湘南ライナーのグリーン車。
それは湘南電車から続く、東海道線の誇りであります。
特急型車両の置き換えにより、
一斉取り換えとなる、215系と185系
仮に転属が決まったとしても、
波動用となる185系のサロは廃車が濃厚と考えています。
どうにかサロの記録を残したい・・・
そう思った私は、
グリーン車に片っ端から乗るということをやり始めました。

しばらく乗っていると、内装に個体差があることに気付きました。
後世の185系研究の役に立つように、編成ごとの内装の特徴をまとめます。


恐らく普通車は皆さん色々撮っていると思うので、
今回は課金が必要+あまり回数を稼げないグリーン車に注力することにしました。

カネが勿体ないとは家族や知人のオタクに言われたんですが、
もともと緊急事態宣言下に深夜残業を繰り返し、
残業代も限界までもらっているので、
あとで稼げるカネと、もう戻らない185を天秤にかけたわけです。
絶対この記録が10年後役に立つんだ、って信じて。
18きっぷとグリーン券と、
「同一方向の列車には乗り継ぎ可能」というルールを精一杯悪用し、
6編成の調査を行いました。
各編成の特徴を、4号車から5号車に向かって紹介していきます。
まずはA1編成です。

185系のグリーン車は基本的に和式で、
クハが洋式化されています。
またグリーン車については、
4号車は和式に改装、5号車は洋式に改装、という改造が行われています。
グリーン車のトイレは中央の5号車さえ使えればよいという考え方でしょう。
では4号車のトイレから。

4号車は和式両用タイプの青い眺めの便器がついています。
ペダルを踏むよう注意書きがありますが、
ゴミを入れるなという注意書きがありません。
各車両のドア上には額縁に入った絵が飾られています。

この絵は様々な作者によって書かれていて、車両によって異なるようです。
廃車になった編成にもいろいろとついていたのでしょうか。

4号車はこの2枚。

デッキを調べていきます。

デッキから客室に入る扉はスモークガラスになっています。
左手前から奥に、車販準備室、乗務員室、
右奥から手前に業務用室、車販準備室、と並びます。

車販準備室には窓がないので中身がよく見えません。
カートや販売員の準備をする場所だそうです。

業務用室は窓があり、車掌が監視を行うのに利用していたようです。
車販準備室のこちら側は銀色の扉です。

5号車に来ました。
トイレ側の扉はスモークガラスです。

英語を併記したトイレ看板。

たしかに5号車は洋式トイレです。
ペーパーホルダーも洋式化に合わせて移設されていることが分かります。
田町電車区からのお願いシールが貼られています。
ゴミを流さないで、という旨のもの。

こちらがグリーン車の車内。
年末の緊急事態宣言下では通勤客が激減し、
わたしみたいなインフラ屋はグリーン券を買いまくって記録をしておりました。

絵が飾られています。

青い花と、馬の絵です。
作者がちゃんと書かれているので、解像度のある画像が欲しかったですね。

5号車デッキです。

5号車のデッキもスモークガラスですが、
透明な「グリーン車」の文字が入っています。

他の扉には特に違いがないようです。
こんな感じで、2021年3月改正まで残ったA編成全てのデッキとトイレを紹介していきます(マジキチ)
つぎはA3編成です。
なかなか乗れなくててこずりました。

4号車トイレ

漢字だけの便所

中を開けるとびっくり。原型ほぼそのままのグレーの和式でした。

そしてお願いシールはほかの車と違い、
田町車両センターのものになっています。

水栓は陶器で作られているものです。
この古めかしい蛇口はグリーン車でも珍しくない装備でした。
あんまり手を洗ってもきれいにならなさそう・・・というのは偏見?
便所の写真をアップしまくってるやつが言うなって話ですがw

スモークガラスの扉。
A3編成の特徴はこの左にあるグリーン車の札です。
他の編成にはこれついていないんです。
しかしバカなオタクな私、普通車にこれがついていたか確認しそびれてしまいました。
そりゃ睡眠4時間で仕事とライナー撮影を繰り返していたら、
頭のネジの一つくらい脱落するというもの・・・。
誰かデッキ撮影してないかな・・・?

