮効果で、山と電車の距離が小さくなっているように見えます。
カメラで捉えるともっといろんなアングルが出てくるでしょう。
火山側から電車を見るとタワーオブテラーが見えますが、
こちらも高さを見せるために遠近感を持った建物で、
かつ電車の終点が見えないようにカーブした線形になっていることが分かります。
したがって実際より奥行きがあるように見えるのです。

このように、写真映えしそうな場所から見えるものを計算して縮尺を作ってあるところが、
御茶屋の作り方に通じるものがあると考えています。
また、アメリカンウォーターフロントを眺めるときも、
船から電車の線路を見るときと、電車から船を見るときで、
同じ池を見ているのに、あたかも別の海を見ているような気分になります。

SSコロンビア号の甲板からの眺め

エレクトリックレイルウェイからの眺め
奥に東京湾が見えるのは借景の技術です。
これだけ狭い空間なのに世界観はとても広い。
これはまさに現代人が生んだ池泉回遊式庭園なのです。
・・・という話をリア友にずっと話しているのですが、
なかなか理解されず。
皆さんはどう思います?





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