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2021年11月22日追記: 
マイアミ製菓が、2021年11月11日付で横浜地裁から破産手続き開始決定を受けました。
↓帝国データバンクの倒産速報より

5月に閉鎖された公式サイトも、夏頃にはドメインが抹消された模様。閉店から破産宣告までの間に事後処理が行われていたようです。
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4月30日 22時ごろ
私のゴールデンウィークをひっくり返す、衝撃的なニュースが流れました。


「江ノ電サブレ」を販売してきた ラ・プラージュ・マイアミ(マイアミ製菓)が、4月末をもって突然の閉店。

サブレの味も増えて、色々と進化が進んでいたと思っていたのに、
老舗洋菓子店の閉店情報に、残念よりも先に大慌て。

バリバリ食べてきた江ノ電サブレが食べられなくなってしまう!

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翌朝、思いつく限りの取引先をあちこち回ろうと、
在庫のサブレを買いに出かけたのでした・・・。
 

鎌倉へ行っては

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土産物屋でサブレを探し


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藤沢へ行っては

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百貨店でサブレを買い、

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江の島へ行っては、

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参道でサブレについて尋ねて回り

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いつか手に入れたかった、あのイラスト缶を、なんとか最後に手に入れることが出来ました。

我が家は毎月20日のコワレサブレ販売会でサブレを大量購入して食べていたがゆえに、サブレの箱や缶を持っていなかったのです。

コワレサブレは10枚1セットで400円、1人最大10セット100枚4000円で販売されていて、
20日になると地元のお年寄りたちが並んで買っていくわけです。

列に余裕があると2周目に買うこともできて、
両手に20セット200枚とか買って帰る方もいましたね。お茶請けとしてよかったのでしょう。

朝の時点ではお土産屋さんも閉店を知らなかったそうで、ちょっと驚きです・・・。



5月1日。AM10時。

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本店には何の告知もなく、
いつものようにシャッターが閉まっているだけ。
本当に閉店しているのでしょうか・・・。


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余りの突然の告知に動揺する私。
そして記録魔として密かに燃える私。


そして、あまりにもサブレに関する情報が少ないので、
江ノ電サブレが完全に思い出となってしまう前に、
その姿を記録することにしました。

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今まで集めてきたパッケージも合わせて撮影会。

あんなに夢見たサブレだらけな生活。
これほどそろうのも、もう最後と思うと手が震えます。


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今回は、江ノ電サブレの販売形態やパッケージの種類について、
お話していこうと思います。

まずはサブレについて調べていきましょう。
マイアミ製菓の公式ページには、このような記事がありました。


江ノ電サブレの誕生
平成の時代に入ったころ、江ノ島電鉄(株)様と共同で湘南の銘菓を製造することになりました。そこで「湘南のシンボル」である江ノ電をかたどったサブレを試行錯誤の末に3種類の風味で完成いたしました。厳選された材料をふんだんに使用し、サクサクとした香ばしさと味わいを楽しんでいただく。その形は子供から大人まで幅広く楽しんでいただける江ノ電をかわいくデフォルメしています。

包装紙には湘南風景画で高名な画家の故・田口雅巳さんによる江ノ電沿線の情緒ある四季が描かれています。包装紙の包み止めシールにはタンコロ時代の江ノ電で使われていた行き先表示板をモチーフに「藤沢」「鎌倉」とデザインされております。また缶入りサブレの裏面中央の包み止めシールは両区間の中間である「江ノ島」が貼られるという遊び心もお楽しみいただけます。サブレのしおりは昭和7年ごろの江ノ電記念キップの復刻版を使用しています。
お店自体は1962年創業らしいのですが、
意外と私と歳が近い江ノ電サブレ・・・。
確かにあまり昔のドキュメントには広告も出てこないですもんね。