4号車には花と踊る人たちの絵が。

デッキに行きます。

車販準備室の文字がありませんね。

銀の扉にもありません。

業務用クローズアップ。
丸い文字ですね。

旅客専務車掌の看板を外した形跡が。
ほとんど残っていないようです。

スモークガラスに透明文字です。

5号車に行きましょう。

このトイレは、英語併記で
JAPANESE STYLE(=和式)と書いてありながら、
中身は洋式ですw
このタイプの車両は何両か存在します。
たしかC2編成のクハもこんなだった気が。
何でこういうことが起こるんでしょうね?
更新工事の関係なのか、それとも貼り換えの関係なのか、
あとは更新の施工工場が違うんじゃないかとにらんでいたり。
まぁ、勘ぐってもわたしにはわからないのですが・・・。

中はこんな感じ。フツーの洋式です。
田町電車区からの注意書きがあります。
ベビーベッドを無理やり乗せてる感じがすごいですよね。

スモークガラスにグリーン車の透明文字が入ります。

5号車は湖畔の森の風景と、カゴに入った花の絵です。


デッキに行きます。

窓付きには車販準備室の文字がある一方
銀の扉には札がありません。

扉はこちらもスモークガラスに透過文字です。

グリーン車の札、確かこういうの田町の189とかにもついてた気がするんですが、
よくぞ盗り鉄に盗まれずにここまで来たものです。

普通車側の扉は波打った鉄線付きのガラスに白文字でグリーン車の文字があります。
もうちょっと平らな鉄線付きガラスの車もあるんですが、
勝手に開けて固定しちゃう人とかいたんですよね。
グリーンのトイレ使いやすいからですかね?うーん。
では、A5編成、行ってみましょう。


グリーン車と普通車って床の色がちょっと違ったりするんですよね。
当然、室内も絨毯だし。
あと
185系ってもともと床スイッチでドアを開けますが、
普通車はそれが撤去されて光センサー式になったので、平らな床になっています。
A5編成は4号車のトイレが英語併用

JAPANESE STYLEとあり、文字通り和式です。

しかしA1と異なり白い便器となっています。
またペーパーホルダーは透明なものです。

お願い看板は田町電車区です。

その下のお願いはアクリルではなくシール張りになっています。
更新時期が遅かったのでしょうか。

A5の4号車トイレ側扉は、
スモークガラスに白文字出グリーン車の文字。
今まで透過文字でしたが、こういうのもあるんです。


自動ドアは故障していました。

モンサンミッシェルとピサの斜塔が描かれています。

自社広告ばかりなのが情勢なのか・・・
元々何が掲示されていたのでしょうか。

ドア側扉は透過文字というね

乗務員室には車掌さんが乗ってるようです。
国府津で降りていくので割とこういうのは国府津で撮っていたというw
だってさぁ、こんなの挙動不審じゃんねぇ?


車販準備室をクローズアップ。クラシカルな国鉄フォントです。

銀扉にはなにもなし。

今時減ってきたくずもの入れ。
青枠がないですね。A1もそうでしたが。
5号車行きましょう。

ゴシック体の便所札が貼られています。
もうちょっと縦長の札が貼られていたようですね。
JAPANESE STYLEをはがして貼りなおしたんですね分かります。

中身は洋式です。

ロールん補充ができるタイプのペーパーホルダーです。

青いカーテン、古い蛇口・・・。
ながらとかどうしてたんだろう・・・。

5号車トイレ側はスモークガラス。

タージマハルみたいな屋根が見えますが、インドなのでしょうか?
そしてレモンと青い花瓶の絵。


5号車ドア側扉はスモークガラスに透明文字です。



4号車車販準備室は便所と同じように国鉄らしくないフォントです。
やっぱ施工工場が違うのか???

銀扉の方には国鉄っぽいアクリルプレートが。
お次は愛しのA6編成、写真が少ない!!

4号車はJAPANESE STYLE


A1同様の青い便器です。
グリーン車はペーパーホルダーが冗長化されていますね。

4号車トイレ側扉は、スモークガラス白文字。

白いバラと、赤い自転車の絵が描かれています。


デッキ側扉もスモークガラス白文字です。

窓付きの車販準備室には、テプラで文字が追加されてます。

銀扉についても同様です。

A6編成の乗務員室についている
「旅客専務車掌」の文字。
これがついているのはもう185系だけ?
OM09Mとかにも残っていたんですが。
かつては新幹線と同じように車掌がたくさん乗っていたんですねぇ・・・。

5号車に向かいます。
トイレ側ドアはスモークガラス無地。

5号車トイレは英語併記。

5号車トイレです。
三角形のゴミ箱がありますが、
これがほかの車だと銀色なのに対し、
この車はローズ色に塗装されています。
ゴミを入れないでくださいというお願い札もありません。

