11月中旬
藤沢市が妙な企画を始めました。
ふじさわ
市内の消防署14箇所を回るスタンプラリーです。
最初私もスルーしてたんですが、
母がこんなのあるよ!って言ってきて、
参加してみることに。
なんというか、乗り物マニアの「原点」に辿り着くような、素晴らしいイベントでした!
さっそくレポートしていきたいと思います!
消防車両の紹介コンテンツが藤沢市公式サイトにあるのでこちらもあわせてどうぞ。
はじめは鵠沼出張所に行きました。

・・・が!!!

なんと出動中で不在!!
イベントとはいえ、通常業務が優先と書かれていましたが・・・。
こういう今も助けを求めている人がいるわけですね・・・。
お仕事お疲れ様です。と、スタンプをポン。

江の島の狭い道を走行するための特殊な救急車が止まっていました。

そこからバスで、苅田出張所へ向かいます。
江ノ電バスの鵠沼車庫前から原へ。

ほんとうに「原」って停留所なんですよ。

表と裏でちょっと書体が違いますね。
なんか看板屋が描いたのか、昔の太いフォントが味わい深くて好きです。
苅田出張所に来ました。

ポンプ車、そして資機材運搬車が来ています。

救急車と消防団のポンプ車もいます。
消防団は本業を別に持ちながら有事の際は消防組織の一員として行動する部隊です。


ほかにも大小二台の車が。
完全に個人的な意見ですが、
ブラックフェイスのいすゞトラックってかっこいいですよね。

ここから本鵠沼駅まで歩き、藤沢駅へ。

藤沢市民会館へやってきました。
取り壊しが計画されていましたが、
計画の見直しが発表されました。
ここも役所建築としては立派なので、ちゃんと記録していきたいですね。
このうえはカフェになっていて、入口の食品サンプルの棚が昭和テイストで見事です。
いつかここで昼食を・・・と思っていたのですが、ここまでくる機会がなかなか無くて・・・。
この隣に、南消防署があります。
湘南台の北消防署と合わせて藤沢市の消防の拠点となっているところです。

ちょうど救助工作車が帰投してくるところでした。
バスのような大型車体です。

笛で誘導されながら大型の車体が車庫に収まっていきます。
消防スタンプラリーをやる傍ら、任務はリアルタイムに進んでいるのです。
出初式で見るよりも生々しい緊張感があります。

他にも車両が収まっていました。

支援車(人員搬送車)
21人乗り。

小型の消防車が居ます。
藤沢、とくに鵠沼エリアの道は狭いのがおおいですからね・・・

救急車も置いてあります。

裏手には50m級のはしご車が展示されていました。

ご覧の通り非常に大きいです。
横浜市や川崎市は30m級の消防車しか持っていないので、
藤沢市が持っているこの消防車はとても珍しいものです。
一部の例外を除き、市内のほぼすべての建物をカバーするはしごの到達能力を誇ります。
ただし、横浜と川崎はヘリを持っています。
100メートル越えの高層ビル相手にはしご車では力不足なのでしょう・・・。

車輪は4軸。カッコいい以外の言葉が出ませんねぇ。

後ろから。
スーパージャイロラダーと呼ばれる奴ですが、何ともリアはゴツいです。

回転軸が斜めになっています。
これを調整すると少しだけはしごを傾けることができ、
車両が水平でなくてもはしごを水平に調整することが出来るのです。

後ろの座席に、載せてもらいました!

座るとこんな視界になります。
はしごの先端からも操作ができるようです。

左右にボタンやレバーがあり、
ペダルを踏みながら操作をすることで動くという仕組み。
視力というか距離を測る能力が求められるとのこと。
また煙などで上空の視界が絶たれる場合は、はしごの先端から操作することもあるんだとか。

しかし、バスより大きい車体をとりまわせる場所は限られるので、
50mというのはなかなか使いづらい場面もあるようで。
出番がないことを祈ります。火の用心!!

青空のもとカッチョイイ姿を眺め、あとにします。

南消防署って史料館みたいなのを併設しているんですね。知らなかった・・・。

近藤邸から喫茶すかいはーとが閉店し市庁舎に移転しました。
毎日カフェとして使われていたのが、完全に無人になってしまったので、
今後維持管理がどうなってしまうのか、ちょっと不安です。

神奈川県の庁舎です。
庁舎建築って感じですね。
むかし戸塚区役所の建物も昭和の庁舎建築って感じだったんですがね・・・
取り壊されるって知ってたら撮りに行ったのになぁ
続いて、明治出張所へ。
辻堂駅の前です。