江ノ電グッズが活気を見せていた頃の試行錯誤の一つと言ったところなのでしょうか。
しかし重宝してたんです。
かさばらないし日持ちがするので、飛行機に載せて知人のお宅への手土産にするには最適で。
江ノ電ってもうその名前が10キロのご当地土産を想像させる強さですよね。


この記事を書くためにいろいろ部屋を漁ったら、

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晩年のマイアミのパンフレットを発見しました。
前はもっときちんとした紙だったんですが、
手元にあるのはコピー用紙にコピーされたものです。

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ページを開くと商品一覧があります。

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価格表は後で上貼りされているようですが、コピーなので下は見えません。
オリジナル版も持ってたはずなんですけどねーーー保存状態が悪くて処分してしまったのかな。
またいずれ手に入るだろうと思っていたら、惜しいことをした・・・。

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3枚入りから52枚入りのラインアップ とありますが
価格表から52枚入りは抹消されてしまっています。


サブレはそれぞれこんなパッケージに入っています。

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バター・チーズ・チョコに加え、2019年夏から抹茶味が登場しました。

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裏面です。


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サブレクッキーも江ノ電をデザインした型で焼かれています。

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香ばしいバター味
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あっさりしたチーズ味
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香り味ともに濃厚なココア味
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香りがいい抹茶味
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私が気に入っているのは抹茶味でした。
噛みしめた苦みが好きでしたね。次がココア味。

では、パッケージや包装のデザインを振り返ってみましょう。
価格は2020年11月時点での定価(8%税込)です。


3枚入り紙箱 389円


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こういう形の箱、オペルケースというらしいです。
こちらはイラスト箱。本店でしか見たことがありませんでした。


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サブレ3種が1枚ずつ入っています。
電車の写真が描かれているのは、本店や江ノ電関連の売店などで売られていた限定パッケージです。
その昔、鎌倉駅のイベントでも販売していた記憶があります。

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柄は6種類あり、このほかに10形と301Fといういかにも江ノ電らしいのがあるのですが、
みんなお土産にあげてしまい、マイナーなやつを買って集めていたのでした。
王道を持ってると思ったら持ってなかったパターン。あるあるすぎて泣ける・・・。

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裏面にも同じように写真があります。

なお、本店販売分と江ノ電売店販売分では、シールの有無が異なります。

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シールがあるのが本店購入品、ないのが江ノ電売店購入品です。


5枚入り手提げ箱 648円

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スーパーなどで一番多く見かけたであろうパッケージです。
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手提げ型で自立するので土産に最適。

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蓋は江ノ島行きのサボシールで留められていました。
が、実はことのいち鎌倉で発売された分には「鎌倉」シールが貼られていました。
(中の人はことのいち販売分だけシールが違うことに疑問を持っていたのですが、現物を買い逃してしまい、持っていません。)

シールが「鎌倉」になっている画像をネットで発見しました。
出どころがはっきりしないのが悔しい。


箱の中はこんな感じ。

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バター味3枚、チーズとチョコが各1枚です。

手元にあった古いパッケージと比較してみます。

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むかしのパッケージとはちょっと記載が違うみたいです。
DN5 PLとあるのは製造所固有記号のようなので、
5年ほど前の時点で生産拠点が変わっているみたいですね。


9枚入り紙箱 1188円

いちばん土産に重宝していた紙箱の9枚入りです。
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田口雅巳氏の水彩画のラッピングに入っています。

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包装紙を止めるシールは、タンコロが使用していたサボをデザインしたものです。
こちらは藤澤。

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こちらは鎌倉。

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包み紙を開けると黄色い箱に入っています。

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赤よりの色が多いサブレの中で珍しくやや青みがかっています。

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開けるとこのように、
3種類の味が3枚ずつ入っています。


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路線図カードは昭和8年頃とありますが、
この路線図は「江ノ電60年記」に収録されているものと似ています。
昭和9年に藤沢自動車からバス路線を購入し、藤沢~片瀬で営業を開始するため、
オレンヂバスの赤い細い線がまだ片瀬以東にしかありません。