はがされた形跡がありますが・・・。

A6編成はいつかも言いましたが皇族を含めVIP利用を想定した編成、
何かその辺の配慮とかがあったりするんですかね・・・。

赤屋根の洋館はどこかで見覚えが・・・
山手の西洋館になかったっけ?
べーリックホールかと思ったけど違う。
ノートルダム大聖堂でしょうか。

A6といえば5号車にしか乗らなかったんで、
4号車の写真がなかったんですよね。

みんな大好き防弾座席。
4回くらいここで即位して帰りました。


5号車デッキ側ドアはスモークガラスに透過文字。


旅客専任車掌名札入れは撤去済み。

国鉄のっぽいフォントのドア類。

銀色の扉はテプラ文字になっています。

サロ185-11の防弾ガラスになっている5連窓、
窓枠の形状だけだと結構区別するの難しいんですが、
FLIR社製の赤外線サーモカメラを使って撮影してみると・・・

この通り、防弾ガラスを装備している部分の熱放射の具合が違うんです。
どうやらガラス以外にも色々仕込んである? 気になりますねぇ。
お次はA7編成です。

A7の4号車も英語併記でJAPANESE


青便器です。
ペーパーホルダーが他車と違って透明なものになっています。

4号車の絵は早春の野山、
そしてマグカップに飾られたパンジーです。

A7編成の4号車はデッキ側ドアに特徴がありました。

オレンジの色付きドアです。
OM編成ではこれが標準だったので、
更新時期がトップバッターだったのかもしれませんね。
24系がこんな感じだったような記憶があります。
北斗星のデッキで見知らぬ人とおしゃべりして、
ヒートアップして寝台の人に怒られた思い出・・・。

A3にあったグリーン車札の撤去痕があります。

白文字でグリーン車の文字。

業務用室はスモークガラスに透過文字というこれもまた珍しい仕様。

専務車掌の札は無し。

車販準備室のフォントは変わらないようですが、黒縁になっているように見えて違和感。
銀扉のアクリルプレートも存置。

更新時期が古いんじゃねえのかな・・・。

5号車のトイレも英語を併記しています。

お願いが田町車両センター表記になっています。
これをちゃんと撮らなかった・・・。
だいたいこの頃は緊急事態で出社も抑制されて電車が混んでなかったので、
トイレの写真パシャパシャ撮って去る人って人目に着く不審者なんですよね。

白い紫陽花と、白い子猫


5号車デッキ側扉はスモークガラスに透過文字。



この編成もドアのフォント類が整っています。

アクリルプレートはパキポキと割れています。
盗もうとした形跡・・・?
晩年、車番プレートと号車札が盗難対策に抜かれたのは悔しかったですね・・・。
そんな事せにゃいかんのかと。悔しい。

こんな感じで、
A7は見ごたえがある編成でしたねぇ~~~
次はA8編成です。

A8は最後の方よく乗る編成でした。
普段は死ぬほどA1とA6だったんで、
トイレ記録に目覚めてからの記録が充実してるのはこの辺って言うw

4号車トイレ側扉は、スモークガラスに白文字。

トイレの札は欠落してました。人通りが少ないから盗まれたか・・・?
5号車の様子と比較しても、またシール痕が複数あるところから見て、
恐らくJAPANESE STYLEだったのを更新で小さくしたのかな?

青便器、不透明ホルダー、塗装ゴミ箱に田町電車区の表記。

日本家屋と、
ベネチア・サンマルコ寺院。


4号車デッキ側扉はスモークガラスに透明文字。



この車販準備室も黒縁がかかっているように見えます。
錯覚なのかしら?

プレート残存。

5号車トイレはゴシック体の札に交換された形跡があります。
ここも縦長のJAPANESE STYLEだったのでしょう。

不透明ホルダー、田町電車区です。

5号車はフルーツバスケットと、花瓶の並ぶテーブル。


5号車デッキ側ドアはスモークガラスに白文字。
グリーン車札の代わりに
普通列車としてのグリーン車締め切りの案内が貼られています。


表記類は国鉄ぽいというかオリジナルっぽいものですね。

くずもの入れは青く縁どられています。

さて、こんな感じで、
A1,3,5,6,7,8 6編成12両のサロ185を観察してみましたが、
サロだけでもかなり特徴的な存在であることがお分かりいただけたかなと思います。

ほんとはもっと、185ありがとーー!ってタイミングで出そうと思ってたんですが、
記録に手一杯で、ついに185系の引退に間に合わせることはかないませんでした。
国鉄の遺産がどんどん消えていきます。
それは全国の車両工場が手がけていた車両改造の痕跡が失われることも意味するのです。
私はこの沼深き改造車たちのなかに、
大船工場のプロダクトが居ることをちょっぴり期待したり。
185オタクとしては新参なので足で稼ぎましたが、
本当は車歴とか詳しい資料と照らし合わせながら調査したかったですね。
参考資料があればぜひコメントとかで教えていただければ幸いです。
ちょっとまださよならとか言える気分じゃないんだけど、
月曜日に湘南号のグリーン予約してるんです。
そこでやっと、現実を見るのかな…。
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