消防車フル点灯!この迫力をご覧あれ!
ここは藤沢市に1台しかない大型ブロアー車が配備されています。

そういえば前にメーカーの展示見ましたね・・・。
休日自衛隊湘南鎮守府@kyuujitujieitai
トミカで見かけるけど実車をみる機会はなかなかない「排煙ブロアー車」
2018/06/02 22:07:58
その役割と効果をメーカーさんが模型で分かりやすく紹介していました。
なお空気の漏れがある場合はそこに可搬式の小型ブロアーを持ち込むことで効果を得るんだそうで… https://t.co/JXjomKhTum
このような使い方を想定しているようですが、
悩ましいのは、ここで煙を排出すると酸素を送り込んでしまい、
燃焼を促進してしまうという副作用を持っていること。
消防の火消のやりかたを「消火戦術」と呼んでいるらしいのですが、
まだこの車を活用した消火戦術は確立されていないんだとか。
そのため費用対効果の面で導入自治体は少なく、
政令市で少しずつ導入が進むものの、本格導入は進んでいない模様。
今後の消火戦術の調査研究のために購入する藤沢市、
なんというか、ノブレスオブリージュの精神じゃないですが、
お金のある自治体なんですね・・・。
役に立つ日が、まあ来ないのが一番なんですが、
でも救える命が増えるとよいですね。

大型ブロアー車の特徴はやはり後部のファン。
アメリカ製で、エンジンで動きます。
聞いたらけっこううるさいんだって。

資機材が置かれていて、小型のファンも格納されています。

せっかくなのでぐるりと回って色々見てみましょう。



かっこいいですねぇ・・・。
カッコいいのにあまり使い道がないというのも悲しいところですが。
大庭隧道が近くにあるため、
トンネルでの災害発生時、排煙に使用することを想定して配備しているんだとか。




こちらのラックには防護服や、化学消防車が使う消火液などが入っているそうです。

これは化学消防用の消火液を散布する装置。
わっかになっているところから液が噴射されて泡になり、その後ろの網で泡状になる仕組み。
みなさんは、モノの燃焼条件をご存知ですか?
・燃える物質があること
・酸素があること
・発火点以上の温度であること
以上の3条件がそろって、燃えるものが酸素と激しく結びつくことで火が出ます。
今回、解説してくださった方に消火戦術について聞いてみました。
通常の消防車は、水を発射する装置を有しています。
これは、水で火元の温度を発火点以下にすることで火を消すという思想でやっているんだそうです。
だから木造建築とかだと、温度が下がりきらないと燻ってしまうので、
その後も監視が必要になったりするんですね。
いっぽう、工場火災などの場合、火元にあたるものは油だったりします。
ものによっては水と相性が悪いことで危険な場合があります。
油は液体では燃えず、揮発して気体になることで燃えます。
そのため、火元の液面を消火液の泡で覆って揮発を防ぐという消火戦術を取ります。
消火液というよりは泡散布が正しいですね。
こちらは化学消防車です。


今の消防車はバルブを開け閉めするのもタッチパネルで電子化されているんだとか。

放水銃を出したり、小さな台車でホースを持って行ったりできます。
そして屋根にも放水銃があります。これは歩いていくのが危険な場合に、
で近づいて上から放水銃で火元を狙うためについているそうです。

なぞの「自衛噴霧」の文字。
これがなんなのか聞いてみました。

消防車の側面に水のミスと散布装置のようなものがついています。
これで消防車の側面をミストで包み、消防隊員を熱から守るというもの。
労働安全なんて叫ばれていますが、安全じゃないところが職場ですからね、
ポンプにはついてないけど化学車にはついている装備だそうな。
いろいろ勉強になるお話を聞けてとても面白かったです。

辻堂の地図・・・もう新しいのにしてやれよ・・・。
ここからバスで西部出張所へ。
場所としては湘南ライフタウンでしょうか。


普段いるはずの消防車がメンテナンス中とのことで、
はしご車が南から助っ人出来ていました。

消防博物館にいるようなクラシックな車ですね。

ほかに救急車、

小さな車は車両紹介にもないんですが、
何をする車なんでしょう。指揮車?

大型のポンプ車がいました。
翌日
鵠沼をリベンジに。

いました!

ポンプ車です。
そして

水上バイク!!

この水難救助車で片瀬漁港の方へ牽引して、出動するとのことです。
藤沢はやっぱりいすゞの街ですね。

ウォータージェットで推進するため、
湖に災害派遣で行ったとき、インテークに浮遊物が絡まって大変だったとか。

江の島救急車も入っていました。

おしりも観察。
いやースタンプラリー、大変楽しいイベントでした。
景品には消防車を紹介するクリアファイルと、文具セットがプレゼントされました。
消防の仕事、火事ってホントは0件なのが理想ですけど、
明日来るか、一生来るかわからん災害のために投資をする、
それに市民の理解を得るってなかなか難しいんだそうな。
なるべくお世話にならないように頑張らないといけないですね。
この度は素敵なイベントをありがとうございました。
お仕事頑張ってください・・・!
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