裏面はお菓子の紹介。
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平成の頃とは江ノ電の風景もだいぶ変わってしまいました。



10枚入り紙箱(抹茶味のみ) 1404円

抹茶味はばら売りと箱売りのみでした。
また取り扱い店舗も少なく、本店とさいか屋でしか見たことがありません。
単品で10枚買ったほうが安いので、あまり箱では買っていませんでした・・・。


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フランス語で

自家製ペイストリー(焼菓子)
優れた品質
と書いてあるようです。

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開けるとこんな感じ。
お馴染みの路線図と、サブレが10枚。

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新味が出たのですがこれも告知がしれっとしていたので、
こんなの出たんですね!って本店でやり取りした記憶があります。

単品で10枚と、本店ではばら売りもしていました。
1枚130円だったかな。
バラで買ったほうが安いっていうんで箱はあまり買わせてもらえなかった記憶。
ちょっとだけなんだから、箱で買ってもいいじゃん、ねえ?


16枚入り紙箱(実物なし) 2160円
紙箱最大サイズ。ですが、私は見た記憶がありません。
というのも、だいたい土産を買うときは前日にちゃんと買っていなかったので、
朝早くに開いているクイーンズ伊勢丹で買ってしまうことが多かったのです。
そこにあるのは基本的に9枚入りと5枚入りでしたから、だいたいそればかりという。

閉店時点では AEON茅ヶ崎中央店に在庫があったようです。

公式サイトでも包装紙にくるまれ、その中身は分かりませんでしたが、
3枚入りの箱を包んだギフトがあったようで、こちらの箱がそのサイズかもしれません。
(内箱のサイズからして、明らかに9枚入りの箱よりも大きい)


12枚入り缶 1728円

缶は大きいためなかなか取り扱っている店がありませんでした。
本店のほかには、湘南FUJISAWAスーベニールズやさいか屋など
限られた店舗でしか取り扱っていませんでした。

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缶も田口雅巳氏の包装紙でくるまれています。

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長辺28.5cm

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短辺22.5cm


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高さは4.8cm
ぴったりでないところからしてインチなのかしら?と思ったんですが、
インチにしては中途半端な長さなので違うのでしょう。
何をもってこの数値が決まるのか、合羽橋にでも行けば答えにたどり着けるでしょうか?


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路線図カードの下にはバターが入っています。
バター6、チーズ3、ココア3の組み合わせ。



20枚入り缶 2700円

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厚さは約7cm


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28枚入り缶(現物無し) 3780円
詳細は不明

36枚入り缶(現物無し) 4860円
基本的には前に紹介している缶と厚みが異なるだけのようです。
手元にありませんが、
所有しているツイッターのフォロワー氏から
缶の厚みは約11.8cmと教えていただきました。
ありがとうございます。


44枚入り缶 5940円

最大サイズの缶です。
いつかこれを買うのが夢でした・・・。


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なかなか立派な体積をしています。

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包装紙をほどくとこんな感じ。
包装紙を使う縦横の向きが違います。
包装紙を大きく保存するため、サボシールをカットすることにしました・・・。

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サボシールがはっきり見える貼り方をしてあります。

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裏側です。
止める向きが他の小さい缶と違いますね。


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包装紙を開いてもはっきりわかる、
特徴的な、この厚み!


