羽田空港から東京モノレールに乗ります。



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モノレールの車窓、なんというかほかの東京とは違った未来感があっていいですね。


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大きな車窓には運河がよく見えます。

モノレールと並走していた高速道路は1964年に合わせて作ったもので老朽化が激しく、リニューアルされてすっかり景観を変えてしまったようですが…。

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開発が進む浜松町のなかで、こんもりと緑の盛られた土地があります。


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ここが芝離宮恩賜庭園です。

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池泉回遊式庭園です。
嘗ては大きな御殿などもあったようですが、関東大震災や戦災で崩壊し、
現在は地形のみが遺されています。


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この庭園の特徴は、池泉回遊式庭園ですが、
浜離宮に比べると、岩石の多い庭であることが分かります。

岩石を見るうえで重視しておきたいところがあります。
それは質感。
ツルツルしている、ゴツゴツしている、ブツブツしている、いろんな石があります。
これらの石は産地が異なり、
船にのせてここに運んでくることになります。
諸国の様々な石を集めてくる。
これが財力や権力の象徴なのです。

このように、金ピカで飾るのではなく、
石の種類でアピールする。
これが現代でいう「マウンティング」のようで、ニヤニヤしながら庭を回るわけです。

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また、浜松町のオフィス街も近いので、
高層ビルとのコントラストも楽しめます。

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根府川山と札がついていますが、
この庭園を作ったのは幕府の老中、大久保忠朝(小田原藩主)。
地元の石を使って地元の風景を作ろうとしたんですね……。
近世日本は小国家の集合体ですから、異国情緒といったところなのでしょうか。東京ドイツ村かな


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カメの頭のようなに岩を配置した島は、亀島と呼ばれるものです。


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全方位を高層ビルに囲まれた世界は、
なんというか、これぞTOKYOというもので、
私はこの時代変化が気に入ってます。
変わらないよう維持されている庭園の背景は目まぐるしく変わっていくのです。


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島の上にゴロゴロと乗る石。
かつて芝離宮は江戸湾と繋がっていたため、干満の差を利用して石が水に沈んだり、顔を出したりするのを楽しめるような仕組みになっていたのでしょう。
だから上に向かって尖った石が多く配置されているのかなぁと思いました。


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石の山の周りをぐるりと回ります。
山は池を作る時の残土処理につかわれますが、
庭園全体を見下ろせる場所、展望台としての役割も兼ねます。


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またこのように、池には水面に近い場所と遠い場所があり、回ることで目線を上げ下げしながら庭の各所を見て回るのです。
その中にフォトジェニックがあるわけです。


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芝離宮は特にこの山のアップダウンの構造に力が入ってると感じます。
起伏が激しく、浜離宮よりも立体構造へのこだわりを感じるのです。


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たとえばこのように、
山の間に切り通しがあって下を見下ろせるようになっているとか。


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あるいはかなりの高所に橋がかかっているとか。


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高いところから水面に降りる階段。
サギが魚を狙っているようです。

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背の低い部分は美しい水鏡を作ります。
また背後に緑を配置することで背景が空と馴染むようになって自然と庭が一体化するわけです。
今はビルですが、このビルの威圧感を森が和らげていますね。


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すこし引いて撮影すると、こう。
手前に島があります。
するとここは、
海から陸地を眺める構図になるわけです。

さぁ、歩いて少し位置を変えましょう。


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さっきの東屋が島影に隠れ、
屋根だけをちょこんと出しています。
この島も、芝生ではなく岩を配置することで、
岩石でできた江ノ島のような作りに見せかけています。
ここでは大河の向こうに屋敷が見えるような情景に変わるのです。

同じものが、これだけ違って見える。
よく頭を使っているものだと感心します。

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西湖の堤
ここは中国にある風景を再現したものです。
東武ワールドスクエアみたいですね。
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湖を分断する堤に橋が掛かっています。
背景は山に囲まれた静かな空間。


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アングルを変えるだけで奥行きが変わってきます。向こうにも湖が広がって見えますが、実はその湖は小さいのです。


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こちらがでかいから、向こうにも同じだけの広さがあると錯覚させる。

池の中に広い世界観を作ろうとするのが、
池泉回遊式庭園の魅力ですね。
もちろんそれだけの巨大庭園を構成することが必要ですが。


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そして庭園の中には小さな池もあります。

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大きな池の向こうに山があって、山が背後の視界を遮っています。

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低い目線からの風景を遮るということは、
この庭園を作った時、
きっとこの辺りに建物でもあったのでしょうね。
そこからお茶会をしたときに見える風景を、背景から徹底的に作り込んだということでしょう。
そして山に登ると、こんどはこちらの立派なお屋敷の全景が見え、屋根の装飾が立派に見えたことでしょう。
関東大震災で焼け落ちたという建物が気になるところです。


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ランドマークとしての灯篭もよいですね。

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目印にして歩いていると、視線誘導のアドバイスになると思います。

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じつはこの池、汐入の池だったのですが、
埋め立てに従って淡水の普通の池になりました。
池の底には、潮の干満を意識した意匠がみられ、その名残を見ることが出来ます。

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砂浜を意識した場所もあります。

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このように、ひとつの池が様々な風景を見せるのです。

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池の中にはたくさんの生き物がいます。

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いろんな種類の鯉が泳ぎます。

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錦鯉は一部の区画にたくさん集められていてそこが壮観です。


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ほかにも岩の隙間に小魚が隠れていたりします。


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他にもトンボとか虫が集まってきたり。

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そしてそういう虫や魚を狙って鳥が集まる。
ここはオフィス街のなかの貴重なオアシスなのです。

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ここの藤棚の下で文庫本を読みながらダラダラしている人とか見てると、
ああ、うらやましい……って、
ちょっと思ったりしました。

先が見えなくてぼやーっとしていた、大学生時代の思い出です。