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厚さは約15cmです。

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枚数は最大ですが、
底面積は同じなので、開けてみたときの入れ方はどの缶も共通です。

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しかし、中にはトレイが3段重ねになって入っていました。
プチプチが分厚くなっています。
鳩サブレーではここに鳩の絵が描かれた厚紙を入れているんだとか。
ヘビーユーザしか知りえない世界ですね。

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36枚入りの厚みが20枚と44枚の中間ということで、
なんとなく想像できるでしょうか。

52枚缶(詳細不明)

かつて販売されていたらしい缶。
もっと厚みのある缶があるということに驚きです。


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缶はこのように緑のシールで封がされています。
はがすと伸びやすくはがした跡がついて、戻せないようになっている様子。


袋コレクション

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ビニール袋

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黄色い袋は、小分け袋として配られることが多く、
3枚入りの箱を購入するとよくもらえました。

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マチにはマイアミのロゴ。

レジ袋有料化政策に対応し、無料で配れるように厚みが改良された袋が存在します。

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片面にこのような記載があります。

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実は色合いもロットによってちょっと違ったりします。


紙袋(小)

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そうてつローゼンで専用の袋としてもらったもの。

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非常に小さく、5枚入りがギリギリ入るサイズです。

紙袋(中)
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江ノ電の社紋と江ノ電をデザインした中くらいの紙袋。

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抹茶味と同じころから使用されている比較的あららしいデザインです。
小田急OXでマイアミ福袋としてパウンドケーキなどを詰めて販売されることもありました。

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紙袋(大)

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もっともスタンダードな紙袋で、
だいたいどこの百貨店・スーパーでも入手できた最も標準的な袋です。

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安定のマチで、缶も縦に収納することが出来ます。
取っては緑の紙製。

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マチには店名のほか連絡先も記載されています。


紙袋(特大)

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マチを缶の底に合わせた特大サイズの紙袋。
44枚入りをするっと収納することが出来ます。

かつては52枚入りも格納していたんでしょうね。


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重量に配慮したのか、スチロール製の持ち手が特徴です。

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そして圧倒的な底面積。
そこには厚紙が敷いてあり、箱の転倒を防いでいるのも工夫が見られます。

サブレの他に
実は江ノ電パウンドケーキとかもあったのですが、
うちはアウトレット品で買っていたのでパッケージを持ってないのでした。
タンコロデザインなのに…。


まとめ

さて、ここまで中の人の所蔵品を通して、
江ノ電サブレを記録してきました。

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これだけ缶を買う機会ってなかなかなくて、20枚入り以上を買うってあまりないのではないでしょうか。


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いろいろ事情はあるのかもしれませんが、
本当に、こんな形で消えてほしくなかったなぁという希望と、普段からこんだけ買ってたら潰れなかったのかなとかifを思ったり。


コロナ渦で観光客が激減してしまい、観光地のお土産菓子の売れ行きはどこも悪く、緊急事態宣言による低迷で食品ロスなど心の痛む話をあちこちで聞きました。
休業補償で飲食店には補償があっても、土産屋さんや、売り先の飲食店をなくした菓子メーカーに補償はないのです。だからどんどん土産菓子が危機に立たされていて、だからこそのGoToキャンペーンだったわけです。

しかもマイアミはケーキ屋さんだったので、ナマモノで通販もきかない洋菓子を抱えていたのがさらに大きいのかなと。

がまんのウィークなどと呼ばれて、お客さんの行動が抑制されてしまった中、
コロナの影響をほとんど受けていない職種の労働者として、しっかり買い支えてやれなかった地元民の悔しさと言ったらもう、言い表しようがないです。
しかし胃袋は一つしかない、というのもまたジレンマだったり。

いずれにせよ、今の自粛生活を貫いていたら、地元の銘菓はもたないのではないかと危惧しています。
こうした地域の文化を作ってきた功労者たちの生活を狂わせてしまう自粛生活のインパクトの重大さについて、WITHコロナの観点において立ち位置を見直さなくてはなりません。
今後も対策をした上で経済回していかないとなと思ってます。
最近はSNS上でSOSを発信する店舗も増えています。地域の食文化を郷土史にしないために、できることはやります。ガンガンアピールしてほしいです。


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熱いコーヒーを啜り、泣いても笑っても戻ってこないサブレを奥歯で噛みしめて、
小さな電車に託された、ほのかに甘い夢に浸るのでした……。



サブレの思い出、なんかあったらコメントに書いてってくださいな。